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クエスト Research Memo(3):創業以来60年以上連続黒字の独立系ITサービス企業(2)
2026/07/01 13:03
*13:03JST クエスト Research Memo(3):創業以来60年以上連続黒字の独立系ITサービス企業(2)
■会社概要
3. 同社の特徴
クエスト<2332>の特徴を人材面、事業面、財務面から見ると次のように評価できる。
(1) 人材面
ITソリューションビジネスの中核となるのは人材である。同社の経営陣はプロパー人材のほか、(株)東芝、ソニーグループ<6758>といった日本を代表するメーカー出身者で構成されており、高度な専門性に加えて、社会課題解決に向けたサステナビリティ経営への意識が高い点が際立つ。
2026年4月1日現在の連結従業員数は1,000名を超える規模に着実に増加している。採用環境が厳しさを増すなか、新卒採用はグループ全体で年間約60名を確保しており、計画どおりに推移している。ブランディングや売上拡大により大学生への認知度向上が進んでおり、内定承諾率も上昇しているとのことである。一方で中途採用は依然として競争が激しいものの、同社は案件需要を見据えて先行的な採用・育成を実施しており、人材確保と案件対応力の向上を図っている。
また、2025年にグループ入りしたセプトとの連携も進展している。PMIはおおむね完了し、現在は収益体質を強化しながら、グループ全体として人材の最適配置を進める段階に入っている。セプト人材をクエスト案件へ継続的にシフトすることで、機会損失の削減や収益性の向上につなげていくことが同社のねらいだ。
(2) 事業面
同社は1965年の設立以来、2025年に創業60周年を迎えた老舗ITソリューション企業である。半導体、製造、金融、情報通信、エンタテインメント、公共・社会、移動・物流、ヘルスケア・メディカルなど、日本の基幹を支える8つの主要産業に対して長年にわたりサービスを提供してきた。その顧客層はいずれも各業界を代表する企業群であり、高い品質要求に応え続けるなかで、深い業界知見と信頼関係を築いてきた点が最大の強みである。
同社は金融、製造、公共など幅広い業界向けにシステム開発・運用サービスを提供しているが、近年は半導体関連分野を中心とした成長市場への展開を強化している。
特に半導体領域では、キオクシアホールディングス<285A>、東芝、ソニーグループ、デクセリアルズ<4980>などとの長年の取引実績を有しており、AI需要拡大を背景とした半導体投資の増加を取り込んでいる。2026年3月期には四日市拠点の拡張や北上拠点の新設を実施するなど、顧客密着型の体制強化を進めている。
また、同社は従来の受託開発中心のビジネスモデルから、より高付加価値なソリューションサービスへの転換を進めている。ソリューションサービスの売上構成比は既に約22%まで上昇しており、業務ノウハウをアセット化して横展開することで収益性向上を図っている。事業ブランド「Unite」を基盤として生成AIソリューション「AI Studio」などを展開し、生成AIやデータ活用ニーズの拡大を取り込んでいる点も注目される。
さらに、デクセリアルズとの包括的なIT運用受託契約に代表されるBPO型ビジネスにも取り組んでおり、顧客のIT運用業務を包括的に受託するサービスモデルの拡大を進めている。
(3) 財務面
同社は安定した財務基盤を維持している。2026年3月期末の自己資本比率は70%超と高水準であり、有利子負債への依存度も低い。M&A実施後も健全な財務体質を維持していることから、今後も成長投資と株主還元を両立できる余地は大きい。
一方で、同社は現在、売上成長から利益成長へと経営の重点を移しつつある。経営陣は利益率改善を最重要課題と位置付けており、ソリューションサービスの拡大、価格転嫁の推進、人材・技術投資の強化を収益構造転換の三本柱として掲げている。
また、資本コストを8~9%程度と認識したうえで、政策保有株式の縮減や株主還元の充実にも取り組んでいる。配当についてはDOE4%以上、配当性向35%以上を目安とし、安定的かつ継続的な増配を志向しているほか、状況に応じて自己株式取得も実施する方針である。
以上のように、同社は強固な人材基盤と財務基盤を有しながら、半導体関連需要の取り込みやソリューションビジネスへの転換を進めている。従来型の受託開発企業から高付加価値型ITサービス企業への進化を図っている点が、同社の最大の特徴である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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■会社概要
3. 同社の特徴
クエスト<2332>の特徴を人材面、事業面、財務面から見ると次のように評価できる。
(1) 人材面
ITソリューションビジネスの中核となるのは人材である。同社の経営陣はプロパー人材のほか、(株)東芝、ソニーグループ<6758>といった日本を代表するメーカー出身者で構成されており、高度な専門性に加えて、社会課題解決に向けたサステナビリティ経営への意識が高い点が際立つ。
2026年4月1日現在の連結従業員数は1,000名を超える規模に着実に増加している。採用環境が厳しさを増すなか、新卒採用はグループ全体で年間約60名を確保しており、計画どおりに推移している。ブランディングや売上拡大により大学生への認知度向上が進んでおり、内定承諾率も上昇しているとのことである。一方で中途採用は依然として競争が激しいものの、同社は案件需要を見据えて先行的な採用・育成を実施しており、人材確保と案件対応力の向上を図っている。
また、2025年にグループ入りしたセプトとの連携も進展している。PMIはおおむね完了し、現在は収益体質を強化しながら、グループ全体として人材の最適配置を進める段階に入っている。セプト人材をクエスト案件へ継続的にシフトすることで、機会損失の削減や収益性の向上につなげていくことが同社のねらいだ。
(2) 事業面
同社は1965年の設立以来、2025年に創業60周年を迎えた老舗ITソリューション企業である。半導体、製造、金融、情報通信、エンタテインメント、公共・社会、移動・物流、ヘルスケア・メディカルなど、日本の基幹を支える8つの主要産業に対して長年にわたりサービスを提供してきた。その顧客層はいずれも各業界を代表する企業群であり、高い品質要求に応え続けるなかで、深い業界知見と信頼関係を築いてきた点が最大の強みである。
同社は金融、製造、公共など幅広い業界向けにシステム開発・運用サービスを提供しているが、近年は半導体関連分野を中心とした成長市場への展開を強化している。
特に半導体領域では、キオクシアホールディングス<285A>、東芝、ソニーグループ、デクセリアルズ<4980>などとの長年の取引実績を有しており、AI需要拡大を背景とした半導体投資の増加を取り込んでいる。2026年3月期には四日市拠点の拡張や北上拠点の新設を実施するなど、顧客密着型の体制強化を進めている。
また、同社は従来の受託開発中心のビジネスモデルから、より高付加価値なソリューションサービスへの転換を進めている。ソリューションサービスの売上構成比は既に約22%まで上昇しており、業務ノウハウをアセット化して横展開することで収益性向上を図っている。事業ブランド「Unite」を基盤として生成AIソリューション「AI Studio」などを展開し、生成AIやデータ活用ニーズの拡大を取り込んでいる点も注目される。
さらに、デクセリアルズとの包括的なIT運用受託契約に代表されるBPO型ビジネスにも取り組んでおり、顧客のIT運用業務を包括的に受託するサービスモデルの拡大を進めている。
(3) 財務面
同社は安定した財務基盤を維持している。2026年3月期末の自己資本比率は70%超と高水準であり、有利子負債への依存度も低い。M&A実施後も健全な財務体質を維持していることから、今後も成長投資と株主還元を両立できる余地は大きい。
一方で、同社は現在、売上成長から利益成長へと経営の重点を移しつつある。経営陣は利益率改善を最重要課題と位置付けており、ソリューションサービスの拡大、価格転嫁の推進、人材・技術投資の強化を収益構造転換の三本柱として掲げている。
また、資本コストを8~9%程度と認識したうえで、政策保有株式の縮減や株主還元の充実にも取り組んでいる。配当についてはDOE4%以上、配当性向35%以上を目安とし、安定的かつ継続的な増配を志向しているほか、状況に応じて自己株式取得も実施する方針である。
以上のように、同社は強固な人材基盤と財務基盤を有しながら、半導体関連需要の取り込みやソリューションビジネスへの転換を進めている。従来型の受託開発企業から高付加価値型ITサービス企業への進化を図っている点が、同社の最大の特徴である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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