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コニシ Research Memo(3):2026年3月期は償却負担増などで営業減益だが、売上総利益とEBITDAは増益
2026/06/22 12:03
*12:03JST コニシ Research Memo(3):2026年3月期は償却負担増などで営業減益だが、売上総利益とEBITDAは増益
■コニシ<4956>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2026年3月期の業績は、売上高136,569百万円(前期比0.6%増)、営業利益10,464百万円(同0.9%減)、経常利益11,098百万円(同0.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8,033百万円(同0.6%減)となった。
売上総利益率は20.5%(前期は20.3%)となり前期比で0.2ポイント改善した。これは主に製品価格改定効果に加えて、化成品及び工事事業での売上総利益率の改善による。その一方で、販管費は償却増も含めて計画どおり前期比3.7%増となったことから、営業利益は同0.9%減となった。
セグメント別では、「ボンド」は販売価格の改定もあり増収、売上総利益は増益だったが、償却負担増によりセグメント利益は減益となった。「化成品」は、各業界で新規採用が進み増収、これによりセグメント利益も増益となった。「工事事業」は、大型工事の進捗が遅れたことで減収となったが、完成工事の利益を確保したことでセグメント利益は増益となった。
設備投資額は栃木工場等の大型投資が一服したことから4,212百万円(前期は7,761百万円)となったが、一方で減価償却費は2,964百万円(同2,082百万円)と大幅増となり営業利益を押し下げた。EBITDA(償却前営業利益)は前期比6.2%増であり、表面上の数字より好調な決算だったと思われる。
営業利益の増減要因を見ると、まず売上総利益は全体で前期比543百万円増加した。「ボンド」の売上総利益は202百万円増となったが、内訳は原材料コストの低下で162百万円増、製造経費の増加で883百万円減(うち減価償却費の増加が728百万円)、販売数量減で682百万円減、販売価格の改善で1,605百万円増であった。「化成品」の売上総利益は増収に伴い219百万円増加した。「工事事業」の売上総利益は、好採算の工事が完成したことから115百万円増加した。さらに調整額で売上総利益が6百万円増加した。この結果、売上総利益は全セグメントで増益であった。
一方、販管費全体は前期比634百万円増(うち減価償却費の増加が153百万円)となった。内訳はボンドが344百万円増、化成品が145百万円増、工事事業が22百万円増、調整額が121百万円増であった。これらの結果、営業利益は前期比で91百万円減少した。
自己資本比率は63.4%へ上昇
(2) 財務状況
2026年3月期末の財務状況は、流動資産は前期末比2,465百万円減の83,303百万円となった。主に現金及び預金の増加176百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)の減少2,444百万円、契約資産の減少237百万円、棚卸資産の増加596百万円による。固定資産は同5,275百万円増の56,307百万円となったが、主な要因は償却に伴う有形固定資産の減少240百万円、無形固定資産の増加1,635百万円(主にソフトウェア及びのれん)、投資その他の資産の増加3,880百万円であった。投資その他の資産の増加は、主に投資有価証券の増加(1,011百万円)及び退職給付に係る資産の増加(2,434百万円)による。その結果、資産合計は同2,809百万円増の139,610百万円となった。
負債合計は前期末比622百万円増の50,750百万円となった。主に支払手形及び買掛金(電子記録債務含む)の減少203百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金等の減少29百万円、長期預り保証金の増加61百万円、繰延税金負債の増加1,008百万円による。純資産合計は、同2,187百万円増の88,860百万円となった。主に当期利益の計上による利益剰余金の増加5,396百万円、自己株式の増加5,154百万円、その他有価証券評価差額金の増加446百万円による。この結果、2026年3月期末の自己資本比率は63.4%(前期末63.1%)へ上昇した。
(3) キャッシュ・フローの状況
2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは13,733百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上11,954百万円、減価償却費2,964百万円、売上債権及び契約資産の減少3,232百万円で、主な支出は投資有価証券の売却益866百万円、棚卸資産の増加580百万円、仕入債務の減少430百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは5,987百万円の支出となったが、主な支出は有形固定資産の取得2,847百万円、無形固定資産の取得2,454百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得1,388百万円であった。財務活動によるキャッシュ・フローは8,414百万円の支出となったが、主な支出は自己株式の取得5,732百万円、配当金の支払い2,594百万円による。
以上から2026年3月期の現金及び現金同等物は前期末比591百万円減少し、期末残高は19,416百万円となった。
ボンドは、売上総利益は増益だが償却負担増などで営業減益
2. 2026年3月期のセグメント別状況
(1) ボンド
セグメント売上高は74,315百万円(前期比0.6%増)、営業利益は6,760百万円(同2.1%減)となった。主力の住宅向けが不振で数量ベースでは伸び悩んだが、価格改定などにより増収を確保した。しかし、製造原価に含まれる減価償却費が前期比728百万円増加したことなどからセグメント利益は減益となった。各サブセグメントの状況は以下のとおりである。
a) 一般家庭関連:売上高6,832百万円(前期比0.5%増)
ホームセンター、コンビニエンスストア向けへ前期並みで推移した。
b) 住宅関連:売上高22,583百万円(同1.1%減)
新規開拓は進捗したものの、前期末の建築基準法改正による駆け込み需要の反動により新設住宅着工数が減少し、現場施工用接着剤が低調に推移した。
c) 産業資材関連:売上高9,406百万円(同3.5%増)
産業資材用で取り扱う主な製品は、紙管・製袋用途向け水性エマルジョン形接着剤、パネル用途向けウレタン系接着剤、自動車関連産業向け接着剤や封止材及び離型剤、産業用ホットメルト系接着剤などであるが、自動車・電子電機用が新規獲得も含めて好調であったことに加えて、紙加工用接着剤も好調に推移した。
d) テープ:売上高3,793百万円(同4.1%増)
産業用が堅調に推移した。
e) 建設関連:売上高15,076百万円(同0.6%増)
建築用シーリング材は減少したが、建築用補修材が増加した。
f) 土木関連:売上高2,556百万円(同0.5%減)
土木補修用接着剤が前期並みで推移した。
g) サンライズ(連結子会社):売上高10,638百万円(同2.5%増)
住宅関連用の高耐候シーリング材のリフォーム市場における販売が好調に推移した。
h) ウォールボンド工業(連結子会社):売上高3,310百万円(同6.0%増)
主要製品は壁紙用接着剤であることから、100%が住宅関連である。コニシルート(西日本)での新規開拓が進捗し増加した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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■コニシ<4956>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2026年3月期の業績は、売上高136,569百万円(前期比0.6%増)、営業利益10,464百万円(同0.9%減)、経常利益11,098百万円(同0.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8,033百万円(同0.6%減)となった。
売上総利益率は20.5%(前期は20.3%)となり前期比で0.2ポイント改善した。これは主に製品価格改定効果に加えて、化成品及び工事事業での売上総利益率の改善による。その一方で、販管費は償却増も含めて計画どおり前期比3.7%増となったことから、営業利益は同0.9%減となった。
セグメント別では、「ボンド」は販売価格の改定もあり増収、売上総利益は増益だったが、償却負担増によりセグメント利益は減益となった。「化成品」は、各業界で新規採用が進み増収、これによりセグメント利益も増益となった。「工事事業」は、大型工事の進捗が遅れたことで減収となったが、完成工事の利益を確保したことでセグメント利益は増益となった。
設備投資額は栃木工場等の大型投資が一服したことから4,212百万円(前期は7,761百万円)となったが、一方で減価償却費は2,964百万円(同2,082百万円)と大幅増となり営業利益を押し下げた。EBITDA(償却前営業利益)は前期比6.2%増であり、表面上の数字より好調な決算だったと思われる。
営業利益の増減要因を見ると、まず売上総利益は全体で前期比543百万円増加した。「ボンド」の売上総利益は202百万円増となったが、内訳は原材料コストの低下で162百万円増、製造経費の増加で883百万円減(うち減価償却費の増加が728百万円)、販売数量減で682百万円減、販売価格の改善で1,605百万円増であった。「化成品」の売上総利益は増収に伴い219百万円増加した。「工事事業」の売上総利益は、好採算の工事が完成したことから115百万円増加した。さらに調整額で売上総利益が6百万円増加した。この結果、売上総利益は全セグメントで増益であった。
一方、販管費全体は前期比634百万円増(うち減価償却費の増加が153百万円)となった。内訳はボンドが344百万円増、化成品が145百万円増、工事事業が22百万円増、調整額が121百万円増であった。これらの結果、営業利益は前期比で91百万円減少した。
自己資本比率は63.4%へ上昇
(2) 財務状況
2026年3月期末の財務状況は、流動資産は前期末比2,465百万円減の83,303百万円となった。主に現金及び預金の増加176百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)の減少2,444百万円、契約資産の減少237百万円、棚卸資産の増加596百万円による。固定資産は同5,275百万円増の56,307百万円となったが、主な要因は償却に伴う有形固定資産の減少240百万円、無形固定資産の増加1,635百万円(主にソフトウェア及びのれん)、投資その他の資産の増加3,880百万円であった。投資その他の資産の増加は、主に投資有価証券の増加(1,011百万円)及び退職給付に係る資産の増加(2,434百万円)による。その結果、資産合計は同2,809百万円増の139,610百万円となった。
負債合計は前期末比622百万円増の50,750百万円となった。主に支払手形及び買掛金(電子記録債務含む)の減少203百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金等の減少29百万円、長期預り保証金の増加61百万円、繰延税金負債の増加1,008百万円による。純資産合計は、同2,187百万円増の88,860百万円となった。主に当期利益の計上による利益剰余金の増加5,396百万円、自己株式の増加5,154百万円、その他有価証券評価差額金の増加446百万円による。この結果、2026年3月期末の自己資本比率は63.4%(前期末63.1%)へ上昇した。
(3) キャッシュ・フローの状況
2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは13,733百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上11,954百万円、減価償却費2,964百万円、売上債権及び契約資産の減少3,232百万円で、主な支出は投資有価証券の売却益866百万円、棚卸資産の増加580百万円、仕入債務の減少430百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは5,987百万円の支出となったが、主な支出は有形固定資産の取得2,847百万円、無形固定資産の取得2,454百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得1,388百万円であった。財務活動によるキャッシュ・フローは8,414百万円の支出となったが、主な支出は自己株式の取得5,732百万円、配当金の支払い2,594百万円による。
以上から2026年3月期の現金及び現金同等物は前期末比591百万円減少し、期末残高は19,416百万円となった。
ボンドは、売上総利益は増益だが償却負担増などで営業減益
2. 2026年3月期のセグメント別状況
(1) ボンド
セグメント売上高は74,315百万円(前期比0.6%増)、営業利益は6,760百万円(同2.1%減)となった。主力の住宅向けが不振で数量ベースでは伸び悩んだが、価格改定などにより増収を確保した。しかし、製造原価に含まれる減価償却費が前期比728百万円増加したことなどからセグメント利益は減益となった。各サブセグメントの状況は以下のとおりである。
a) 一般家庭関連:売上高6,832百万円(前期比0.5%増)
ホームセンター、コンビニエンスストア向けへ前期並みで推移した。
b) 住宅関連:売上高22,583百万円(同1.1%減)
新規開拓は進捗したものの、前期末の建築基準法改正による駆け込み需要の反動により新設住宅着工数が減少し、現場施工用接着剤が低調に推移した。
c) 産業資材関連:売上高9,406百万円(同3.5%増)
産業資材用で取り扱う主な製品は、紙管・製袋用途向け水性エマルジョン形接着剤、パネル用途向けウレタン系接着剤、自動車関連産業向け接着剤や封止材及び離型剤、産業用ホットメルト系接着剤などであるが、自動車・電子電機用が新規獲得も含めて好調であったことに加えて、紙加工用接着剤も好調に推移した。
d) テープ:売上高3,793百万円(同4.1%増)
産業用が堅調に推移した。
e) 建設関連:売上高15,076百万円(同0.6%増)
建築用シーリング材は減少したが、建築用補修材が増加した。
f) 土木関連:売上高2,556百万円(同0.5%減)
土木補修用接着剤が前期並みで推移した。
g) サンライズ(連結子会社):売上高10,638百万円(同2.5%増)
住宅関連用の高耐候シーリング材のリフォーム市場における販売が好調に推移した。
h) ウォールボンド工業(連結子会社):売上高3,310百万円(同6.0%増)
主要製品は壁紙用接着剤であることから、100%が住宅関連である。コニシルート(西日本)での新規開拓が進捗し増加した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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