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マイクロアド Research Memo(2):大量のデータから消費者行動を分析し、企業のデジタルマーケティングに貢献
2026/06/30 12:02
*12:02JST マイクロアド Research Memo(2):大量のデータから消費者行動を分析し、企業のデジタルマーケティングに貢献
■マイクロアド<9553>の会社概要
1. 会社概要
同社は「Redesigning the Future Life(データとテクノロジーの力で未来を予測する)」というビジョンのもと、データとテクノロジーの力によってマーケティングを変革し、人々の生活をより良く、より充実したものにすることを目指している。同社の強みは「膨大な消費者行動データを保有していること」「プライバシー保護に対応したデータ分析と商品開発力を有していること」「マネタイズ能力が高いこと」の3つに大別できる。これらの強みを有機的に結合することによって、大量のデータから消費者行動を分析し、顧客のデジタルマーケティングにおける課題解決に取り組んでいる。
2026年9月期中間期末時点において、(株)エンハンス、(株)cory、(株)UNCOVER TRUTHをはじめとする連結子会社17社を有する組織体制となっている。国内の事業所は東京本社のほか、大阪支社、福岡支社、名古屋支社、広島支社、仙台支社、北海道支社がある。また、2026年6月には京都支社が新設されている。なお、「デジタルサイネージサービス」を提供する(株)MADSは2024年11月に非連結化し、持分法適用会社となった。
同社はデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるものの、ビジネスモデルに応じた成長戦略を立案するために「データプロダクト」と「コンサルティング」の2つのサービスで事業展開している。
消費者の購買プロセスの段階に応じて広告配信を行う「UNIVERSE」
2. データプロダクト
「データプロダクト」は、企業のマーケティング課題を解決するためのデジタル広告ソリューション群で構成される。消費者に関する膨大なデータの分析を基に顧客ごとに最適な広告配信を実現する「UNIVERSE」のほか、2024年4月に買収した、データ活用支援事業を展開する子会社UNCOVER TRUTHの収益を含む。UNCOVER TRUTHは、サイト内行動分析ツール「Content Analytics※1」や企業が保有する既存顧客のデータ分析を行うCDP※2「Eark※3」、即戦力データアナリストの人材常駐支援サービス「DX-Accelerator」を提供している。なお、「デジタルサイネージサービス」はMADSを2024年11月に非連結化したため、現在のデータプロダクト事業の収益は「UNIVERSE」のみで構成される。
※1 コンテンツデータによるユーザー体験分析ツール。ユーザーが「ページ内のどこのコンテンツに注目しているのか」がわかり、嗜好性を数値化することで、顧客のより詳細な属性を分析する。
※2 Customer Data Platformの略。複数のデータソースから顧客データを収集・統合管理し、それらのデータ分析によって個々の顧客に適したマーケティングやカスタマーエクスペリエンスを提供するプラットフォーム。
※3 顧客データの収集・統合・活用をノーコードで可能にするプラットフォーム。データエンジニアの稼働を抑えることでCDP関連の開発コストや運用コストの削減に寄与する。
a) 「UNIVERSE」の概要
「UNIVERSE」は業界や業種ごとに多種多様な消費者の好みや購買プロセスを分析し、そこから得られた知見を活用することによって顧客が抱えるマーケティング課題の解決を支援するサービスである。「UNIVERSE」は同社が開発した2つの独自プラットフォーム「UNIVERSE DATA PLATFORM」「UNIVERSE Ads」により構成される。
「UNIVERSE DATA PLATFORM」は、一般的なデモグラフィック・ライフスタイルデータに加え、業界・業種特化の膨大なデータを蓄積するデータ基盤である。2025年9月期末時点で220社超の外部データ提供企業やメディアからデータを収集・集約し、複雑な消費者行動の分析に活用している。2024年9月期に連結化した子会社UNCOVER TRUTHの企業顧客データも組み込むことで、データ資産の幅を一段と広げている。
「UNIVERSE Ads」は、UNIVERSE DATA PLATFORMが導出したインサイトをもとにRTB(Real Time Bidding)技術で広告配信を最適化するプラットフォームである。AIによる最適化アルゴリズムが、商品カテゴリや掲載面の品質、クリエイティブ形式、配信タイミングなど多種多様な要素を解析し、広告ROIの最大化を図る設計となっている。また複数のSSP(Supply-Side Platform)に接続できる大規模配信基盤を有し、2025年9月期末の月間広告配信回数は580億回に上っている。
UNIVERSEではさらに、業界・業種ごとに特化したマーケティングプロダクト群を提供しており、BtoBマーケティング支援の「シラレル」、人材業界向け「MARBLE」、飲食業界向け「Pantry」、自動車業界向け「IGNITION」、エンタメ向け「Circus」、美容・化粧品向け「Vesta」、医療・製薬向け「IASO」などが挙げられる。これらのプロダクトは合計19業種にて展開されており、特定企業・業種への依存を抑えた収益基盤を構築している。収益モデルは従量課金型で、広告配信量に応じて広告費・データ利用料が売上に計上される仕組みである。
「UNIVERSE」では、同社が保有する多様なデータ資産を他社広告プラットフォームへ連携する取り組みを本格化させており、データ経済圏拡大に向けた重要な転換点を迎えている。従来は自社広告プラットフォーム「UNIVERSE Ads」を軸に、Webサイトやスマートフォンアプリ向け広告配信が中心であったが、2025年9月期からはFacebookやInstagram、TikTokなどをはじめとする大手SNSや動画プラットフォームへの広告配信にも対応を拡大したことで、データ活用範囲が大きく広がった。この連携強化により、「UNIVERSE」が保有する各種データの利用価値が高まり、広告主に提供できるソリューションの幅も拡張している。
こうした事業領域の拡大を踏まえ、同社は2026年9月期より事業区分の見直しを実施し、コンサルティングサービスの「その他」に計上していた他社プラットフォーム関連の収益を、データプロダクトサービスの「他社プラットフォーム」に変更した。これは、「UNIVERSE」を中核事業として位置付ける戦略を明確化するとともに、データ活用領域の拡張を開示区分にも反映させるものと弊社では見ている。実際、2025年9月期は他社プラットフォーム連携の販売強化が進んだことで、同領域の売上高・粗利は大きく伸長した。組み換え後ベースで見たUNIVERSE全体でも、2026年9月期第2四半期のみの売上高は前年同期比で13.0%増、粗利は同18.2%増となっており、データ連携拡大が成長ドライバーとして機能し始めている。2026年9月期はこの動きをさらに加速させる方針であり、同社は他社プラットフォーム連携を「UNIVERSE」の販売戦略における最優先テーマとして推進していく考えである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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■マイクロアド<9553>の会社概要
1. 会社概要
同社は「Redesigning the Future Life(データとテクノロジーの力で未来を予測する)」というビジョンのもと、データとテクノロジーの力によってマーケティングを変革し、人々の生活をより良く、より充実したものにすることを目指している。同社の強みは「膨大な消費者行動データを保有していること」「プライバシー保護に対応したデータ分析と商品開発力を有していること」「マネタイズ能力が高いこと」の3つに大別できる。これらの強みを有機的に結合することによって、大量のデータから消費者行動を分析し、顧客のデジタルマーケティングにおける課題解決に取り組んでいる。
2026年9月期中間期末時点において、(株)エンハンス、(株)cory、(株)UNCOVER TRUTHをはじめとする連結子会社17社を有する組織体制となっている。国内の事業所は東京本社のほか、大阪支社、福岡支社、名古屋支社、広島支社、仙台支社、北海道支社がある。また、2026年6月には京都支社が新設されている。なお、「デジタルサイネージサービス」を提供する(株)MADSは2024年11月に非連結化し、持分法適用会社となった。
同社はデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるものの、ビジネスモデルに応じた成長戦略を立案するために「データプロダクト」と「コンサルティング」の2つのサービスで事業展開している。
消費者の購買プロセスの段階に応じて広告配信を行う「UNIVERSE」
2. データプロダクト
「データプロダクト」は、企業のマーケティング課題を解決するためのデジタル広告ソリューション群で構成される。消費者に関する膨大なデータの分析を基に顧客ごとに最適な広告配信を実現する「UNIVERSE」のほか、2024年4月に買収した、データ活用支援事業を展開する子会社UNCOVER TRUTHの収益を含む。UNCOVER TRUTHは、サイト内行動分析ツール「Content Analytics※1」や企業が保有する既存顧客のデータ分析を行うCDP※2「Eark※3」、即戦力データアナリストの人材常駐支援サービス「DX-Accelerator」を提供している。なお、「デジタルサイネージサービス」はMADSを2024年11月に非連結化したため、現在のデータプロダクト事業の収益は「UNIVERSE」のみで構成される。
※1 コンテンツデータによるユーザー体験分析ツール。ユーザーが「ページ内のどこのコンテンツに注目しているのか」がわかり、嗜好性を数値化することで、顧客のより詳細な属性を分析する。
※2 Customer Data Platformの略。複数のデータソースから顧客データを収集・統合管理し、それらのデータ分析によって個々の顧客に適したマーケティングやカスタマーエクスペリエンスを提供するプラットフォーム。
※3 顧客データの収集・統合・活用をノーコードで可能にするプラットフォーム。データエンジニアの稼働を抑えることでCDP関連の開発コストや運用コストの削減に寄与する。
a) 「UNIVERSE」の概要
「UNIVERSE」は業界や業種ごとに多種多様な消費者の好みや購買プロセスを分析し、そこから得られた知見を活用することによって顧客が抱えるマーケティング課題の解決を支援するサービスである。「UNIVERSE」は同社が開発した2つの独自プラットフォーム「UNIVERSE DATA PLATFORM」「UNIVERSE Ads」により構成される。
「UNIVERSE DATA PLATFORM」は、一般的なデモグラフィック・ライフスタイルデータに加え、業界・業種特化の膨大なデータを蓄積するデータ基盤である。2025年9月期末時点で220社超の外部データ提供企業やメディアからデータを収集・集約し、複雑な消費者行動の分析に活用している。2024年9月期に連結化した子会社UNCOVER TRUTHの企業顧客データも組み込むことで、データ資産の幅を一段と広げている。
「UNIVERSE Ads」は、UNIVERSE DATA PLATFORMが導出したインサイトをもとにRTB(Real Time Bidding)技術で広告配信を最適化するプラットフォームである。AIによる最適化アルゴリズムが、商品カテゴリや掲載面の品質、クリエイティブ形式、配信タイミングなど多種多様な要素を解析し、広告ROIの最大化を図る設計となっている。また複数のSSP(Supply-Side Platform)に接続できる大規模配信基盤を有し、2025年9月期末の月間広告配信回数は580億回に上っている。
UNIVERSEではさらに、業界・業種ごとに特化したマーケティングプロダクト群を提供しており、BtoBマーケティング支援の「シラレル」、人材業界向け「MARBLE」、飲食業界向け「Pantry」、自動車業界向け「IGNITION」、エンタメ向け「Circus」、美容・化粧品向け「Vesta」、医療・製薬向け「IASO」などが挙げられる。これらのプロダクトは合計19業種にて展開されており、特定企業・業種への依存を抑えた収益基盤を構築している。収益モデルは従量課金型で、広告配信量に応じて広告費・データ利用料が売上に計上される仕組みである。
「UNIVERSE」では、同社が保有する多様なデータ資産を他社広告プラットフォームへ連携する取り組みを本格化させており、データ経済圏拡大に向けた重要な転換点を迎えている。従来は自社広告プラットフォーム「UNIVERSE Ads」を軸に、Webサイトやスマートフォンアプリ向け広告配信が中心であったが、2025年9月期からはFacebookやInstagram、TikTokなどをはじめとする大手SNSや動画プラットフォームへの広告配信にも対応を拡大したことで、データ活用範囲が大きく広がった。この連携強化により、「UNIVERSE」が保有する各種データの利用価値が高まり、広告主に提供できるソリューションの幅も拡張している。
こうした事業領域の拡大を踏まえ、同社は2026年9月期より事業区分の見直しを実施し、コンサルティングサービスの「その他」に計上していた他社プラットフォーム関連の収益を、データプロダクトサービスの「他社プラットフォーム」に変更した。これは、「UNIVERSE」を中核事業として位置付ける戦略を明確化するとともに、データ活用領域の拡張を開示区分にも反映させるものと弊社では見ている。実際、2025年9月期は他社プラットフォーム連携の販売強化が進んだことで、同領域の売上高・粗利は大きく伸長した。組み換え後ベースで見たUNIVERSE全体でも、2026年9月期第2四半期のみの売上高は前年同期比で13.0%増、粗利は同18.2%増となっており、データ連携拡大が成長ドライバーとして機能し始めている。2026年9月期はこの動きをさらに加速させる方針であり、同社は他社プラットフォーム連携を「UNIVERSE」の販売戦略における最優先テーマとして推進していく考えである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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