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バルテスHD Research Memo(2):ソフトウェアテストの専門企業。生成AIテストツール開発に注力

*12:42JST バルテスHD Research Memo(2):ソフトウェアテストの専門企業。生成AIテストツール開発に注力
■会社概要

1. 会社概要
バルテス・ホールディングス<4442>は、代表取締役会長兼社長である田中真史(たなかしんじ)氏が2004年に設立した。同社はソフトウェアテストの専門ハウスとしての道を歩み、多くのテスト案件に携わると同時に、社内のエンジニア教育にも力を入れ、独自の教育メソッドを確立している。現在はその専門性を強みに多様なユーザーやITベンダーから数多くのテスト依頼を受けている。ソフトウェアテストの多くは現在もソフトウェアベンダー等の内部で実施されているが、近年では外部企業によるソフトウェアテストへの認識が高まりつつある。このため、ソフトウェアテスト市場は発展途上にあり、同社の成長余力も大きいと言える。

株式については、2019年5月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場し、2022年4月に市場区分再編に伴いグロース市場へ移行した。現在はプライム市場への移行を目指している。

2. 事業概要
同社の事業セグメントは、「ソフトウェアテスト」「開発」「セキュリティ」の3セグメントとなっている。

(1) ソフトウェアテスト
a) 対象領域
ソフトウェアテスト事業では、ユーザー企業やメーカー、ソフトウェアベンダーに対し、不具合によるリスク回避のための品質計画立案から開発プロセス改善、不具合の発見にいたる全工程をサポートしている。具体的には、重大な不具合が発生していないことを確認するためのテスト計画・設計、テストケースの作成、テスト実施、さらにはテストサマリレポートの作成まで、幅広いサービスを第三者の中立的立場で提供している。ソフトウェア開発における川上から川下までの幅広い領域をカバーしているのが特色だ。

同社が対象とするサービス提供領域は、エンタープライズ系(業務システムや基幹システム等)、組込系(AV機器や家電、産業機器等)、Web・スマートフォン系(Webサイトやモバイルアプリケーション等)など、対象領域は多岐にわたる。このうちエンタープライズ系に関しては案件規模が大きく高単価であるうえに、参入障壁が高く価格競争の回避につながるなど優位性が高いため、積極的にこの分野の拡大を目指している。

b) 主な提供サービスと提供形態、契約形態
同社が提供する主なサービスは、ソフトウェアテストサービス、ソフトウェアテストツールサービス、ソフトウェアテストに関する教育(バルカレ)サービス、セキュリティツールサービスなど多岐にわたる。

ソフトウェアテストサービスでは、単機能テストから、システムテスト支援、マルチデバイステスト、テスト自動化、受入テスト支援など、様々なソフトウェアのテストを顧客に代わり実施している。同社の専門知識を持つエンジニアが目的に応じて最適なテストパターンを抽出し、アプリケーションやシステムの品質を支えるテストサービスを多種多様な業界に提供している。また、品質のPMO・QMOとしてソフトウェア開発工程の上流工程を含む全体における品質確保のプロセス確立・標準化など、品質マネジメントを支援する品質コンサルティングサービスも近年拡大している。さらに、同社グループのフィリピン法人であるVALTES Advanced Technology, Inc.において、同社グループを窓口とした日本企業や在比日系企業に向けて上記サービスの提供も行っている。

ツールサービスでは、ソフトウェアテストの効率化、システムの高品位化とリリースのスピードアップを実現させるテスト自動化ツール「T-DASH」、テスト管理ツール「QualityTracker」、AI仕様書インスペクションツール「QuintSpect」等のソフトウェアテストに関するツールサービスを開発提供している。

教育(バルカレ)サービスでは、同社グループのエンジニアにも実施しているソフトウェア品質教育を、顧客の開発者、品質担当者、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーなどを対象にセミナーとして提供している。同社グループの教育コンテンツは現在21コースあり、集合研修形式やオープン講座形式、eラーニングなど様々な形式で提供している。また、ソフトウェアテストに関する情報発信サイト「Qbook」の運営や、ソフトウェアテストに関する書籍の出版等の技術向上に向けた啓蒙活動も積極的に実施している。

セキュリティツールサービスでは、サイトを始めとしたWebアプリケーションに対する様々なサイバー攻撃の可視化・防御ができるSaaS型WAFサービス「PrimeWAF」を提供している。

(2) 開発
主に連結子会社のバルテス・イノベーションズ(株)※、(株)アール・エス・アール、(株)シンフォー、タビュラ(株)を通じて、ソフトウェア・システムの開発請負及び開発要員派遣等のサービスを展開している。この分野では、企画から、要件定義、開発、UI/UXを含むデザイン、リリース、運用までワンストップで提供可能である。

※ 2025年4月にバルテス・モバイルテクノロジー(株)より商号変更。

(3) セキュリティ
セキュリティ診断(脆弱性診断)サービスを提供している。セキュリティ診断サービスとは、Webシステムやモバイルアプリケーション、またIoT機器に対しての外部からの侵入などを許すセキュリティ上の欠陥の有無についてシステムの安全性を調査することで、潜在的な脆弱性を発見するサービスである。

3. 特色、強み、競合
(1) 専門企業としての豊富な経験・知識・知見
既述のとおり、同社はソフトウェアテストの提供を目的として2004年に設立して以来、専門企業としてソフトウェアテストサービス事業を続けている。そのため、この間に蓄積された経験と専門的な知識・知見が豊富である。

(2) ソフトウェア開発の全工程でテストサービスを提供
同社は、ソフトウェア開発の川上である要件定義から、基本設計、詳細設計、製造・単体テスト、結合テスト、システムテスト、さらに川下であるユーザー受入テストまで全工程でのテストサービスをワンストップソリューションで提供している点も同社の強みである。

(3) 独自の教育メソッド
同社の事業にとって、エンジニアの数と質が重要な要素であるのは言うまでもない。同社では、質の高いエンジニアを確保するために、設立以来の経験・知見を生かした独自の体系的な研修カリキュラムを確立している。

(4) テストツールの自社開発
同社は、生成AIテスト設計ツールを含むテストツールの自社開発を積極的に進めている。テスト設計から実行まですべての工程において自社ツール内で連携可能であることや、2025年3月に生成AIテスト設計ツール「TestScape」を実装している点、また生成AI開発に必要なテストに特化した専門情報を大量に保有している点が、テストツール開発及び生成AIテストツール開発における同社の優位性となっている。

(5) 競合
ソフトウェアテスト市場での競合企業としては、SHIFT<3697>、SCSK<9719>の子会社である(株)ベリサーブなどが挙げられる。正確な統計がないためそれぞれのシェアは不明であるが、各社での競合が少ない代わりに、SIerやユーザーの社内で内製されているテスト工程が最大の競合(潜在市場)となっている。ソフトウェアテスト市場でのアウトソーシング比率はまだ低いため、各社の競合が激化する以上に、市場そのものが拡大していくと見られる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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