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ティア Research Memo(6):名古屋市内のシェアを奪還し、2026年9月期業績は期初計画達成を目指す

*11:06JST ティア Research Memo(6):名古屋市内のシェアを奪還し、2026年9月期業績は期初計画達成を目指す
■ティア<2485>の今後の見通し

2026年9月期の連結業績は売上高で前期比9.9%増の23,700百万円、営業利益で同23.8%増の2,035百万円、経常利益で同15.8%増の1,825百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同17.8%増の1,050百万円と、期初計画を据え置いた。中間期は計画を下振れたものの、下期は顧客獲得施策の推進や葬儀単価の維持向上に取り組むほか、予定していた一部店舗の閉鎖並びに改修や新規出店を先送りし、その他経費の抑制に取り組むことで計画達成を目指す。中間期までの業績進捗率は売上高で48.2%、営業利益で49.3%となっている。同社の場合、業績は中間期に偏重する傾向にあるため、計画達成のハードルは高いものの、今後の葬儀件数の動向次第となる。

2026年9月期の出店計画は期初段階において、ティア直営店が7店舗(1店舗はリロケーション)、八光殿と東海典礼が各3店舗、FC店が12店舗を予定していた。このうちティア直営店は中間期で2店舗(三重県、名古屋市)を出店しており、残り5店舗(中部圏3店舗、首都圏2店舗)についても予定どおりに出店を進める。一方で、八光殿の3店舗及び東海典礼の2店舗については物価の上昇や原油高に起因する一部設備の供給制限などの影響から、出店時期を2027年9月期以降へ延期する見通しとなった。これは葬儀件数の面では下押し要因となるものの、店舗立ち上げコストの負担が軽減されるため、利益面ではプラスに寄与する見込みだ。また、八光殿が運営する葬儀会館「ティア四條畷」(大阪府)で2026年4月より大型改修に着手している。オペレーションの動線を見直すとともに、デッドスペースの有効活用によって効率化を図り、収益性を高めるねらいがある。2026年10月に営業を再開する予定である。

通期の業績予想の前提となる葬儀件数は、ティア直営店で前期比9.7%増の17,431件、これに八光殿、東海典礼、新たに加わったティア北海道を加えたグループ合計で、同12.6%増の22,256件を見込んでいる。同社ではこれまで葬儀件数の計画策定にあたって、既存店については直近2年間の平均値や過去の伸び率を参考に、新店は商圏分析から想定される葬儀件数で計画に織り込んでいた(ティア北海道については過去実績平均を参考にした)。直近2年間(2023年7月~2025年6月)の伸び率が高く推移していたことが、2026年9月期の計画に影響したと見られる。半期ベースで見ると中間期が前年同期比3.6%減の10,308件であったため、計画を達成するためには下期に同31.5%増の11,948件が必要となる。伸び率の数字としては大きくなるが、前下期の実績水準が低いため、件数ベースでの実質的なハードルは表面上の数値ほど高くはなく、増加に転じる蓋然性は高いと見られる。今後は営業活動の強化によって既存店舗での上積みを目指す。特に、地盤の名古屋市内ではシェア奪還策として、顧客獲得導線(インターネット、テレビ、チラシ広告等)を分解して営業KPIを設定し、2週間サイクルごとにPDCA運用を通じて施策の効果・検証・補完を行い葬儀件数の回復並びにシェア奪還を図る。

一方、葬儀単価については期初計画で前期比2.4%減の876千円を前提としているが、中間期が前年同期比1.0%減の894千円と想定を上回る水準だったことから、通期でも計画を上回る水準を維持するため、顧客に対して最適な葬儀提案を推進する方針である。

なお、ティア北海道については葬儀件数で312件、葬儀単価で600千円を前提としている。子会社化前の平均料金は400千円程度と低価格で運営していた点や、2025年10月に「ティア」ブランドへリブランディングした影響により、中間期は葬儀件数で96件、葬儀単価で574千円と計画を下回っており、通期でも計画を下回る公算が大きい。同社では「ティアの会」会員獲得のためのイベント開催や、提携団体獲得のための営業を開始しているほか、人事制度の改定にも取り組んでおり、2027年9月期以降にこうした施策の効果が顕在化する見通しだ。北海道の葬儀業界でも互助会が強く、葬儀価格は平均120万円前後となっているため、名古屋市内でシェアを確立してきた経験及びノウハウを活用することで、同エリアにおけるシェア拡大の余地は大きいと見られる。

期初計画の売上増減要因を見ると、ティア直営の既存店による増収で1,109百万円、新店稼働による増収で259百万円、TLD領域による増収で103百万円、八光殿の増収で488百万円、東海典礼の増収で242百万円、ティア北海道の連結化で190百万円を見込む。これらにより、その他(リロケーション・閉鎖)による減収257百万円を吸収し、合計で2,137百万円の増収を見込んでいる。

また、経常利益はティア直営店の増収効果で484百万円、原価低減効果で421百万円、グループ会社のEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)増加で119百万円の増益を見込む。これらがティアの人件費増加296百万円、広告宣伝費の増加80百万円、その他経費の増加400百万円を吸収し、合計で249百万円の増益となる計画である。

売上原価率は前期比1.9ポイント低下の60.3%を計画している。内訳は、商品原価率で1.1ポイント、労務費率で0.2ポイント、雑費率で0.6ポイントそれぞれ低下する見込みだ。商品原価率については、商品内容の見直しや価格改定を実施することで改善を図る。具体的には、造花を増やすなど、付帯品の一部をオプションサービスとした。また、労務費率や雑費率については葬儀件数の増加で稼働率が上昇することにより低減する見通しだ。一方で、販管費率は同1.0ポイント上昇の31.2%、金額ベースで874百万円の増加を見込んでいる。賃金制度改定に伴う人件費の増加や広告宣伝費の増加を見込んでいるほか、ティア北海道の販管費が上乗せ要因となる。ただ、経費の抑制に努めることで中間期の実績と同様、通期ベースでも計画を下回る可能性が高いと見られる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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