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バルテスHD Research Memo(3):2026年3月期は減益となるも、計画どおりの着地。各事業は順調に拡大

*12:43JST バルテスHD Research Memo(3):2026年3月期は減益となるも、計画どおりの着地。各事業は順調に拡大
■バルテス・ホールディングス<4442>の業績動向

1. 2026年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2026年3月期の連結業績は、売上高が11,939百万円(前期比10.6%増)、営業利益が923百万円(同0.4%減)、経常利益が921百万円(同1.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が573百万円(同1.2%減)となった。

KPIでは、月間単価(ソフトウェアテスト)は852千円(同42千円増)、期中の全セグメントにおける案件数は7,489件(同1,846件増)、期末の稼働エンジニア数は1,342名(正社員、契約社員、ビジネスパートナー合計で132名増、正社員は29名増)と順調に増加した。

売上総利益率は既存事業が順調に拡大したことから30.7%(前期は29.7%)と改善した。一方で、販管費は同19.9%増となった。その内訳は、組織拡大に伴い人件費が9百万円増、採用費が計画どおり5百万円減、生成AI関連を含めて計画線となった研究開発費が159百万円増、株主優待費や支払手数料、のれん償却費などのその他が291百万円増である。

営業利益は、生成AI関連投資の増加などから微減益となったが、これは当初からの計画に沿ったものであり、通期実績は期初想定を上回る着地となった。損益計算書ベースで約270百万円の増加となった生成AI関連投資の影響を除けば、既存事業は順調に拡大しており、投資先行による減益ながら実質的な収益力は堅調であったと評価できる。

(2) 財務状況
2026年3月期末の財務状況は、流動資産は4,323百万円(前期末比335百万円増)となった。これは、売掛金及び契約資産が78百万円減少したものの、現金及び預金が419百万円増加したことなどが主因である。固定資産は2,401百万円(同109百万円減)となった。有形固定資産が71百万円増加した一方、償却の進展によるのれんの減少などから無形固定資産が174百万円減少し、投資その他の資産も6百万円減少したことなどが響いた。この結果、資産合計は6,725百万円(同225百万円増)となった。

負債合計は3,097百万円(前期末比148百万円減)となった。仕入債務が76百万円増加したものの、長短借入金が194百万円減少したことなどが影響した。純資産合計は3,627百万円(同374百万円増)となった。主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によって、利益剰余金が493百万円増加したことなどが寄与した。この結果、2026年3月期末の自己資本比率は53.9%(前期末は49.8%)となった。

(3) キャッシュ・フローの状況
2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは934百万円の収入となった。法人税等の支払又は還付額による減少372百万円などの支出があったものの、税金等調整前当期純利益841百万円や減価償却費104百万円の計上などが収入を下支えした。投資活動によるキャッシュ・フローは234百万円の支出となった。主に有形固定資産の取得による支出78百万円、無形固定資産の取得による支出60百万円などによる。財務活動によるキャッシュ・フローは281百万円の支出となった。これは長短借入金の純増減が89百万円の減少となったこと、自己株式の取得に128百万円、配当金の支払いに80百万円をそれぞれ充当したことが主因である。この結果、現金及び現金同等物は419百万円の増加となり、2026年3月期の期末残高は2,336百万円となった。

2. 2026年3月期のセグメント別状況
(1) ソフトウェアテスト
売上高※は10,245百万円(前期比12.4%増)、セグメント利益※は864百万円(同19.3%減)となった。売上高はKPIが順調に推移したことで増収となった一方で、生成AI関連投資などの増加によりセグメント利益は減益となった。ただし、これらは当初から織り込み済みであり、むしろ既存事業の進捗は当初予想を上回る結果となった。

※ 売上高及びセグメント利益は連結調整前(セグメント間の内部取引等を相殺する前)の数値であり、以下に示すほかのセグメントについても同様の基準に基づき記載。

(2) 開発
売上高は1,990百万円(同12.0%増)、セグメント利益は91百万円(前期は75百万円の損失)となった。増収に加え、前期に発生した不採算案件の影響の消失などから黒字転換した。金額は小さいが順調に拡大している。

(3) セキュリティ
売上高は294百万円(同34.1%増)、セグメント利益38百万円(同230.6%増)となった。案件を確実に取り込んだことで増収増益となった。

3. 2026年3月期の主なトピックス
(1) 生成AIテスト設計ツール「TestScape」をリリース
テスト設計業務の生産性と品質向上を実現する生成AIテスト設計ツール「TestScape」を2026年3月に提供開始したほか、シナリオテスト支援機能を同年5月に実装している。

(2) 「AI ソリューション」サービスを提供開始
バルテス・イノベーションズで複数のデータを横断的に扱うマルチモーダルAIを業務フローに組み込むことで、自動化や効率化を実現する「AI ソリューション」サービスを2026年3月に提供開始した。

(3) 「JEISコアパートナー」に認定
これまでの品質向上支援の実績や技術力等が(株)JR東日本情報システムより評価され「JEISコアパートナー」に認定された。なお、認定企業の中で、ソフトウェアテスト専門企業としては同社が初めての認定となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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