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PBシステムズ Research Memo(3):サイバー脅威の増大がもたらすセキュリティソリューションへの旺盛な需要

*11:03JST PBシステムズ Research Memo(3):サイバー脅威の増大がもたらすセキュリティソリューションへの旺盛な需要
■ピー・ビーシステムズ<4447>の会社概要

3. 事業環境
はじめに、同社の主力であるセキュアクラウドシステム事業が属するクラウドサービス市場の概況を確認する。総務省「令和7年版情報通信白書」によると、国内のパブリッククラウドサービス市場は拡大の一途を辿っており、2024年の売上高は約4.1兆円(前年比26.1%増)となった。利便性やコストパフォーマンスを背景としたオンプレミスからクラウドへの移行トレンドにより、今後も継続的な市場成長が見込まれる。また、同資料における2029年までの推計では、世界的な成長基盤を背景に、国内市場は約8.8兆円規模まで拡大すると予測されている。この数値はパブリッククラウドを対象としたものであり、同社が強みを持つプライベートクラウド市場と領域は異なるものの、ICT技術の進展に伴いクラウド分野全体が成長を持続する確度は極めて高い。総じて、クラウドサービス市場は今後も良好な拡大が続く成長市場であると判断される。

ビジネスにおけるクラウド活用の重要性が増大するなか、サービスの安定的な稼働を担保するためのセキュリティに配慮した基盤構築の必要性も、不可避的に高まっている。こうした現状を踏まえ、現代の企業経営において見過ごすことができないリスクとなっているサイバー攻撃及びサイバーセキュリティを巡る諸状況について概観する。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)がまとめた「NICTER観測レポート2025」では、「1IPアドレス当たりの年間総観測パケット数」をインターネットにおけるサイバー攻撃関連活動の活発度を表す指標として考えている。この数値を見ると、2017年時点で約57万パケットであった観測数は、2025年には約250万パケットへと急増している。これは約4.3倍という著しい伸び率であり、わずか数年の間にサイバー攻撃がいかに活発化しているかを如実に物語っている。実際に、多数の上場企業や官公庁がサイバー攻撃のターゲットとなり、多くの被害が報告されている。ランサムウェアに関しては、2026年3月に警察庁が公表した「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」で、2025年の被害報告件数は226件と高止まりし、そのうち6割が中小企業であった。業種別では製造業が40.3%、卸売・小売業が15.0%と上位を占めており、同社主要顧客の中小製造業、小売業が狙われやすい状況にあることがわかる。また、中小企業の攻撃を足掛かりとしてサプライチェーンを経由し、中堅・大企業を狙うケースや、大企業による身代金支払いの拒絶を背景に中小企業を狙うケースなど、いずれも中小企業のセキュリティ対策の脆弱性を突く攻撃が増加している。

加えて、事業環境の観点ではAI技術の加速度的な進化が及ぼす影響も無視できない。現在、株式市場においては情報通信系の企業は「SaaSの死」という悲観的な評価が下されるなど、逆風が強まっている。しかし、こうした状況下において改めて肝要となるのは、SES(システム・エンジニアリング・サービス)とSIer(システム・インテグレーター)の本質的な相違を峻別する視点である。単なる労働力の提供や定型的な開発実務を主業とする、いわゆるSIerを標榜する従来型SES企業が、AIの普及に伴い急速に市場からの退場を余儀なくされることは確実視される。AIを十分に活用しきれずに淘汰されるSIerが存在する一方で、SIerという業態全体がSESと同様の衰退を辿ると結論付けるのは早計である。SIerの本質的な価値は、顧客の業務構造や経営課題を深く洞察し、上流の構想段階から参画して複雑な利害関係を調整する点に集約される。さらに、データ基盤の整備、クラウド移行、セキュリティ対策、AIの実装、さらには既存システムとの整合性確保や運用設計に至るまでを、一貫して統合・完遂させる能力こそがその核心である。これらは総じて「システムの統合責任を負う能力」と言い換えられるが、この高度な機能を「AIの導入さえあれば自社で即座に代替可能である」とする中堅・中小企業側の楽観的な見解は、実務上の複雑性を過小評価しているのではないだろうかと弊社では考える。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)



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