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日空調 Research Memo(2):主な事業分野は4つ、原子力関連空調に強み

*11:42JST 日空調 Research Memo(2):主な事業分野は4つ、原子力関連空調に強み
■事業概要

1. 分野別の概要
新日本空調<1952>の主要事業は、空調設備を主とした建築設備の設計・施工管理の単一事業であることから、「セグメント別」は開示されていないが、同社では「分野別完成工事高・受注工事高」を開示している。

分野別の大分類として「個別国内」(親会社)と「関係会社」に分けられている。さらに中分類として個別国内は「一般」と「原子力」に分けられ、関係会社は「国内」と「海外」に分けられている。

受注金額は案件ごとに大きく異なり、数万円から数百億円と幅が広い。工期(受注から完工・売上計上まで)も数ヶ月から長いものは数年に及ぶ。利益率も案件ごとに異なるが、労務費や資材コスト、工程管理等の影響により、売上計上時の利益率が当初の計画から変動する場合もある。

(1) 個別国内(一般):2026年3月期完成工事高構成比77.8%
一般的なビル・工場・公共施設等の新築物件の空調設備工事を行うもので、新築のため、大手ゼネコンの下請けとして入る場合が多い。また空調設備工事以外に給排水衛生設備・電気設備工事なども行っているが、構成比が低いため特に区分けはしていない。前期までは「新築」と「リニューアル」に分けられていたが、2026年3月期からは合算されている。

(2) 個別国内(原子力):同5.1%
原子力発電所や関連施設への空調工事を行うもので、日本初の原子炉空調を施工した長い歴史があることから信頼も厚く、同分野でのシェアは40%ほどと推定されており、国内ではトップクラスである。ただし、市場が限られていることもあり、受注工事高は期によって変動する場合が多い。

(3) 関係会社(国内):同5.5%
国内の関係会社が行う工事である。

(4) 関係会社(海外):同11.6%
海外の関係会社が行う工事である。

さらに向け先別として同社では、半導体関連を含む電気・電子、自動車、機械などの産業向けの完成工事高(及び構成比)を「産業」、それ以外を「保健」として開示しており、2026年3月期の産業は88,063百万円(構成比56.9%)、保健は66,820百万円(同43.1%)であった。また、新築とリニューアルの完成工事高(全社ベース)はそれぞれ65,145百万円(同42.1%)、89,738百万円(同57.9%)であった。

2. 特色と強み
(1) 原子力関連に強い
国内に同社と同様の空調設備の工事・監理を提供する企業は無数にある。そのような業界のなかで、同社の強みの1つはやはり長い歴史を有する「原子力関連」だろう。既述のように、日本原子力研究所に日本初の原子炉空調を施工した実績と、その後の信頼は現在も続いており、これは同社の強みだ。

(2) 半導体向けに強い
同社は比較的「産業向け」の売上比率が高いが、そのなかでも特に半導体関連に強い。これは、古くから(株)東芝との関係が深かったことによる。これもまた同社の「信頼と実績」に基づいており、特色であり強みと言えるだろう。

(3) トップクラスの技術力と優良な顧客基盤
戦前から培われた高い技術力は同社の強みであり、国内トップクラスの水準と言える。磨かれた技術力は幅広い分野に及ぶ。また、長い歴史のなかで積み重ねた実績が信頼につながっており、この信頼関係に基づいた豊富で優良な顧客基盤も同社の強みだろう。戦前の南満州鉄道の特急「あじあ号」や関釜連絡船「興安丸」の実績は言うに及ばず、戦後の高度成長期に日本初の超高層ビル「霞が関ビルディング」の空調施工を行ったことなど、数多くの実績が近年の大型再開発プロジェクトの受注につながったとも言える。

3. 主な競合企業
同社のような空調設備工事を手掛ける企業は、大小合わせれば全国に無数にある。その意味では、競合する企業は無数にあると言えるが、超高層ビルや大規模工場・設備などの空調を手掛けられる企業は少ない。正確な市場シェアなどの算出はできないが、同社によれば「東京証券取引所プライム市場に上場している空調工事大手7社のなかで、当社は5番目になる」とのことである。

主な競合企業は、高砂熱学工業<1969>、三機工業<1961>、朝日工業社<1975>、日比谷総合設備<1982>、ダイダン<1980>、大気社<1979>などである。



■業績動向

2026年3月期は33.3%の営業増益。受注工事高、繰越工事高も高水準を維持

1. 2026年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2026年3月期の業績は、受注工事高177,762百万円(前期比15.5%増)、完成工事高154,884百万円(同12.5%増)、繰越工事高148,747百万円(同18.2%増)、営業利益15,128百万円(同33.3%増)、経常利益15,881百万円(同32.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,154百万円(同25.9%増)となった。受注工事高1,700億円超え、完成工事高1,500億円超えは、いずれも初めてのことであり、それ以外の各項目も繰越工事高以外いずれも過去最高を記録した。

完成工事総利益率は、好採算の工事の完工に加えて施工の効率化も進み17.6%(前期は16.0%)と大改善した。一方で販管費は、人員増や職場環境の改善などにより同13.2%増となったが、ほぼ計画どおりであった。この結果、営業利益は前期比で大幅増益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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