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クリアル Research Memo(1):2026年3月期は増益、不特法3号4号ファンドは堅調に推移

*12:01JST クリアル Research Memo(1):2026年3月期は増益、不特法3号4号ファンドは堅調に推移
■要約

クリアル<2998>は、不動産クラウドファンディングのリーディングカンパニーとして、オンライン不動産投資市場で事業を展開している。事業構成は、資産運用プラットフォーム事業の単一セグメントであり、クラウドファンディングを活用した個人投資家向けの不動産ファンドオンラインマーケットサービス「CREAL」(投資額1万円~)、機関投資家及び超富裕層向けに大型不動産を対象とした資産運用サービス「CREAL PRO」、個人投資家向けに実物不動産を対象とした中長期の資産運用サービス「CREAL PB」の3つと、「その他」として賃貸管理事業及びホテル運営事業がある。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高37,795百万円(前期比9.6%減)、売上総利益7,799百万円(同37.6%増)、営業利益2,941百万円(同49.5%増)、経常利益2,784百万円(同52.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,938百万円(同43.5%増)と減収も各段階利益は前期を大きく上回った。期初予想に対する達成率は、売上総利益は105.3%、営業利益は110.5%、経常利益は111.2%、親会社株主に帰属する当期純利益は107.8%と順調な結果と言える。最重要視する売上総利益について、主力の「CREAL」は2026年3月期から取り扱いを開始した不動産特定共同事業法(不特法)3号4号案件が収益貢献したほか、不特法1号2号案件の物件売却が好調で、同98.1%増となった。「CREAL PB」は投資用区分レジデンス販売が堅調で同25.3%増となった。一方「CREAL PRO」は案件パイプラインの一部に遅れが出たこともあり同25.2%減となった。「その他」では「CREAL HOTELS」の運営収入が増加し、同170.3%増と大きく伸びた。営業利益以下については、人員拡充や広告宣伝費の増加等により販管費が同31.4%増加したが、獲得利益がその増分をカバーした。KPIの達成率は、獲得投資家数は118.6%、獲得GMVは78.5%となった。獲得GMV未達の主因は不特法3号4号案件における銀行調達の立ち上げに想定以上の時間を要したことでで、現在ファンド組成に関する各種の手続きは徐々に円滑化しており、今後は同様の懸念は少ないだろう。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上総利益8,890百万円(前期比14.0%増)、営業利益3,290百万円(同11.8%増)、経常利益3,050百万円(同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,100百万円(同8.3%増)と各段階利益の増益を見込む。主力の「CREAL」において2026年3月期の物件売却益の剥落を想定し、売上総利益は前期比23.3%減と一時的な減益を見込む。しかし売却候補物件は十分に備えており、保守的に予想した格好だ。一方、不特法3号4号スキームファンド組成の加速により、フィー収入(取得報酬・期中報酬)を中心とした収益基盤を確立し、成長軌道に乗せる計画である。「CREAL PRO」はアパートメントホテル開発ファンド組成を中心に、物件売買手数料やアセットマネジメントフィー、売却収益を積み上げ、売上総利益は同89.4%増の大きな伸びを見込む。販管費については、「CREAL」における不動産ST(セキュリティトークン)※事業の開始に向けたシステム開発のほか、「CREAL HOTELS」で人件費を積み増す計画もあり、同15.3%増を見込む。KPIについて、獲得GMVは不特法3号4号スキームの拡大を見込むものの、実績を踏まえた保守的な水準とし、同103.9%増の64,000百万円とした。獲得投資家数も同様に保守的な試算で30,000人(同27.7%減)としている。

※ 不動産を裏付けに、ブロックチェーンなどの先端技術を活用し、発行・管理されるデジタル金融商品。

3. 中期経営計画の進捗状況
2025年5月、中期経営計画「Game Changer 2030」を発表した。対象期間を2026年3月期から2030年3月期までの5ヶ年とし、最終年度において年間獲得GMV2,500億円、売上総利益270億円、親会社株主に帰属する当期純利益100億円の実現を目指す。CAGR(年平均成長率)については、年間獲得GMV58%、売上総利益36%、親会社株主に帰属する当期純利益50%の目標を設定し、財務目標は、ROE40.0%(2025年3月期比9.8ポイント上昇)、自己資本比率40.0%(同30.2ポイント上昇)、当面の目安として配当性向15%程度(同1.8ポイント程度上昇)を設定した。中期経営計画を通じて既存の不動産投資関連サービス(プロダクト)に加え、不動産STやオルタナティブ投資プラットフォームを構築することで業界のGame Changerとなることを目指す。特に不特法3号4号スキームや不動産STに注力し、期間中の加速度的な成長を計画している。初年度の2026年3月期は、計画達成率は売上総利益105.2%、親会社株主に帰属する当期純利益107.8%と堅調に推移した。一方、KPIの獲得GMVの計画達成率は78.5%と未達となったが、不特法3号4号ファンドにより挽回を目指す。財務目標について、ROEは前期比6.7ポイント減の23.5%と低下したものの、自己資本比率は同15.7ポイント増の25.5%と大きく上昇した。配当性向は2026年3月期同水準の13.2%となった。初年度はおおむね堅調な滑り出しと言えるだろう。

■Key Points
・2026年3月期は増益で期初予想を達成、主力の「CREAL」が業績をけん引
・2027年3月期は増益予想も見通しは保守的。不動産STの動向に注目
・中期経営計画の初年度は堅調な滑り出し

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)



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