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BRANU Research Memo(7):サービス強化でシェア拡大と市場拡大を目指す

*13:07JST BRANU Research Memo(7):サービス強化でシェア拡大と市場拡大を目指す
■BRANU<460A>の中長期の成長戦略

● 中長期成長戦略の枠組み
中長期的な成長に向け、「All-in-One Platform」の機能強化を核として、営業基盤の拡充、人材投資、AIを活用した新サービス開発を推進することで、建設DXプラットフォームとしての競争力を高める方針である。成長戦略は、「基盤拡充」「プロダクト強化」「新領域サービス提供」の3つを柱としており、それぞれを相互に連携させることで、新規顧客獲得力の向上、既存顧客へのクロスセル・アップセルによるストック収益基盤の拡大、新たな収益源の創出を目指している。営業基盤の拡大によって顧客接点を増やし、その顧客をプラットフォームへ取り込み、さらにAIを活用した新サービスを提供することでLTVを継続的に高める戦略である。ロードマップでは、2026年以降、支店展開、人材採用、プラットフォーム機能強化、新サービス追加を段階的に進めることで、売上拡大と収益性の向上を両立させ、建設DXプラットフォーマーとして飛躍的な成長を目指している。

(1)基盤拡充
基盤拡充では、営業拠点の全国展開、パートナー連携の強化、営業・開発・コンサルティング人材への積極投資を3本柱として事業基盤を強化する。営業拠点については、既に開設した仙台支店に続き、2027年10月期に福岡支店の大幅増床や金沢支店の開設を進める計画であり、地域密着型の営業を強化することで地方の中小建設企業との接点を増やす。また、営業人材のほか、AI開発人材やコンサルティング人材の採用も積極的に進め、営業力と開発力の双方を強化する。これらの投資は短期的には費用増加要因となるものの、中長期的には営業生産性の向上と顧客基盤拡大を通じて収益成長につながるものと考えられる。

支店戦略では単に営業拠点を増設するのではなく、「インサイドセールス」と「フィールドセールス」を組み合わせた営業モデルを各拠点へ展開している。仙台支店では立ち上げ当初こそ収益化まで一定期間を要したものの、営業モデルの確立により現在は順調に収益に寄与しており、そのノウハウを大阪支店へも横展開している。また、地方採用を積極化したことで人材確保が容易になり、営業人員数の増加と営業生産性の向上を同時に実現できているという。

パートナー戦略では渡辺パイプとの連携を重要な成長ドライバーとして位置付けている。渡辺パイプは建材・住宅設備機器分野の専門商社として全国690拠点を展開しており、全国約48万社に及ぶ中小建設事業者の約4割と接点を有している。同社がターゲットとする顧客層と極めて親和性の高い営業ネットワークを有していることから、自社単独では十分に開拓できていない地域へも効率的に営業活動を展開できることが大きな強みである。現在のパートナー経由による営業カバー率は約28%にとどまるものの、今後はパートナーセールス部門を強化することでカバー率を段階的に高め、新規顧客獲得を加速させる方針である。この販売チャネルの活用は、中長期的な営業効率の向上と顧客基盤の拡大を支える重要な施策として注目される。

(2)プロダクト強化
プロダクト強化では、「CAREECON Platform」の価値向上を目的として、「CAREECON Plus」の機能拡充を継続するとともに、クロスセル・アップセルを加速し、ストック収益基盤の拡大を図る。開発の中心となるのは経営管理機能であり、資金繰管理、財務分析、組織管理、経営戦略支援などの機能を順次追加する計画である。また、マーケティング機能ではCMS改善やリード管理機能、ブランディング支援機能を拡充し、施工管理分野では品質管理、安全管理、施工管理技術などを強化する予定である。さらに、協力会社管理、職人データベース、サプライヤー管理など、建設会社の業務全体をカバーする機能を順次追加し、「All-in-One Platform」としての完成度を高める方針である。

これらの機能拡充により既存顧客へのクロスセル・アップセルを推進するとともに、契約継続率の向上やARPUの拡大を目指している。また、プラットフォームに蓄積されるデータ量が増えるほどサービス価値が高まり、新たな機能開発にも活用できることから、プラットフォームの利用拡大とストック収益の積み上げが相互に好循環を生み出す構造となっている。

同社ではAIを活用した開発体制を構築したことで、従来約8週間を要していた開発期間を約4週間まで短縮できるようになった。コーディング工程の効率化により開発生産性が大幅に向上し、顧客ニーズを迅速に反映した新機能を継続的に市場投入できる体制が整いつつある。また、Middleプランの投入によりminiプランからStandardプランへの移行が円滑になることで、アップセル率とARPUの向上も期待されている。こうした開発力の強化は、競争優位性の維持だけでなく、中長期的なストック収益基盤の拡大にも寄与するものと弊社では考えている。

(3)新領域サービスの展開
新領域サービスでは、既存の開発基盤と建設業界で蓄積したデータを活用し、新たなプロダクトやAIサービスを継続的に投入することで、新たな収益源の創出を目指している。具体的には、建設業特化型人材サービス「キャリコンジョブ」の拡大に加え、「BRANU BRAIN」を活用したAIエージェント、AIコンサルタント、新規プラットフォームサービスなどを順次展開する計画である。また、LINE連携など顧客接点を広げる機能や、新たなサービスをプラットフォームへ追加することで、「CAREECON Platform」の提供価値をさらに高めていく方針である。

同社は、これまでマーケティング、施工管理、経営管理など個別サービスを順次拡充してきたが、今後はAIを軸としてサービス間の連携を一段と強化し、建設会社の業務を包括的に支援するプラットフォームへの進化を目指している。新領域サービスは、既存顧客への提供価値の向上だけでなく、新規顧客獲得のきっかけとなる役割も期待されており、プロダクト強化の相乗効果によってLTV向上を実現する重要な施策と位置付けられている。

「BRANU BRAIN」の競争優位性は、長年にわたり蓄積してきた施工実績、見積データ、受発注データ、施工写真など建設業特有のデータをAIへ学習させられる点にある。これにより、見積金額や工期の最適化の提案、施工写真からのリスク抽出、日報の自動生成など、建設業務に特化したAIサービスの提供が可能となる。また、中長期的には営業代行プラットフォームなど新たなサービス領域への展開も構想しており、AIを活用した付加価値の提供によって収益機会を広げる考えである。AIは単なる業務効率化ツールではなく、新たな事業領域を創出する基盤技術として位置付けられており、中長期的な企業価値向上を支える重要な成長ドライバーになるものと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)



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