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アクセル Research Memo(6):LSI事業は5年後に売上高200億円、営業利益30億円を目指す

*12:46JST アクセル Research Memo(6):LSI事業は5年後に売上高200億円、営業利益30億円を目指す
■アクセル<6730>の今後の見通し

2. 今後の成長戦略
今後の成長戦略として、LSI事業はG-LSI・メモリモジュールの市場シェア拡大と製品ポートフォリオの拡充を進めることで、さらなる事業拡大を目指す。AI事業では、AIコンピューティング事業に注力し、収益化フェーズへの早期移行を図る。また、遊技機器及びAI市場以外の新規事業の創出についても取り組む。

(1) LSI事業
遊技機器市場は、娯楽の多様化や射幸性に関する規制強化もあって利用客数が減少し、ホール軒数も2015年の11,310店から2025年は6,464店と10年間で6割弱の水準まで減少した。遊技機器の設置台数で見ると2015年の458万台から2025年は323万台と約7割の水準に減少しており、市場規模では同様に298万台から148万台と5割の水準まで縮小している。

市場規模が縮小する中で、同社の業績が直近10年間でどのように変化したかを見ると、売上高は2016年3月期(単体)の8,982百万円から2026年3月期(連結)は14,656百万円と1.6倍に拡大し、営業利益も同様に244百万円から1,664百万円と6.8倍に拡大した。売上高の増加要因は、メモリモジュールを中心にG-LSI以外の売上を10年間で4.8倍の8,354百万円まで伸ばせたことが大きい。2016年3月期のメモリモジュールの販売先は1社だったが、10年間で顧客の開拓が進み、2026年3月期の市場シェアは80%まで成長した。一方、G-LSIについてはリユース率が上昇したこともあって、販売数量は108万個から46万個と4割強の水準まで落ち込んだが、売上高は8割弱の水準にとどまっている。製品の高付加価値化に伴う単価上昇に加えて、基板実装まで行いモジュール品として販売するケースが増加したことが要因だ。また、G-LSIの市場シェアも51%から55%と若干ながら上昇した。一方、営業利益については、増加要因の大半が研究開発費の減少によるものである。研究開発費控除前営業利益で見ると2016年3月期の3,051百万円に対して、2026年3月期は3,305百万円と約8%の増加にとどまっている。なお、10年前にはなかったAI事業の損失額を除くともう少し増益率は高くなる。

こうした状況を考慮すれば、遊技機器市場の停滞が継続した場合でも、市場シェアの拡大並びに製品ポートフォリオの拡充によって、事業規模が拡大していく可能性は十分にあると言える。同社は今回、初めて数値目標を掲げた。具体的には5年後の2031年3月期にLSI事業で売上高200億円、営業利益30億円を目指す。前提となる2031年3月期の遊技機器の市場規模は135万台とし、市場シェアについてはG-LSIで約55%から約85%に、メモリモジュールで約80%から約90%にそれぞれ引き上げていく。業績目標値は、市場シェアの拡大だけで達成可能な水準であり、これに新たな製品を追加することができればさらに上乗せできることになる。市場規模が縮小する中で残存者利益を獲得できる絶好のポジションに同社が立っているとも言える。

G-LSIにおける同社の強みとして、圧倒的なシェアと開発継続力、動画再生など市場ニーズを的確に捉えた製品仕様、顧客が新機種の開発を効率的に進められるソフトウェア開発環境の提供、手厚いサポートによる顧客との強固な関係性、などが挙げられる。市場シェアが上昇する要因としては、同社製品の性能並びにコストパフォーマンスの高さに加えて、差別化製品の開発には多額な投資が必要なため高いシェア前提でなければ経済合理性が合わないことなどが挙げられる。

製品ポートフォリオの拡充については、電子部品などその他のハードウェア部材の需要を取り込んでいく方針である。これらの需要を取り込むことができれば、遊技機器1台当たり売上単価は最大で2倍超に拡大できる余地が出てくる。既存メーカーが存在しているため新規参入は容易ではないものの、既存製品と組み合わせてコストパフォーマンスの良いモジュール製品を開発することでシェアを開拓していくものと予想される。

(2) AI事業
AI事業については、自動車やFA機器業界のエッジAI市場でAIコンピューティング事業に注力していく。エッジAIを動かすには、限られたリソースの中で処理速度を高める必要があり、個別の機器に合わせて半導体やAIモデルを最適化することが求められている。同社の強みは、LSI事業で培ったハードウェア及びソフトウェアの知見を有していること、独自開発したAI推論フレームワーク「アイリア SDK」を持っていること、特定用途に特化したカスタムAIモデルの開発能力を有していることなどが挙げられる。2025年に開催された大阪・関西万博では、シグネチャーパビリオン「null2」の技術パートナーとして協賛したことでAI企業としての認知度が向上しており、今後の動向が注目される。

(3) 新規事業
遊技機器及びAI市場以外で新規事業を立ち上げ、事業ポートフォリオの拡充と収益基盤の強化に取り組んでいく。このため、新事業創出室を新設し2026年6月より7名体制で始動する。まずは3年以内に10億円規模の新たな市場・事業創出の目途を立てることに取り組む。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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