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ミロク情報 Research Memo(1):ERP製品のサブスク成長はRule of 40を大きく超える水準
2026/07/22 12:01
*12:01JST ミロク情報 Research Memo(1):ERP製品のサブスク成長はRule of 40を大きく超える水準
■要約
ミロク情報サービス<9928>は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品を開発・販売する業界大手である。ビジネスモデルを売切り型からサブスクリプション(以下、サブスク)型に移行しながら、2027年3月期からは本格的に生成AIの活用を前提としたDXコンサルティングを提供することにより、中小企業・小規模事業者の経営DXを支援し、事業拡大を推進している。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.0%増の48,926百万円、経常利益で同7.5%増の6,870百万円とおおむね会社計画どおりに着地し、過去最高業績を更新した。会計事務所向け及び中堅・中小企業向け各種ERP製品の販売が好調で、主力ERP製品のサブスク比率が前期の20.2%から36.5%に大きく上昇した。売切り型からサブスク型への移行が進んでいる影響でソフトウェア売上が減収となったことで、システム導入契約売上高は同0.9%増に留まった。一方、主力ERP製品のサブスク・IaaS※1のARR※2は同48.0%増、期末契約社数は同52.9%増の6,518社※3と大きく伸びたことなどにより、サービス収入は14.7%増と二桁成長となった。主力ERP製品のサブスク・IaaSのARR成長率は48.0%と高水準で推移しており、ソフト使用料全体のARRは110億円を超え成長率も36.9%の成長を実現している。これに連結の売上高営業利益率13.6%を加味すると、「Rule of 40」を大きく超える水準に達しており、成長性と収益性の両面において高い競争力を有している点は特筆に値する。なお、2025年10月に海外事業の拡大を目的に、シンガポールでクラウドERP事業を展開するSynergix Technologies Pte Ltd.(以下、Synergix)※4の株式の70%を約28億円で取得し、第4四半期から連結業績に組み込んでいる。
※1 IaaS(Infrastructure as a Service)とは、クラウドサービスのうちハードウェアやネットワークなどのインフラ部分のみを提供するサービス。
※2 ARR(Annual Recurring Revenue):当該月に発生した売上高を12倍にした数値。
※3 2026年3月期より、1社で複数の契約がある場合でも1社として集計する方式に変更し、前期比も新たな集計方式に基づき算出している。
※4 2024年12月期の業績は売上高1,170百万円、営業利益282百万円(115円/SGD換算)。のれんは約27億円で10年定額償却。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.0%増の53,800百万円、経常利益で同7.4%増の7,380百万円と増収増益が続く見通しである。ERP製品のサブスク型への移行により、ストック型収益の積み上げが進むほか、Synergixの売上が通年で寄与する。利益面では、新製品発売に伴う償却費の増加に加え、人件費やのれん償却額が増加するものの、増収効果で吸収する。主力ERP製品のサブスク契約社数は同22.7%増の8,000社、ARRは同21.2%増の69.0億円を見込む。前期にサブスク比率が想定を上回るペースで加速したため、収益性最適化の観点から2027年3月期のサブスク比率は約30%と抑制する方向だが、受注動向を見ながら柔軟に対応していく方針である。
3. 中期経営計画と株主還元方針
2024年5月に発表した「中期経営計画Vision2028」では、最終年度となる2029年3月期に売上高600億円(4年間年平均成長率6.8%)、経常利益120億円(同17.1%)、ROE18%(2026年3月期実績17.3%)を目指している。AI活用を前提としたDXコンサルティングによる新規顧客の獲得(顧客基盤の拡大)とサブスク型への移行並びにクロスセル推進により、顧客生涯価値(以下、LTV)の最大化を図る。2029年3月期には、主力ERP製品のサブスク・IaaS提供をARRで110億円まで積み上げる計画である。現在はサブスク型への移行期のため利益成長率が1ケタ台にとどまっているが、2〜3年後は移行によるマイナス影響が軽減することで利益成長率も加速すると予想される。なお、株主還元については連結配当性向で30〜40%を目安に利益成長に応じた累進的配当を実施する方針で、2026年3月期の1株当たり配当金は前期比5.0円増配の60.0円(配当性向33.2%)を実施し、2027年3月期も同5.0円増配となる65.0円(同40.5%)で4期連続の増配を予定している。また、資本政策の一環として自己株式取得についても適宜検討する考えだ。
■Key Points
・2026年3月期はサブスク移行が加速するなかで過去最高業績を更新
・ERP製品のサブスク・IaaS提供のARR成長率はRule of 40を超える水準
・固定費増を増収効果で吸収し、2027年3月期も営業・経常利益は最高益更新へ
・2029年3月期経常利益120億円の達成に向け、生成AIを全社で積極活用
・連結配当性向30〜40%を目安に増配を継続中、自己株式取得も適宜検討
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■要約
ミロク情報サービス<9928>は、会計事務所及び中堅・中小企業向けに財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品を開発・販売する業界大手である。ビジネスモデルを売切り型からサブスクリプション(以下、サブスク)型に移行しながら、2027年3月期からは本格的に生成AIの活用を前提としたDXコンサルティングを提供することにより、中小企業・小規模事業者の経営DXを支援し、事業拡大を推進している。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.0%増の48,926百万円、経常利益で同7.5%増の6,870百万円とおおむね会社計画どおりに着地し、過去最高業績を更新した。会計事務所向け及び中堅・中小企業向け各種ERP製品の販売が好調で、主力ERP製品のサブスク比率が前期の20.2%から36.5%に大きく上昇した。売切り型からサブスク型への移行が進んでいる影響でソフトウェア売上が減収となったことで、システム導入契約売上高は同0.9%増に留まった。一方、主力ERP製品のサブスク・IaaS※1のARR※2は同48.0%増、期末契約社数は同52.9%増の6,518社※3と大きく伸びたことなどにより、サービス収入は14.7%増と二桁成長となった。主力ERP製品のサブスク・IaaSのARR成長率は48.0%と高水準で推移しており、ソフト使用料全体のARRは110億円を超え成長率も36.9%の成長を実現している。これに連結の売上高営業利益率13.6%を加味すると、「Rule of 40」を大きく超える水準に達しており、成長性と収益性の両面において高い競争力を有している点は特筆に値する。なお、2025年10月に海外事業の拡大を目的に、シンガポールでクラウドERP事業を展開するSynergix Technologies Pte Ltd.(以下、Synergix)※4の株式の70%を約28億円で取得し、第4四半期から連結業績に組み込んでいる。
※1 IaaS(Infrastructure as a Service)とは、クラウドサービスのうちハードウェアやネットワークなどのインフラ部分のみを提供するサービス。
※2 ARR(Annual Recurring Revenue):当該月に発生した売上高を12倍にした数値。
※3 2026年3月期より、1社で複数の契約がある場合でも1社として集計する方式に変更し、前期比も新たな集計方式に基づき算出している。
※4 2024年12月期の業績は売上高1,170百万円、営業利益282百万円(115円/SGD換算)。のれんは約27億円で10年定額償却。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.0%増の53,800百万円、経常利益で同7.4%増の7,380百万円と増収増益が続く見通しである。ERP製品のサブスク型への移行により、ストック型収益の積み上げが進むほか、Synergixの売上が通年で寄与する。利益面では、新製品発売に伴う償却費の増加に加え、人件費やのれん償却額が増加するものの、増収効果で吸収する。主力ERP製品のサブスク契約社数は同22.7%増の8,000社、ARRは同21.2%増の69.0億円を見込む。前期にサブスク比率が想定を上回るペースで加速したため、収益性最適化の観点から2027年3月期のサブスク比率は約30%と抑制する方向だが、受注動向を見ながら柔軟に対応していく方針である。
3. 中期経営計画と株主還元方針
2024年5月に発表した「中期経営計画Vision2028」では、最終年度となる2029年3月期に売上高600億円(4年間年平均成長率6.8%)、経常利益120億円(同17.1%)、ROE18%(2026年3月期実績17.3%)を目指している。AI活用を前提としたDXコンサルティングによる新規顧客の獲得(顧客基盤の拡大)とサブスク型への移行並びにクロスセル推進により、顧客生涯価値(以下、LTV)の最大化を図る。2029年3月期には、主力ERP製品のサブスク・IaaS提供をARRで110億円まで積み上げる計画である。現在はサブスク型への移行期のため利益成長率が1ケタ台にとどまっているが、2〜3年後は移行によるマイナス影響が軽減することで利益成長率も加速すると予想される。なお、株主還元については連結配当性向で30〜40%を目安に利益成長に応じた累進的配当を実施する方針で、2026年3月期の1株当たり配当金は前期比5.0円増配の60.0円(配当性向33.2%)を実施し、2027年3月期も同5.0円増配となる65.0円(同40.5%)で4期連続の増配を予定している。また、資本政策の一環として自己株式取得についても適宜検討する考えだ。
■Key Points
・2026年3月期はサブスク移行が加速するなかで過去最高業績を更新
・ERP製品のサブスク・IaaS提供のARR成長率はRule of 40を超える水準
・固定費増を増収効果で吸収し、2027年3月期も営業・経常利益は最高益更新へ
・2029年3月期経常利益120億円の達成に向け、生成AIを全社で積極活用
・連結配当性向30〜40%を目安に増配を継続中、自己株式取得も適宜検討
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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