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三陽商 Research Memo(1):外部環境の変化に対応した堅実な収益重視戦略に転換

*13:31JST 三陽商 Research Memo(1):外部環境の変化に対応した堅実な収益重視戦略に転換
■要約

三陽商会<8011>は、1943年設立の総合アパレルメーカーである。「Paul Stuart(ポール・スチュアート)」「MACKINTOSH LONDON(マッキントッシュ ロンドン)」「BLUE LABEL CRESTBRIDGE(ブルーレーベル・クレストブリッジ)」「BLACK LABEL CRESTBRIDGE(ブラックレーベル・クレストブリッジ)」等のブランドの高付加価値商品を、百貨店を主販路として展開している。同社の強みは、製品の企画から販売までを社内で一気通貫して行えるオペレーション、高い技術力、強固なブランドポートフォリオである。

同社は2015年まで「Burberry(バーバリー)」ブランドのライセンス販売を行っていたが、ライセンス契約終了後の数年間は営業利益が赤字に転落し、業績低迷が続いた。コロナ禍の2020年5月に大江伸治代表取締役社長(おおえしんじ、現 代表取締役会長)が就任して以降、売上高よりも利益を優先する施策に転換し、事業構造改革を推進した結果、2023年2月期に7期ぶりに営業利益黒字化を達成した。現在は「基幹7事業」を中心とする強固なブランドポートフォリオを形成しており、営業黒字基調が定着している。

1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期業績は売上高58,448百万円(前期比3.4%減)、営業利益1,298百万円(同52.2%減)、経常利益1,436百万円(同49.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,113百万円(同2.7%増)となった。売上高、営業利益・経常利益は期初計画を大幅に下回った一方で、投資有価証券売却益を計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益は期初計画を上回った。同社は売上高不振の外的要因として、気象条件によるプロパー(正価)商戦の短期化、消費マインドの冷え込みによる中高級品市場の低迷、円安等によるインバウンド売上減少を挙げている。内的要因に関しても、ブランド軸・商品軸・顧客軸・チャネル軸の4視点で詳細に分析している。

2. 2027年2月期業績見通し
中期経営計画(2026年2月期〜2028年2月期)の2年目にあたる2027年2月期は、売上高60,000百万円(前期比2.7%増)、コア営業利益※2,300百万円、営業利益2,100百万円(同61.7%増)、経常利益2,000百万円(同39.3%増)と増収及び大幅な営業・経常増益を見込む。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期同様に一定程度の投資有価証券売却益の計上を見込むため、4,020百万円(同2.3%減)と経常利益を上回る予想である。前期不振要因の詳細な分析に基づく克服策が、増収・増益に寄与する見通しである。

※ 本社土地一部譲渡及び本社ビル建て替えの影響を除く営業利益。

3. 中期経営計画の修正
同社は、2026年2月期の業績を踏まえ、中期経営計画の定量計画を修正した。最終年度にあたる2028年2月期の定量計画は、M&A等を含まない売上高620億円、コア営業利益25億円、営業利益13億円、親会社株主に帰属する当期純利益40.8億円に修正している。ただし、中期経営計画の定性的な方針や、売上高1,000億円、営業利益率10%、ROE10%という長期目標については、特段の変更はない。

4. 株主還元
同社は2023年2月期から2025年2月期にかけて、配当水準をDOE2%からDOE4%にまで引き上げた。現在も配当方針としてDOE4%を維持しており、2026年2月期は1株当たり年間139.0円(中間69.0円、期末70.0円)の配当を実施し、2027年2月期の配当予想は年間147.0円(中間72.0円、期末75.0円)※である。また、同社は2023年2月期から2026年2月期にかけて合計201万株、総額50.9億円の自己株式の取得を実施しており、現在も上限50万株・20億円の自己株式の取得を実施中である。そのほか、同社は株式分割や株主優待制度の拡充にも取り組んでおり、2025年12月26日に、2026年9月1日を効力発生日として普通株式1株につき3株とする株式分割の実施、並びに2026年8月31日を変更日とする株主優待制度の拡充を発表した。

※ 記載数値は株式分割がないと仮定。

■Key Points
・2026年2月期は気象条件等により大幅減益も、配当はDOE4%を堅持し増配
・2027年2月期は大幅な増収・営業増益を計画
・中期経営計画の定量目標を修正。定性的な方針は据え置く

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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