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品川リフラ Research Memo(8):第6次中期経営計画は最終年度。次期中期経営計画では事業環境へ対応(1)

*12:08JST 品川リフラ Research Memo(8):第6次中期経営計画は最終年度。次期中期経営計画では事業環境へ対応(1)
■品川リフラ<5351>の中長期の成長戦略

1. 「ビジョン2030」の概要
2024年5月に策定した長期目標「ビジョン2030」では、事業成長と社会課題解決を表裏一体として追求するという基本方針を掲げた。同社は「日本だけ、耐火物だけ、鉄鋼だけではない、品川リフラグループへ」をキャッチフレーズに、グローバル展開の強化とセクター戦略の深化を通じた成長分野への進出を図る。同時に、気候変動への対応や人的資本戦略の実行を進め、社会課題解決を目指す。

2031年3月期の具体的な目標として、財務目標とサステナビリティ目標を設定した。財務目標は、売上高2,400億円(2024年3月期は1,441億円)、ROS12%(同9.6%)、EBITDAマージン16%(同12.3%)、ROIC10%(同9.1%)、海外売上高比率50%(同29.8%)である。サステナビリティ目標は、気候変動対応として2023年3月期比でCO2排出量50%削減、グリーン原料の使用比率20%(単体ベース、2024年3月期は10%)をKPIに設定した。人的資本戦略では、経営戦略に即した人材・組織開発、ダイバーシティ&インクルージョンの確立、働きやすい職場環境の創造を目指す。

2. 第6次中期経営計画の重点方針と「セクター戦略の深化」
第6次中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)では、最終年度の目標として売上高1,800億円、ROS11%、ROIC10%、海外売上高比率45%を掲げている。重点施策としては、「セクター戦略の深化」「生産基盤の整備」「グローバル展開の加速」「サステナビリティ経営の推進」の4項目を掲げており、そのうち最も重要だと弊社が判断している「セクター戦略の深化」については以下で確認する。各セクターは、「セクタービジョン」に基づき戦略を深化する計画だ。

(1) 耐火物セクター
耐火物セクターは、「サステナビリティ課題への技術対応力の強化(新製鉄法への対応ほか)」「高炉以外の電炉、非鉄・工業炉などに向けた販売拡大による国内事業規模の維持」「海外向け拡販とM&Aの推進」をセクタービジョンとしている。第6次中期経営計画において、2027年3月期の売上高は1,034億円(2024年3月期比5.0%増)、EBITDAは143億円(同34.9%増)、営業利益は113億円(同40.2%増)、ROICは9.5%(同1.4ポイント上昇)を目標としている。2027年3月期の期初段階では売上高1,171億円、EBITDA139億円、営業利益81億円を見込む。

国内市場におけるセクター戦略は、粗鋼生産量の漸減傾向を受け、鉄鋼業界でも市場での成長余力がある電炉や非鉄・工業炉などへの事業拡大とサステナビリティ課題への技術対応力を強化する。同社グループは、耐火物と断熱材の両事業を扱う稀有な存在であり、両製品の技術融合による省エネルギー製品開発、使用後耐火物のリサイクル原料化、熱ロス低減対策となる炉の設計・築炉技術開発、省力化となる装置提供などをセクター間の協業で推進する。

2023年4月には米国Allied Mineral Products, Inc.と国内のアルミニウム業界向け不定形耐火物の独占販売契約を結び、拡販に取り組んでいる。また、国内高炉メーカーが検討する大型電炉や水素還元製鉄などCO2発生量を削減する新しい製鉄法に対応した製品のラインナップ拡充、「GREEN REFRACTORY」の浸透を図る。2025年4月には、工業炉向けのソリューション提供による新規顧客開拓を強化するため、国内営業部門に開発営業部を新設し、部内にマーケティング室とソリューション技術室を設置した。営業と一体となった顧客への技術サービス、ソリューション提供を強化し、石灰炉、銅精錬炉などへの拡販を進めている。

海外市場におけるセクター戦略は、技術力やグローバル拠点を最大限発揮し、機能性耐火物、モールドフラックスなどの拡販を進める。M&Aによりグループ入りしたブラジルのSRB製品の北米やオーストラリアへの販売などを展開していく。また、引き続きM&A・JVによる現地製造と事業ポートフォリオ拡大を目指す。

2024年4月にはインドネシアに現地合弁会社SRPを設立し、同年7月より不定形耐火物の製造品目を増やして販売を開始した。中国では、品川和豊で、付加価値の高い連続鋳造用機能性耐火物(ノズル)の事業化を決定し、2027年3月期に新工場の本格稼働を予定している。中国では製造した耐火物製品の海外拡販のため、中国子会社の品川和豊、瀋陽品川及び出資会社である済南魯東耐火材料有限公司との連携を進めてきたほか、同年8月には販売支援や事業戦略の立案・実行を担う現地法人 山東品川耐火材料有限公司(100%子会社)を新設した。2024年10月に買収したGoudaの石油化学・エネルギー業界や非鉄金属業界向けの製品群及び市場は、同社グループの既存の製品群や顧客層を補完するものであり、技術共有や相互の製品群を活用した幅広い販売活動などにより多面的なシナジーと新たな地域・顧客マーケットへの事業展開が可能となった。既に、欧州・中東地域の非鉄、石油化学業界への断熱材販売や定形耐火物の仕入れをGoudaに切り替えるなどの取り組みを進めており、グループ全体でのシナジーは大きくなる見通しだ。

リサイクル原料を活用した「GREEN REFRACTORY」については、まずセメント業界に提案・展開している。これは、使用後のマグネシア・スピネル質煉瓦をリサイクル原料とする技術により、新規原料の使用によるCO2排出量削減に貢献するもので、同社の優位性は、自社製品だけでなく他社製品も含めた使用後の煉瓦をリサイクル原料化できる点にある。この取り組みは、セメント業界のみならず、耐火物を使用する全業界への展開を計画している。リサイクル原料化したものを含むグリーン原料の使用比率(同社単体)は、2024年3月期の10%程度から2031年3月期に20%への引き上げを目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)



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