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リケンNPR Research Memo(8):ネクストコア事業を第3の柱に育成(2)

*13:08JST リケンNPR Research Memo(8):ネクストコア事業を第3の柱に育成(2)
■リケンNPR<6209>の成長戦略

(3) ネクストコア事業
ネクストコア事業は、成長分野(半導体、電動化、カーボンニュートラル対応)での事業拡大、リソース強化によるスピード感ある事業展開を推進するとともに、M&Aなども活用して次世代を担う事業ポートフォリオを拡充する。具体的な事業分野は熱エンジニアリング事業、EMC事業、メタモールド(R)事業、その他の新製品・新事業(電動ユニット製品、機能性樹脂製品、磁性材製品、医療機器製品)である。中期経営計画の最終2027年3月期の目標値である売上高180億円、営業利益率10%に対して、2026年3月期実績は売上高134億円、営業利益率8%となった。熱エンジニアリング事業、EMC事業を中心に事業規模が拡大している。

熱エンジニアリング事業は、半導体製造装置メーカーをはじめとする各種産業向けに独自開発した金属発熱体「パイロマックス(R)」、セラミックス発熱体「パイロマックススーパー(R)」、ヒーターユニット、工業炉などの開発・製造・販売を行っている。2024年には半導体製造装置用ヒーターに強みを持つファブレスメーカーであるシンワバネスを子会社化した。同社とのシナジー創出や、製品フルラインナップ化の推進、半導体製造装置メーカーの新規開発ニーズへの対応強化が進んでいる。今後はAI普及やデータセンター投資による需要増加が見込まれており、旺盛な引き合いに対応すべく、営業機能及びサプライチェーン強化にも取り組む。また、半導体以外の各種産業においても、カーボンニュートラルを背景として、中長期的にガス燃焼加熱から電気抵抗加熱へのシフトが進むことで発熱体やヒーターユニットの需要拡大が見込まれ、今後も成長が期待される。

EMC事業は、自動車メーカーや電子機器メーカーなどで行われるEMC試験※1に必要な電波暗室の開発・設計・施工管理・アフターサービス、また、電波暗室の壁面に用いられる電波吸収体の開発・販売等を展開している。CASE※2の進展などを背景にEMC試験の必要性が高まったことから、電波暗室を新設・改造する需要が増加している。2024年3月期には国内で初めて最新国際規格CISPR16-1-4適合の大型電波暗室を納品するなど、大型案件の受注件数が増加している。

※1 電子機器などが発する電波が他の機器に悪影響を与えないか、他の機器が発する電波を受けて誤作動しないかを確認する試験。
※2 CASEは、Connected(コネクテッド)、Automated/Autonomous(自動運転)、Shared&Services(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語。

メタモールド(R)事業は自動車、航空宇宙、産業・医療機器など幅広い用途の複雑形状部品に適用される金属射出成形品(MIM:Metal Injection Molding)を展開している。自動車分野では電動パワーステアリング、サスペンションのボールネジ循環駒部品に採用されている。さらにスカラーロボットのボールネジ循環駒などの産業機器向けの拡販も推進している。金属粉末射出成形によって高密度・高強度の複雑形状品に低コストで対応できる優位性を生かすとともに、ターゲットにあわせた効率的マーケティング体制を構築して案件獲得力を強化し、CASE関連部品、ロボット、センサー、医療分野などへ展開する。

その他の新製品・新事業では、産業/介護・医療ロボット用などの小型・軽量化に対応した超薄型アクチュエータや軽量波動減速機などの電動ユニット製品、次世代モビリティ・ロボット市場の拡大に対応するため異種材接合技術を活用した機能性樹脂製品、EMC事業で培った技術を生かした電磁障害対策部材などの磁性材製品、生体適合材料による体内埋入型の医療機器製品などの開発・拡販を推進し、中長期的な売上・利益の拡大と中核事業化を目指す。圧粉コアを用いた薄幅高の「アキシャルギャップモータ」は農業支援運搬ロボットに採用されている。機能性樹脂製品では2024年に金属部品をインサート成形した「樹脂歯車」を製品化して電動アシスト自転車のドライブユニット向けに採用が拡大している。またEMI(Electromagnetic Interference)対策部材の新製品として、電磁波ノイズ対策コアを音響機器・産業機器分野へ、電磁波ノイズ対策シートを自動車の車載マルチメディアや医療・測定機器分野へ納品するなど、新規顧客獲得・製品領域拡大戦略を推進している。

医療機器製品分野では、医療用新材料チタン・タンタル合金「NiFreeT(R)」を展開している。ニッケルフリー・非磁性で生体適合性が高く、体内留置が可能で、医療機器用貴金属(プラチナ)と比較して安価という優位性がある。ピストンリング用に自社開発した形状記憶合金だが、ニッケルフリーで加工性に優れているため医療材料に転換した。歯科用スクリュー、ガイドワイヤ、カテーテル補強材、整形外科を中心とした医療機器など、埋入型医療機器への応用が期待されており、早期の製品化・事業化を目指している。また、世界最大手の医療機器メーカーであるMedtronicとの植込型医療機器協同開発プログラムでも新製品開発を進めている。さらに直近では、感染症患者移送・搬送用隔離ユニット「EpiShuttle(R)(エピシャトル)」の販売を開始(EpiGuard社製で連結子会社の(株)ノルメカエイシアが国内独占販売権を保有)した。

水素エンジンを核とした水素関連事業も推進しており、2025年7月に横浜市、学校法人五島育英会東京都市大学、及び日清オイリオグループ<2602>と連携協定を締結し、水素エンジンコンバージョンバスの研究実証等に取り組んでいるほか、2026年3月には新潟県柏崎市の水素ステーションを開業した。水素エンジン開発を足掛かりとしてエネルギーの地産地消に貢献するため柏崎市ゼロカーボンシティ推進戦略と連携するなど、地域貢献並びにカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)




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