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翻訳センター Research Memo(1):2026年3月期は減収減益も進行期は復調予想。株主還元方針を大幅拡充

*11:31JST 翻訳センター Research Memo(1):2026年3月期は減収減益も進行期は復調予想。株主還元方針を大幅拡充
■要約

翻訳センター<2483>は、翻訳業界の国内最大手。医薬分野の専門翻訳会社として創業し、特許、工業・ローカライゼーション、金融・法務など専門性の高い産業翻訳分野で領域を拡大してきた。現在は翻訳だけでなく通訳、人材派遣、コンベンション(イベントの企画・運営)、通訳者・翻訳者教育などに多角化し、顧客企業のグローバル展開における幅広い外国語ニーズに対応している。機械翻訳技術の取り込みにも積極的であり、同技術を持つ(株)みらい翻訳に資本参加するとともに、社内の翻訳業務にも機械翻訳を活用し、生産性を向上させている。国内翻訳業界をけん引する存在であり世界の語学サービス企業でも上位のポジションである。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.0%減の10,871百万円、営業利益が同20.7%減の705百万円、経常利益が同17.3%減の748百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同36.1%減の462百万円と減収減益となった。売上高に関しては、通訳事業で過去最高売上を更新した一方、翻訳事業では特許分野や医薬分野が堅調であったものの、工業・ローカライゼーション分野の減収により通訳事業の増収をカバーできず、全社では微減となった。派遣事業は、底堅い需要を背景に堅調。通訳事業では、既存顧客からの継続受注に加え、複数の大型案件を獲得し、過去最高を更新した。売上総利益額は、減収の影響により前期3.0%減となり、売上総利益率では前期並みの高い水準を維持した。セグメント別では、通訳事業で同26.9%と伸ばしたものの、翻訳事業のセグメント利益は低下の影響が大きかった。販管費はグループ全体で経費削減に努め、伸びを抑制した(同0.5%増)。結果として、売上総利益の減少161百万円の影響が大きく営業減益となった。

2. 2027年3月期の業績予想
2027年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.9%増の11,300百万円、営業利益が同6.2%増の750百万円、経常利益が同4.1%増の780百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.1%増の500百万円と、売上高及び各利益が成長軌道に回帰する見通しだ。翻訳事業の売上高は同283百万円増(同3.5%増)と堅調な増収を見込む。特許分野と医薬分野の伸びは継続し、前期に減収となった工業・ローカライゼーション分野と金融・法務分野で業績が底打ちする予想である。営業利益では、増収効果とともに機械翻訳の活用拡大の効果が顕れること等により売上総利益率の上昇が増益に寄与する。テクノロジーの変化が急速に進む事業環境のなかで、同社は最新技術をいち早く取り入れて生産性を上げ、顧客企業からの信頼を深めているため、今後もシェア向上による業績の拡大が可能であると弊社は考える。2027年3月期の売上高、営業利益に関しては、AIの積極活用も足元で進捗している効果などもあり、上振れの可能性も高いと思われる。

3. 成長戦略
同社は、2026年3月期を初年度とする中期経営計画を進行しており、2027年3月期は2年目にあたる。初年度は外部環境(主に工業・ローカライゼーション分野)の影響も大きく、数値目標を下方修正した。最終年度(2028年3月期)の修正目標数値は、売上高で117億円(13億円減)、営業利益で9億円(3億円減)、当期純利益で6億円(2億円減)、ROEで8%以上(2ポイント低下)である。重点施策に関しては変更せずに取り組んでいく方針である。重点施策の1つである「AI・データの活用による事業競争力の強化」では、最新テクノロジーであるMT(機械翻訳)・LLM(大規模言語モデル)の活用による、重点文書であるIR資料、教育研修資料、治験実施計画書においては、売上増加とともに案件単価の上昇が実現している。

4. 株主還元策
同社では、株主に対する利益還元を経営の重要な課題の1つとして認識している。2026年5月に、株主に対する利益還元の一層の充実と資本効率の向上を目的に、株主還元方針を抜本的に拡充した。新方針では、2026年3月期〜2028年3月期を対象とする中期経営計画において「株主資本配当率(DOE)6%以上」及び「総還元性向100%以上」を掲げる。この方針の即時適用により、2026年3月期の1株当たり配当金は、前期比65円増配の140円、配当性向101.6%、株主資本配当率(DOE)6.8%となった。期初予想の配当金が75円であったため、ほぼ倍増である。2027年3月期は、配当金140円(前期と同じ)、配当性向94.1%を予想する。

■Key Points
・2026年3月期は減収減益。通訳事業は好調、翻訳事業は特許・医薬分野が堅調も工業分野で苦戦
・2027年3月期は主力の翻訳事業が復調予想
・営業・マーケティング業務でのAI活用、M&Aによるクロスセリングを実行
・株主還元方針を大幅拡充。DOE6%以上、総還元性向100%以上へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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