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BRANU Research Memo(3):フロー収益とストック収益の両輪でボリュームゾーンにリーチ(1)

*13:03JST BRANU Research Memo(3):フロー収益とストック収益の両輪でボリュームゾーンにリーチ(1)
■事業概要

1. 事業概要
BRANU<460A>は、「テクノロジーで建設業界をアップデートする。」をビジョンに掲げ、建設DXプラットフォーム「CAREECON Platform」を中核として、中小建設企業向けにDXソリューションを提供している。建設業界は全国で約48万社の中小建設事業者があるが、同社が主要なターゲットとしているのは、売上高10億円以下を中心とする中小建設企業である。この市場はデジタル化の遅れや人手不足、営業力不足、協力会社の確保、採用難、経営管理体制の未整備など多くの経営課題を抱えている一方、大手企業向けと比べてDXの普及率は依然として低く、大きな成長余地が残されている。

こうした中小建設企業に対し、同社はマーケティング、営業支援、協力会社マッチング、人材採用、施工管理、経営管理までを1つのプラットフォーム上で提供する点を特徴としている。建設DXを手掛ける企業は数多く存在するものの、施工管理や図面管理など特定領域に特化したサービスが中心である。一方、同社は建設会社の企業活動全体を対象としたソリューションを展開しており、顧客企業の経営課題を一気通貫で支援できる点が差別化要因となっている。この包括的なサービス提供が可能な体制が同社の競争優位性を支える重要な要素であると弊社では考えている。

上場している建設DX支援企業であるスパイダープラス<4192>は大手ゼネコンを中心とした施工管理分野を主力市場としているのに対し、同社は売上高10億円以下を中心とする中小建設企業を主要顧客としていることから、ターゲット市場は基本的に住み分けられている。同社によると、同社が提供するマーケティング、施工管理、経営管理、人材採用管理の4つの領域をワンストップでカバーするサービスは、中小建設業市場では競合が限定的であり、各領域に有力プレーヤーは存在するものの、包括的な建設DXプラットフォームとして競合するケースは少ないという。中小建設業市場は依然として開拓余地が大きく、同社はこの市場に経営資源を集中的に投下することで、市場シェアの拡大を目指している。中小建設市場において同社が提供する主なサービスは以下の3つで構成される。

(1)CAREECON(キャリコン)
「CAREECON」は、建設業界に特化したマッチングプラットフォームであり、同社の中核サービスである。建設会社が協力会社や工事案件を検索・掲載できるほか、企業Webサイト(オウンドメディア)の制作、施工実績の発信、SEO対策、Web広告運用、CMS(Contents Management System)による情報更新など、建設会社の集客に必要なWebマーケティング機能をワンストップで提供するものである。単なるマッチングサービスではなく、顧客企業の受注拡大を支援する営業・マーケティング基盤として位置付けられている点が特徴である。

同サービスは、新規顧客との最初の接点としての役割を担っており、建設会社が抱える「仕事を増やしたい」「協力会社を探したい」「会社の認知度を高めたい」といったニーズに対応している。顧客との継続的な接点を通じて、施工管理や経営管理などの潜在的なニーズを掘り起こし、「CAREECON Plus」へのアップセルにつなげる導線を構築している。また、新規顧客には、マッチングメディアへの掲載やオウンドメディア構築などで構成される「メディアパッケージ」を提供するとともに、月額課金型サービス「CAREECON Plus」miniプランをセットで導入する仕組みを採用している。このため、新規契約の獲得と同時にストック収益も積み上がる収益モデルとなっている。同社ではフィールドセールスとインサイドセールスを組み合わせた営業体制を構築しており、インサイドセールスが商談を創出し、フィールドセールスが訪問提案を行うことで受注率を高めている。また、営業活動を通じて獲得した顧客にはカスタマーサクセスが伴走支援を実施し、建設会社自らが認識していない潜在的な経営課題を掘り起こすことで、継続的な取引拡大につなげている。さらに、2026年4月末時点の登録ユーザー数は6,517ユーザーまで拡大しており、ネットワーク効果を背景にプラットフォームとしての価値向上が進んでいる。

(2)CAREECON Plus(キャリコンプラス)
「CAREECON Plus」は、建設業向け統合型ビジネスツールであり、同社のストック収益を支える中核サービスである。建設会社の日常業務をクラウド上で一元管理できるプラットフォームで、マーケティング、採用管理、施工管理、経営管理までを1つのシステムで提供することを特徴としている。個別の業務システムを導入する必要がなく、建設会社のDXを包括的に支援できる点が競争優位性となっている。

機能面では、ホームページや施工実績を活用したマーケティング機能、求人管理や応募者管理を行う採用管理機能、案件・工程・現場管理を行う施工管理機能、さらに見積書、受発注書、請求書、工事台帳などを一元管理する経営管理機能を備える。各機能で蓄積されたデータは相互に連携され、ダッシュボードによる経営の可視化やデータ分析を通じて、生産性の向上と経営判断の高度化を支援している。

収益モデルは月額12,000円のminiプランを基本サービスとし、より高度な機能を備える月額10万円のStandardプランへアップセルする戦略を採用している。さらに、2026年10月期からは3〜7万円帯のMiddleプランを順次投入しており、業種(専門工事業、ゼネコン、ビルダーなど)と企業の成長ステージを組み合わせた15類型に対応する柔軟なプラン設計を進め、これにより、アップセル率の向上とARPU拡大が進んでいる。従来はminiプラン利用企業の約10%がStandardプランへ移行していたが、価格帯のギャップが大きいことが課題であった。Middleプランを新設することでアップセル率の引き上げを図る方針である。また、ARRの増加は現状では新規契約数の寄与がやや大きいものの、今後はMiddleプランの浸透によってARPUが向上する可能性があるとしている。さらに、AIプロジェクト「BRANU BRAIN」を推進し、見積りの最適化、日報の自動生成、写真解析によるリスク抽出などの機能を順次実装しているほか、独自に蓄積した施工実績や受発注データを活用したAIエージェントの開発も進めている。こうしたAI機能の拡充により、「CAREECON Plus」の付加価値の向上とストック収益の拡大を目指す。

(3)DXコンサルティング
約6,500社超の顧客基盤から蓄積したデータを活用し、営業戦略や市場分析、業務改善、生産性向上などを支援するハンズオン型DXコンサルティングを提供している。単なるシステム導入にとどまらず、導入後の定着支援や運用改善まで顧客に伴走することで、顧客企業の経営改善とDX推進を総合的に支援している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)



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