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中西製作所 Research Memo(6):給食や中食・外食を強化し、2036年3月期に売上高500億円を目指す

*11:06JST 中西製作所 Research Memo(6):給食や中食・外食を強化し、2036年3月期に売上高500億円を目指す
■中西製作所<5941>の中期経営計画

1. 長期ビジョン
同社は、厨房機器の国内市場が人口減少に伴い横ばいから緩やかな縮小傾向にあると認識している。一方で、食品製造業や飲食業では人手不足の深刻化から自動化・省人化へのニーズが増大すると見ている。このため同社は、学校や病院といった主力市場でのシェア拡大に加え、人員と製品力の増強を通じて高まる自動化・省人化ニーズへの迅速な対応を進めている。こうした環境認識に対して同社は、「厨房エンジニアリングのリーディングカンパニー」として、チャレンジ精神と高い技術力で食の未来を創造し、関わる人すべてに笑顔と健康を届けるという長期ビジョンを設定した。

具体的には、主力である給食市場への厨房機器に加え、中食・食品加工などの食品エンジニアリング、海外やその他新規領域へ積極的に進出することで、厨房機器・食品加工業界をけん引する存在を目指す。その過程で、多様な顧客の要望に対応してきたチャレンジ精神と蓄積した技術力に磨きをかけ、新たな価値の創出を通じて食の未来を創造する考えである。また、顧客が満足する製品・サービスの提供に加えて、従業員が安心感と誇りを持って働ける環境づくりにも注力するなど、社内外すべてのステークホルダーに愛され信頼される企業像を確立する。こうした長期ビジョンの実行により、2036年3月期に売上高500億円の達成を目標として掲げている。

(1) 給食
売上構成比で6割を超える給食(学校、病院・福祉、事業所)について、主力の学校向けは、少子化に伴い7歳~18歳人口が2030年までの10年間で15%減少するとの見通しから市場縮小が懸念されている。しかし、自動化・省人化ニーズを背景に給食センターの着工は安定しており、今後も給食調理のセンター化と大規模化が進展する見込みである。特に、長期的な関係維持が可能となるPPP・PFI※方式による案件の増加が見込まれることから、同社は自動化・省人化ニーズへの対応強化とPPP・PFI案件を含む受注率向上を通じて、市場シェアの拡大を図る。

※ PPP(官民連携)は、公共事業を国や地方自治体と民間企業が連携して行う手法。PFIは、PPPの一種であり、民間の資金や経営能力、技術を活用して公共施設等の設計・建設・運営を行う手法。

病院については、再編統合による病床削減や介護施設への転換政策で病院数は横ばい、もしくは減少が見込まれるものの、大手給食事業者によるセントラルキッチン化や、中規模病院での人手不足を背景とする調理・洗浄の自動化・省人化・集約化ニーズの高まりに対応することで、売上高の拡大を図る。一方、福祉施設については、老人福祉施設の増加が見込まれるものの、100人以下の小規模施設が中心であり、同社が得意とする大型機器との親和性は限定的と見られる。事業所向けについては、テレワークの浸透や就業人口の減少により将来的な減少が予測され、コンビニエンスストアなどとの競合もあることから、大幅な需要拡大は見込みづらい状況にある。こうした各分野の市場環境を踏まえ、同社は学校と病院市場の開拓を優先する方針である。

(2) 中食・食品加工
中食・食品加工の売上構成比は5%程度だが、生産性の向上や食の簡便化志向を背景に多様なニーズが浮上している。食品工場の件数は近年減少傾向にあるものの、コンビニエンスストア向け食品工場では機器の高スペック化が進んでおり、中食需要の拡大に伴い冷凍食品工場や惣菜工場、セントラルキッチンなどの市場も拡大基調にあると見られる。このため同社は、大手コンビニエンスストア向けのベンダーやエンジニアリング会社、食品メーカーへの営業を強化するとともに、中小・中堅規模の食品工場向けには製品ラインナップを拡充し、地域密着営業を展開することで、売上の底上げを図る。

スーパーやコンビニエンスストアでは、店舗数は横ばいだが大手による寡占化が進む一方、惣菜類の生産効率向上のニーズが高まっている。このため、プロセスセンターやセントラルキッチンでの加工・調理の集約化が進んでおり、同社製品に対する需要は堅調に拡大すると見込まれる。一方、6次産業※はコロナ禍以降に事業体が減少傾向にあるものの売上高は漸増しており、商品の高付加価値化が進展している。しかし、農業経営の法人化のペースは緩やかであり、全体に占める割合は限定的となっている。このため同社は、既存技術の用途転用を模索しつつも、市場規模の観点から食品工場やセントラルキッチンの開拓を優先する方針である。

※ 農業や水産業などの1次産業が食品加工や流通販売まで行う経営形態。

(3) 外食
売上構成比で約3割を占める外食では、大手チェーン店の堅調な出店計画に加え、生産性向上を目的に機器の入れ替え需要が一定数見込まれる。しかし、コロナ禍からの回復やインバウンド消費拡大の恩恵がある一方で、中食(惣菜・弁当など)への需要シフトも見られ、市場全体は横ばい圏での推移にとどまる見通しである。同社は売上構成比の高い主力取引先である日本マクドナルドホールディングスに対して安定的に機器を納入しているほか、人手不足を背景とした省人化ニーズも強いため、厨房レイアウト設計を含めたノウハウを発揮しやすい状況にある。一方、景気による需要変動や、機器設置やメンテナンスに必要な人員確保が課題となるため、他部門と協力体制を構築して人員体制を増強・整備し、売上拡大への足場固めを進める。

ホテルについては、インバウンド消費の拡大を背景に、都市部でのホテル建設、地方部での宿泊施設の高付加価値化が進んでいる。しかし、同社はホテル市場におけるシェアが低く、ホテル向けの施工ノウハウ蓄積やコスト競争力の面で課題を残している。このため、飲食店分野のノウハウを活用しつつ、ホテル分野の開拓を徐々に進める方針である。

(4) 海外
売上構成比が1%に満たない海外は、コロナ禍が明けても市場の動きが鈍く、日本製機器の需要拡大は想定を下回る推移となった。しかし、難易度が高いとされていた代理店・販売店を7ヶ国10社開拓したほか、重点製品についてはEU(欧州連合)加盟国の基準を満たすCEマークを取得した。また、卓上型過熱水蒸気オーブン「DEECO」の展示会出展を通じて、特に欧州で「過熱水蒸気による調理」への関心を喚起した。足元の市場環境は厳しいものの、将来的な需要獲得を見据えて現地法人の設立など海外体制のさらなる充実を図り、各製品の海外市場対応を進める。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)



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