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フォーカス Research Memo(9):知識集約型企業への変革で非連続な成長を目指す(2)

*14:09JST フォーカス Research Memo(9):知識集約型企業への変革で非連続な成長を目指す(2)
■中長期の成長戦略と株主還元策

4. 財務戦略
フォーカスシステムズ<4662>の財務戦略は、「成長投資」「財務健全性」「株主還元」の三位一体で企業価値最大化を図る点に特徴がある。既述のとおり、新中期経営計画期間中に85億円の戦略投資を計画しており、DX・コンサルティング領域への事業拡大、提供サービスの高度化、ソリューション研究開発、人材投資、M&Aなどに重点配分する方針である。

財務健全性についても明確な規律を設けている。D/Eレシオは0.35倍程度を上限とし、現金及び預金は月商2ヶ月分程度を確保する方針だ。また、投資有価証券や非事業用資産の整理を進めることで資本効率を高め、必要に応じて借入金を活用しながら最適資本構成を追求する。成長投資を積極化する一方で、過度なレバレッジには依存しないバランス重視の財務運営が特徴と言える。

キャッシュアロケーションでは、2027年3月期から2029年3月期までの3年間で120億円のキャッシュ創出を見込み、そのうち85億円を戦略投資、35億円を株主還元に配分する計画だ。戦略投資には、サービス高度化、コンサルティング領域の強化、研究開発、人材投資に加え、M&A及びベンチャー投資も含まれている。M&A案件の選定に際し、同社は、NPVがプラスであること、IRRがハードルレートと期待する収益スプレッドを上回ること、投下資金回収期間5年以内を原則とするなど、厳格な投資基準を設定している。35億円の株主還元は、主に配当を指しているが、これとは別で自己株式取得も機動的に検討していく構えだ。成長投資を加速しながらも資本コストを意識した規律ある投資判断を徹底しており、「攻め」と「守り」を両立した財務戦略と評価できる。こうした取り組みにより、売上高1,000億円企業への成長に向けた非連続成長の基盤構築を進める。

5. 株主還元策
同社は新中期経営計画において、株主還元を重要な経営課題の1つに位置付けている。前中期経営計画では配当性向35〜40%を目標としていたが、2026年3月期は41.1%となり目標を上回って着地した。これを踏まえて新中期経営計画では配当方針を一段と引き上げ、配当性向40%以上を明確に掲げている。利益成長に応じた増配を基本方針とし、株主への利益還元を継続的に強化する。

1株当たり配当金の推移は、2023年3月期が35.0円、2024年3月期が38.0円、2025年3月期が42.0円、2026年3月期が64.0円と着実に増加した。2027年3月期は68.0円を予定しており、5年間でほぼ2倍の水準となる見込みである。一方、配当性向の推移は、2023年3月期は38.0%だったが、以降は40.8%、40.2%、41.1%と、40%超の高水準を維持している。2027年3月期は41.4%を予定しており、新中期経営計画で掲げる40%以上の方針を初年度から上回ることになる。

同社は「成長投資と株主還元は二者択一ではない」との考えを示している。従来は事業が傾いても従業員の雇用を守れるだけの水準で手元資金を蓄積してきたが、今後はその水準を運転資金月商2ヶ月分程度の現金及び預金と明文化したうえで、余剰資金を成長投資や株主還元へ振り向ける。また、新中期経営計画では配当性向を従来の35〜40%から40%以上へ引き上げたことに加え、政策保有株式の見直しなども活用しながら機動的な自己株式取得を実施する方針だ。安定した収益基盤を背景に、利益成長に連動した増配と機動的な自己株式取得を組み合わせることで、総還元の拡大と企業価値向上を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)



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