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飯野海運 Research Memo(7):2027年3月期は減益予想も下期回復見込み

*13:07JST 飯野海運 Research Memo(7):2027年3月期は減益予想も下期回復見込み
■飯野海運<9119>の今後の見通し

1. 2027年3月期連結業績予想の概要
2027年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比1.3%増の129,000百万円、営業利益が同32.3%減の9,100百万円、経常利益が同60.3%減の6,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.4%減の12,100百万円としている。世界経済や中東情勢の不透明感、ケミカルタンカー市況の軟化などを考慮して減益予想としている。中東情勢の影響については、2026年6月中にホルムズ海峡の往来が再開され、その後2ヶ月程度をかけて中東地域との海上輸送がおおむね従来の水準に回復することを想定した予算としている。なお特別利益に固定資産売却益約71億円(大型原油タンカー1隻売船)を計上予定である。

前提の平均為替レートは150.00円/米ドル(前期実績は150.23円/米ドル)、適合燃料油平均価格は620米ドル/MT(同509米ドル/MT)、市況はケミカルタンカーが18,375米ドル(同19,193米ドル)、ドライバルク船Panamax型が15,000米ドル(同14,135米ドル)、ドライバルク船Small Handy型が13,500米ドル(同11,545米ドル)としている。為替感応度(1円変動による経常利益への影響額、営業外の為替差損益除く)は195百万円/12ヶ月としている。なお大型原油タンカー、大型ガス(LPG)船、電力専用船・チップ専用船については中長期契約のみで構成されているため、市況影響を受けない。

同社資料によると、全社営業利益の前期比約43億円減少の内訳は、大型原油タンカーが同5.2億円増、ケミカルタンカーが同38.7億円減、大型ガス船が同8.1億円減、ドライバルク船が同0.7億円増、中小型ガス船が同1.4億円増、不動産業が同3.3億円減の見込みとしている。大型原油タンカーは売船によって稼働が減少するが、契約の有利更改などによって増益を見込む。ケミカルタンカーは中国経済低迷などで市況軟化を見込むほか、中東情勢の影響による航路変更でスポット運賃が上昇している一方で燃料費等の費用増加が上回るため減益を見込む。大型ガス船は新造エタン船2隻の稼働開始が利益貢献するが、運賃市況連動契約船を前期に固定契約に変更したことで安定利益確保に貢献する一方で市況上振れを取り込めないため減益を見込む。ドライバルク船は市況が堅調に推移するほか、2027年3月期後半に竣工予定の新造船1隻(用船)が貢献するため増益を見込む。中小型ガス船は入渠費用が前期に比べて減少するため増益を見込む。不動産はイイノホールの工事に伴う不稼働の影響のほか、営繕費の増加により減益を見込む。その他は為替影響がほぼ変わらないと見込んでいる。

なお半期別の業績予想は、上期が売上高65,000百万円、営業利益3,200百万円、経常利益1,100百万円、親会社株主に帰属する純利益7,600百万円(上期に特別利益計上)で、下期が売上高64,000百万円、営業利益5,900百万円、経常利益5,600百万円、親会社株主に帰属する純利益4,500百万円としている。上期は中東情勢の影響を受けるが、下期は中東情勢の影響が和らいで営業・経常利益が回復に向かう見込みだ。


ケミカルタンカー市況は軟化、ドライバルク船市況は堅調見込み

2. 2027年3月期の市況見通し
2027年3月期の市況見通しとして、ケミカルタンカーについては中東域の不確実性が高いため先行き不透明な状況だが、新造船竣工隻数の増加等により市況は軟化の見込みとしている。中東域に代わる輸送地からの新規需要や紅海周辺での不安定な情勢継続を背景に、喜望峰回りによる輸送距離伸長が常態化して市況の下支え要因となっている一方、中国経済の低迷等を背景に市況は軟化を見込む。なお競合するプロダクトタンカーについては、中東情勢緊迫化や対ロシア制裁などを背景に市況が上昇しているため、ケミカルタンカー市場への流入は限定的と予想している。

ドライバルク船については、2026年3月期後半から中大型船を中心に上昇した市況が一時的に調整局面を迎える可能性があるものの、荷動きが穀物や肥料などを中心に堅調に推移する見込みである。さらに老齢船のスクラップ進行や環境規制対応による減速運航強化なども需給バランス安定要因となり、全体としての市況は堅調に推移する見込みだ。

不動産業では、一定の新規供給量があるものの、東京都心のオフィスビル賃貸市況の堅調推移を見込んでいる。優秀な人材確保を目的とした快適なオフィス空間、好立地・高品質なビルに対するニーズが需要を下支えしているため、平均賃料については上昇が継続すると予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)



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