フィスコニュース
リログループ Research Memo(6):2029年3月期に営業利益500億円を目指す
2026/07/10 12:36
*12:36JST リログループ Research Memo(6):2029年3月期に営業利益500億円を目指す
■中期経営計画
1. 第四次オリンピック作戦
リログループ<8876>は2025年5月に中期経営計画である第四次オリンピック作戦(2026年3月期~2029年3月期)を策定した。『世界規模で展開する「生活総合支援サービス産業」の創出』をビジョンに、様々な課題に直面する企業を引き続きサポートし、大転換期にある日本において必要とされる課題解決カンパニーへと進化する方針だ。具体的には、BtoBのアウトソーシング事業では人手不足のソリューションとして様々な企業の福利厚生の充実に貢献し、BtoCの賃貸管理事業及び観光事業では事業承継の受け皿として後継者不足に悩む業界に貢献する考えである。このため、本業成長のための「人材投資」、BPOが有効な「労働力不足」、人生100年時代の「シニア・相続」という3つの重点課題を強く意識しながら、新規事業開発や戦略的投資、既存事業強化を継続する計画である。
同社は第四次オリンピック作戦を遂行することで、2029年3月期に売上収益で2,000億円、営業利益で500億円を目指している。営業利益は4年間の平均成長率(CAGR)が13%超、オリンピック作戦スタート時から10倍という高い目標だが、第一次~第三次オリンピック作戦の実績や各セグメントの方針などから、達成の可能性は十分にあると考えられる。なお、同社はストックビジネスの運営が多いため、中期的に営業利益率が改善していくことを前提としている。
各事業とも2ケタ成長予想
2. 事業別の作戦
福利厚生事業では、福利厚生プラットフォームの拡大により、すべてのステークホルダー(企業会員、サプライヤー、同社従業員など)の満足度向上と流通額拡大を進める。具体的には、中小企業向けの人材投資、集客支援、非正規社員向けのサービスを開発してストック基盤を拡大するほか、福利厚生代行サービスやカフェテリアプランなどのアップセル対策や商品強化を推進する。さらに退職者やアクティブシニア、外国人人材向けのサービスによって新たなマーケットを開拓する計画である。これにより、2029年3月期に福利厚生会員数1,000万人、営業利益220億円(CAGR15.7%)を目指す。
借上社宅管理事業では、すべてのステークホルダーとともに、不動産事業者の利便性を向上するデジタルプラットフォームの構築に挑戦する。具体的には、中小企業向けの社宅管理や社宅規定コンサルティングサービスで本業成長のための人材投資を支援するとともに、EV駐車場、店舗・事務所管理などの新サービスを開発する計画である。これにより、2029年3月期に社宅管理戸数34.4万戸、留守宅管理戸数1.3万戸、家具付き賃貸戸数8.3万戸、営業利益110億円(CAGR12.8%)を目指す。
海外赴任支援事業では、「海外人事丸ごとお任せ」のソリューションサービスなど、国境を越えたビジネスパーソンの移動に関する総合的なBtoBビジネスを強化する。具体的には、海外赴任者向け「CORE&FLEX」の普及や海外現地サービスの拡充に加え、サービスコンテンツの内製化や指数・データコンサルティングなど新サービスの開発を進める計画である。これにより、2029年3月期に海外赴任支援世帯数1.5万世帯、インバウンド支援世帯数1.5万世帯、海外出張送客数6.0万世帯、営業利益50億円(CAGR12.9%)を目指す。
賃貸管理事業では、賃貸経営と不動産に関わるオーナーの困りごとを解決し、「日本の住文化を豊かにし、住まいを通して人々を幸せにする」ことを実現する。具体的には、M&Aの加速と事業承継基盤の拡大、不動産業界に対する受託営業の強化、住まいの駆けつけサービスと管理契約受託の掛け合わせにより、ストック基盤を拡大する。また、成長支援やBPOサービスなどの不動産会社向けサービスの強化のほか、地主系に加え投資家オーナーの取り込みや相続対策などコンサルティング機能の強化を計画している。これにより、2029年3月期に賃貸管理戸数20.4万戸、営業利益120億円(CAGR10.1%)を目指す。
観光事業では、観光領域における課題解決カンパニーとして、新たな価値の創造に取り組む。具体的には、ホテルの再生や事業承継基盤の拡大、中小規模ホテル・旅館向けBPOサービス、DX導入支援などにより、労働力不足や地方創生に貢献する。また、退職者向け福利厚生サービスやタイムシェアによるシニア層の囲い込み、ファシリティマネジメントやプロパティマネジメント、リゾートマンションの再生など、ホテル・施設向けの新サービスを開発する計画である。これにより、2029年3月期に営業利益70億円(CAGR13.6%)を目指す。
中期経営計画初年度の想定外はあるが、計画期間中に吸収可能
3. 第四次オリンピック作戦の進捗
中期経営計画初年度において、福利厚生事業と賃貸管理事業において想定と異なることが2つあった。福利厚生事業については、大手生命保険会社の傘下に入った競合が出資先や親密取引先に集中営業したことで一部既存客の切り崩しに遭ったことで、会員数の伸びに影響が出た。賃貸管理事業については、不動産価格の高騰で賃貸から分譲へ移る人が減ったことを要因として、特に首都圏において空き物件の極端な減少により、仲介業務において機会損失が生じた。福利厚生事業の競合の影響は1年程度続くと見られている。仲介は不動産相場に左右されることから、即座の解決は難しそうだ。ただ、2026年3月期は、福利厚生事業は新規顧客を確保することで結果的に増収増益を確保し、賃貸管理事業は賃貸管理戸数とアセット売却粗利益を伸ばしている。今後はさらなるM&Aの推進と、工事及び相続のサポートの強化に取り組む。中期経営計画スタート時における想定外の要因は中期経営計画期間中に吸収可能と見ており、懸念の解消やほかの事業でカバーする方針である。
一方、ストック収益が順調に拡大し、中期経営計画で目標とする自己資本比率30%が見えてきた。このため、資本効率のさらなる向上を図ることで、中期経営計画のROE目標を従来の20%以上から25%〜30%のレンジへ引き上げることとした。また、これを踏まえ配当方針も変更した。具体的には、株主還元を一層充実させるため中期経営計画期間中の配当性向を50%へ引き上げるとともに、自己株式の取得を含めた総還元性向の目安を60%とする方針を導入した。加えて、利益還元の機会を拡充してより安定した配当を実施する観点から中間配当を導入し、期末配当と合わせて年2回の配当を実施する方針とした。配当方針の変更に伴ってキャピタルアロケーションも見直しており、有利子負債を活用して運用資金を100億円ほど厚くし(合計1,100億円)、株主還元に500億円(従来は350億円〜400億円)、M&A・戦略投資に既存分野で300億円、新規分野で100億円(従来は両分野で300億円)、DX・人的資本投資に100億円、増加運転資金で100億円に投下することとした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
<HN>
■中期経営計画
1. 第四次オリンピック作戦
リログループ<8876>は2025年5月に中期経営計画である第四次オリンピック作戦(2026年3月期~2029年3月期)を策定した。『世界規模で展開する「生活総合支援サービス産業」の創出』をビジョンに、様々な課題に直面する企業を引き続きサポートし、大転換期にある日本において必要とされる課題解決カンパニーへと進化する方針だ。具体的には、BtoBのアウトソーシング事業では人手不足のソリューションとして様々な企業の福利厚生の充実に貢献し、BtoCの賃貸管理事業及び観光事業では事業承継の受け皿として後継者不足に悩む業界に貢献する考えである。このため、本業成長のための「人材投資」、BPOが有効な「労働力不足」、人生100年時代の「シニア・相続」という3つの重点課題を強く意識しながら、新規事業開発や戦略的投資、既存事業強化を継続する計画である。
同社は第四次オリンピック作戦を遂行することで、2029年3月期に売上収益で2,000億円、営業利益で500億円を目指している。営業利益は4年間の平均成長率(CAGR)が13%超、オリンピック作戦スタート時から10倍という高い目標だが、第一次~第三次オリンピック作戦の実績や各セグメントの方針などから、達成の可能性は十分にあると考えられる。なお、同社はストックビジネスの運営が多いため、中期的に営業利益率が改善していくことを前提としている。
各事業とも2ケタ成長予想
2. 事業別の作戦
福利厚生事業では、福利厚生プラットフォームの拡大により、すべてのステークホルダー(企業会員、サプライヤー、同社従業員など)の満足度向上と流通額拡大を進める。具体的には、中小企業向けの人材投資、集客支援、非正規社員向けのサービスを開発してストック基盤を拡大するほか、福利厚生代行サービスやカフェテリアプランなどのアップセル対策や商品強化を推進する。さらに退職者やアクティブシニア、外国人人材向けのサービスによって新たなマーケットを開拓する計画である。これにより、2029年3月期に福利厚生会員数1,000万人、営業利益220億円(CAGR15.7%)を目指す。
借上社宅管理事業では、すべてのステークホルダーとともに、不動産事業者の利便性を向上するデジタルプラットフォームの構築に挑戦する。具体的には、中小企業向けの社宅管理や社宅規定コンサルティングサービスで本業成長のための人材投資を支援するとともに、EV駐車場、店舗・事務所管理などの新サービスを開発する計画である。これにより、2029年3月期に社宅管理戸数34.4万戸、留守宅管理戸数1.3万戸、家具付き賃貸戸数8.3万戸、営業利益110億円(CAGR12.8%)を目指す。
海外赴任支援事業では、「海外人事丸ごとお任せ」のソリューションサービスなど、国境を越えたビジネスパーソンの移動に関する総合的なBtoBビジネスを強化する。具体的には、海外赴任者向け「CORE&FLEX」の普及や海外現地サービスの拡充に加え、サービスコンテンツの内製化や指数・データコンサルティングなど新サービスの開発を進める計画である。これにより、2029年3月期に海外赴任支援世帯数1.5万世帯、インバウンド支援世帯数1.5万世帯、海外出張送客数6.0万世帯、営業利益50億円(CAGR12.9%)を目指す。
賃貸管理事業では、賃貸経営と不動産に関わるオーナーの困りごとを解決し、「日本の住文化を豊かにし、住まいを通して人々を幸せにする」ことを実現する。具体的には、M&Aの加速と事業承継基盤の拡大、不動産業界に対する受託営業の強化、住まいの駆けつけサービスと管理契約受託の掛け合わせにより、ストック基盤を拡大する。また、成長支援やBPOサービスなどの不動産会社向けサービスの強化のほか、地主系に加え投資家オーナーの取り込みや相続対策などコンサルティング機能の強化を計画している。これにより、2029年3月期に賃貸管理戸数20.4万戸、営業利益120億円(CAGR10.1%)を目指す。
観光事業では、観光領域における課題解決カンパニーとして、新たな価値の創造に取り組む。具体的には、ホテルの再生や事業承継基盤の拡大、中小規模ホテル・旅館向けBPOサービス、DX導入支援などにより、労働力不足や地方創生に貢献する。また、退職者向け福利厚生サービスやタイムシェアによるシニア層の囲い込み、ファシリティマネジメントやプロパティマネジメント、リゾートマンションの再生など、ホテル・施設向けの新サービスを開発する計画である。これにより、2029年3月期に営業利益70億円(CAGR13.6%)を目指す。
中期経営計画初年度の想定外はあるが、計画期間中に吸収可能
3. 第四次オリンピック作戦の進捗
中期経営計画初年度において、福利厚生事業と賃貸管理事業において想定と異なることが2つあった。福利厚生事業については、大手生命保険会社の傘下に入った競合が出資先や親密取引先に集中営業したことで一部既存客の切り崩しに遭ったことで、会員数の伸びに影響が出た。賃貸管理事業については、不動産価格の高騰で賃貸から分譲へ移る人が減ったことを要因として、特に首都圏において空き物件の極端な減少により、仲介業務において機会損失が生じた。福利厚生事業の競合の影響は1年程度続くと見られている。仲介は不動産相場に左右されることから、即座の解決は難しそうだ。ただ、2026年3月期は、福利厚生事業は新規顧客を確保することで結果的に増収増益を確保し、賃貸管理事業は賃貸管理戸数とアセット売却粗利益を伸ばしている。今後はさらなるM&Aの推進と、工事及び相続のサポートの強化に取り組む。中期経営計画スタート時における想定外の要因は中期経営計画期間中に吸収可能と見ており、懸念の解消やほかの事業でカバーする方針である。
一方、ストック収益が順調に拡大し、中期経営計画で目標とする自己資本比率30%が見えてきた。このため、資本効率のさらなる向上を図ることで、中期経営計画のROE目標を従来の20%以上から25%〜30%のレンジへ引き上げることとした。また、これを踏まえ配当方針も変更した。具体的には、株主還元を一層充実させるため中期経営計画期間中の配当性向を50%へ引き上げるとともに、自己株式の取得を含めた総還元性向の目安を60%とする方針を導入した。加えて、利益還元の機会を拡充してより安定した配当を実施する観点から中間配当を導入し、期末配当と合わせて年2回の配当を実施する方針とした。配当方針の変更に伴ってキャピタルアロケーションも見直しており、有利子負債を活用して運用資金を100億円ほど厚くし(合計1,100億円)、株主還元に500億円(従来は350億円〜400億円)、M&A・戦略投資に既存分野で300億円、新規分野で100億円(従来は両分野で300億円)、DX・人的資本投資に100億円、増加運転資金で100億円に投下することとした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
<HN>


フィスコニュース
新着コラム/レポート




















