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マイクロアド Research Memo(6):生産性向上施策が奏功し通期業績予想を上方修正
2026/06/30 12:06
*12:06JST マイクロアド Research Memo(6):生産性向上施策が奏功し通期業績予想を上方修正
■今後の見通し
マイクロアド<9553>は、2026年9月期中間期の好調な進捗を受け、通期業績予想を上方修正した。特に生産性向上施策による利益押し上げ効果が想定を上回ったことから、営業利益以下の各段階利益について従来予想を引き上げる判断となった。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益については期末における税効果や減損可能性など不確定要素が残ることから、保守的な前提を維持している。下期の見通しとしては、広告業界の季節性により第3四半期を中心に需要が鈍化し、固定費比率の高さから利益が圧迫されやすい構造にあるものの、幅広い業種への分散効果と地方拠点の拡大により、中東情勢等のマクロ環境の悪影響は受けておらず、底堅い需要が継続している。修正後の2026年9月期の連結業績は、売上高で前期比13.5%増の17,788百万円、のれん償却費と株式報酬費、及び株主優待費を組み入れた調整後営業利益で同65.2%増の1,295百万円、営業利益で同67.1%増の1,024百万円、経常利益で同79.3%増の952百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同247.6%増の678百万円を見込んでいる。
2025年9月期に実施した生産性向上施策の効果が、2026年9月期に本格的に顕在化している。同社は前期に進めた人員強化や業務プロセス改革、AI活用による業務効率化を通じて、売上成長と利益率改善を同時に実現しており、2026年9月期は本格的な利益創出フェーズへ移行している。2026年9月期第2四半期時点では、売上高に加え営業利益や経常利益など各段階利益も通期計画を上回る進捗となっており、収益性改善は想定以上のペースで進展している。売上成長に対してコスト増加が抑制されている点が特徴であり、これまでの投資施策が成長と利益の双方に結びついていることが確認できる。一方、販管費については2026年1月に買収した海外子会社2社(インドネシア・中国)が連結に加わったこと、2026年3月より開始した株主優待制度に関連する費用が増加要因となった。一方、開発投資については大きな増減はなく、おおむね前期並みの水準で推移している。同社は利益成長を進める一方で、IP関連事業やTikTok Shop関連事業への投資も積極的に継続している。既存事業の強化と新規事業への先行投資を並行して進めることで、事業ポートフォリオの拡張を図る戦略である。
成長戦略の中核となるのが、「総合データカンパニー」構想の推進である。2025年9月期にBtoC領域で複数の物販事業を開始したのに続き、2026年9月期はBtoB領域における「UNIVERSE DATA PLATFORM」の活用拡大を進めている。これまで「UNIVERSE」は自社広告プラットフォーム「UNIVERSE Ads」を中心に展開してきたが、足元ではデータ経済圏拡大を目的とした他社広告プラットフォームとの連携を強化している。
従来はWebサイトやスマートフォンアプリ向け広告配信が主体であったが、現在はFacebook、Instagram、TikTok広告など大手SNS・動画プラットフォームとの接続を進めており、広告配信可能領域が大幅に拡大している。これにより、自社プラットフォーム単独ではリーチできなかったユーザー層への配信が可能となり、データ活用範囲も広がっている。加えて、趣味嗜好データ、購買データ、ビジネスユーザーデータなど多様なデータを活用することで、「UNIVERSE」が展開する業種特化型製品群の精度や活用範囲も拡張している。
また、足元では「他社プラットフォーム」領域の拡販を本格化しており、稼働アカウント数も拡大している。従来の自社媒体依存型から、外部プラットフォームを含めたデータ流通モデルへ進化することで、UNIVERSEの事業領域は広告配信からデータ活用全般へ広がりつつある。弊社では、こうした取り組みは既存広告事業の成長に加え、UNIVERSEを核としたデータ活用領域全体の拡張につながるものと見ている。生産性向上による利益創出力の改善と新規事業投資を両立できている点を評価しており、今後は他社プラットフォーム連携の拡大が中長期的な成長ドライバーになると考えている。
(1) データプロダクト
2026年9月期の通期修正予想において、データプロダクトでは、売上高107.3億円、売上総利益36.8億円を見込んでいる。自社プラットフォームにおいては、利益率の改善を通じた粗利総額の拡大をねらう方針である一方、今期は市場規模の大きい他社プラットフォームでの展開を一段と加速させる方針である。他社プラットフォームを新規顧客獲得のチャネルと位置付け、そこから自社プラットフォームへの併用を促すクロスセル施策も推進する。営業リソースは顧客ニーズに合わせ自社と他社の双方のプラットフォームを提案することでUNIVERSE全体の稼働アカウント数の純増を促し、データプロダクト全体として売上と粗利の成長を目指す構図となっている。自社と他社の双方のプラットフォームを生かすことで、収益源の複線化と成長速度の向上を図ることが期待されている。
(2) コンサルティング
コンサルティングでは、売上高70.5億円、売上総利益21.0億円を見込んでいる。メディア向けコンサルティングサービスにおいては、契約メディア数や広告枠数を着実に積み上げることで拡大を続ける見通しである。また、連結子会社であるエンハンスでは、ユーザーによる定期課金やコンテンツごとの課金など、多様な課金モデルに対応した、Webメディア向け収益化支援プラットフォーム「AE」事業を2025年12月に取得し、メディア運営企業の収益最大化支援の拡大が期待される。海外コンサルティングサービスでは、訪日観光客の増加によるインバウンドマーケティングの需要を捉えつつ、IPコラボの新規事業であるIPmixerを通じて事業規模の拡大をねらう。国内外双方の市場において需要が高まる領域を着実に取り込みながら、サービス全体の成長加速を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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■今後の見通し
マイクロアド<9553>は、2026年9月期中間期の好調な進捗を受け、通期業績予想を上方修正した。特に生産性向上施策による利益押し上げ効果が想定を上回ったことから、営業利益以下の各段階利益について従来予想を引き上げる判断となった。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益については期末における税効果や減損可能性など不確定要素が残ることから、保守的な前提を維持している。下期の見通しとしては、広告業界の季節性により第3四半期を中心に需要が鈍化し、固定費比率の高さから利益が圧迫されやすい構造にあるものの、幅広い業種への分散効果と地方拠点の拡大により、中東情勢等のマクロ環境の悪影響は受けておらず、底堅い需要が継続している。修正後の2026年9月期の連結業績は、売上高で前期比13.5%増の17,788百万円、のれん償却費と株式報酬費、及び株主優待費を組み入れた調整後営業利益で同65.2%増の1,295百万円、営業利益で同67.1%増の1,024百万円、経常利益で同79.3%増の952百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同247.6%増の678百万円を見込んでいる。
2025年9月期に実施した生産性向上施策の効果が、2026年9月期に本格的に顕在化している。同社は前期に進めた人員強化や業務プロセス改革、AI活用による業務効率化を通じて、売上成長と利益率改善を同時に実現しており、2026年9月期は本格的な利益創出フェーズへ移行している。2026年9月期第2四半期時点では、売上高に加え営業利益や経常利益など各段階利益も通期計画を上回る進捗となっており、収益性改善は想定以上のペースで進展している。売上成長に対してコスト増加が抑制されている点が特徴であり、これまでの投資施策が成長と利益の双方に結びついていることが確認できる。一方、販管費については2026年1月に買収した海外子会社2社(インドネシア・中国)が連結に加わったこと、2026年3月より開始した株主優待制度に関連する費用が増加要因となった。一方、開発投資については大きな増減はなく、おおむね前期並みの水準で推移している。同社は利益成長を進める一方で、IP関連事業やTikTok Shop関連事業への投資も積極的に継続している。既存事業の強化と新規事業への先行投資を並行して進めることで、事業ポートフォリオの拡張を図る戦略である。
成長戦略の中核となるのが、「総合データカンパニー」構想の推進である。2025年9月期にBtoC領域で複数の物販事業を開始したのに続き、2026年9月期はBtoB領域における「UNIVERSE DATA PLATFORM」の活用拡大を進めている。これまで「UNIVERSE」は自社広告プラットフォーム「UNIVERSE Ads」を中心に展開してきたが、足元ではデータ経済圏拡大を目的とした他社広告プラットフォームとの連携を強化している。
従来はWebサイトやスマートフォンアプリ向け広告配信が主体であったが、現在はFacebook、Instagram、TikTok広告など大手SNS・動画プラットフォームとの接続を進めており、広告配信可能領域が大幅に拡大している。これにより、自社プラットフォーム単独ではリーチできなかったユーザー層への配信が可能となり、データ活用範囲も広がっている。加えて、趣味嗜好データ、購買データ、ビジネスユーザーデータなど多様なデータを活用することで、「UNIVERSE」が展開する業種特化型製品群の精度や活用範囲も拡張している。
また、足元では「他社プラットフォーム」領域の拡販を本格化しており、稼働アカウント数も拡大している。従来の自社媒体依存型から、外部プラットフォームを含めたデータ流通モデルへ進化することで、UNIVERSEの事業領域は広告配信からデータ活用全般へ広がりつつある。弊社では、こうした取り組みは既存広告事業の成長に加え、UNIVERSEを核としたデータ活用領域全体の拡張につながるものと見ている。生産性向上による利益創出力の改善と新規事業投資を両立できている点を評価しており、今後は他社プラットフォーム連携の拡大が中長期的な成長ドライバーになると考えている。
(1) データプロダクト
2026年9月期の通期修正予想において、データプロダクトでは、売上高107.3億円、売上総利益36.8億円を見込んでいる。自社プラットフォームにおいては、利益率の改善を通じた粗利総額の拡大をねらう方針である一方、今期は市場規模の大きい他社プラットフォームでの展開を一段と加速させる方針である。他社プラットフォームを新規顧客獲得のチャネルと位置付け、そこから自社プラットフォームへの併用を促すクロスセル施策も推進する。営業リソースは顧客ニーズに合わせ自社と他社の双方のプラットフォームを提案することでUNIVERSE全体の稼働アカウント数の純増を促し、データプロダクト全体として売上と粗利の成長を目指す構図となっている。自社と他社の双方のプラットフォームを生かすことで、収益源の複線化と成長速度の向上を図ることが期待されている。
(2) コンサルティング
コンサルティングでは、売上高70.5億円、売上総利益21.0億円を見込んでいる。メディア向けコンサルティングサービスにおいては、契約メディア数や広告枠数を着実に積み上げることで拡大を続ける見通しである。また、連結子会社であるエンハンスでは、ユーザーによる定期課金やコンテンツごとの課金など、多様な課金モデルに対応した、Webメディア向け収益化支援プラットフォーム「AE」事業を2025年12月に取得し、メディア運営企業の収益最大化支援の拡大が期待される。海外コンサルティングサービスでは、訪日観光客の増加によるインバウンドマーケティングの需要を捉えつつ、IPコラボの新規事業であるIPmixerを通じて事業規模の拡大をねらう。国内外双方の市場において需要が高まる領域を着実に取り込みながら、サービス全体の成長加速を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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