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ジーニー Research Memo(2):製品・サービスの市場浸透を加速させる革新メカニズム

*12:02JST ジーニー Research Memo(2):製品・サービスの市場浸透を加速させる革新メカニズム
■会社概要

1. 会社概要
ジーニー<6562>は、Webサイトやスマートフォンアプリ上に閲覧者に適した広告を瞬時に選択して表示するアドテクノロジーを活用し、インターネットメディアや広告主の広告収益及び効果を最大化させるプラットフォームを展開している。さらに、集客から販促、受注までを一元的に実行・管理できるセールス&マーケティングプラットフォームを開発・提供している。2010年の設立以来、日本やアジアの顧客におけるマーケティング課題に向き合い、プロダクトの開発並びに成功に向けた支援を継続してきた。現在は北米、インド、ヨーロッパへと事業領域を拡大しており、最先端のテクノロジーやAIを駆使してマーケティングのハードルを下げ、高付加価値な製品・サービスを企業がよりスムーズに社会へ広められる世界の実現を目指している。2023年2月には、広告収益最適化プラットフォームを提供する北米の広告テクノロジー企業Zelto Inc.(現Genee US Inc.)を完全子会社化した。また、2024年7月にはデジタルPR分野に強みを持つソーシャルワイヤーを子会社化するなど、さらなる成長に向け基盤を強化している。


主力の広告プラットフォーム事業に加え、マーケティングSaaS事業とデジタルPR事業が拡大

2. 事業概要
同社は事業セグメントを3つに分類している。広告主にインターネットメディアやOOH※広告のビルボードなどの広告媒体を仲介するツールを提供する「広告プラットフォーム事業」、企業が広告やマーケティング活動を行う際に使用するツールを自社開発やM&Aによって調達し、提供する「マーケティングSaaS事業」、そして子会社のソーシャルワイヤーが運営する「デジタルPR事業」の3事業である。なお、「海外事業」については、2026年3月期より「広告プラットフォーム事業」へと統合した。

※ OOH(Out Of Home)とは、アウト・オブ・ホームの略で、電車やバスなどの公共交通機関における中吊り広告に代表される交通広告、街中で展開される看板広告や街頭ビジョンに代表される屋外広告、さらにラッピングカーやデジタルサイネージなど、自宅以外で展開する広告メディアの総称。

2026年3月期の事業別売上構成比は、広告プラットフォーム事業は40.8%、マーケティングSaaS事業は33.3%、デジタルPR事業は26.3%であった。広告プラットフォーム事業が引き続き全体の約40%を占めており主力事業となっているが、近年はマーケティングSaaS事業やデジタルPR事業が拡大しており、バランスの取れた事業ポートフォリオを形成しつつある。

(1) 広告プラットフォーム事業
広告プラットフォーム事業では、独自開発したメディア及び広告主の双方の収益を最大化するプラットフォーム「GENIEE Ads Platform」を提供している。主にインターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主及び広告代理店向けの「GENIEE DSP」を展開し、これらプラットフォームのOEM提供も行っている。「GENIEE SSP」はインターネットメディア等の広告収益を最大化させるプラットフォームであり、広告枠を閲覧するユーザーごとに、RTB※技術を用いてオークション形式で選択された最適な広告を配信する仕組みである。「GENIEE DSP」は、広告主のニーズに合わせて選択された枠へ配信することにより、広告主の利益を最大化する広告買い付けプラットフォームである。

※ RTB(Real-Time Bidding)とは、広告の表示ごとにオークション方式で最も高単価な広告を配信する仕組みで、リアルタイムでインターネット広告枠を取引できる技術のこと。

「GENIEE SSP」や「GENIEE DSP」を経由して広告を配信すると、広告表示回数及び単価に応じて広告主から同社グループへ広告掲載料が支払われる。広告代理店や他社DSP、アドネットワーク、OEM提供先を介して広告が配信される場合は、同社グループはこれらを経由して広告主から広告掲載料を受け取る仕組みである。同社はSSPとDSPの双方を所有していることによって中間マージンを圧縮できるため、これが強みとなっている。

(2) マーケティングSaaS事業
マーケティングSaaS事業では、企業のマーケティング活動の支援を目的としたBtoB向けSaaSプロダクトを一元管理するマーケティングサービス「GENIEE Marketing Cloud」を展開している。これにより、広告を通じた集客から販売までのプロセスを一気通貫で行うことができる。主な製品として、営業活動における商談管理のための営業管理システム(SFA)※1及び顧客管理システム(CRM)※2「GENIEE SFA/CRM」、企業のマーケティング活動を自動化し、効率的に潜在顧客の集客や購買意欲等の向上を実現するマーケティングオートメーション「GENIEE MA」、国内有数の導入企業社数4,500社超の実績を持つチャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索及びECサイト向け商品検索ツール「GENIEE SEARCH」などがある。

※1 Sales Force Automationの略で、営業支援システムを指す。営業部門のメンバーの行動、商談の進捗状況や結果を見える化し、営業の生産性向上や業務改善を実現する。
※2 Customer Relationship Managementの略で、顧客関係管理を意味する。顧客情報を統合的に管理し、長期的に良好な関係性を築き、サービスや製品の利用を継続的に促す。

「GENIEE SFA/CRM」「GENIEE MA」「GENIEE CHAT」「GENIEE SEARCH」などのSaaSプロダクトでは、導入企業から月額でシステムやサービスの利用料を受け取り、収益としている。同事業のビジネスモデルは、集客から販促・受注までを一気通貫して実行及び管理できるソリューションを受託開発等によって提供し、導入後は運用面を継続的にサポートすることで月次収益を得るものである。特に個社別の売上のうち月額収益分が8割を占めており、この月次収益部分が事業の大きな強みとなっている。売上増加のための効率的な営業活動や効果的な施策に悩む企業は多く、それらをターゲットにマーケティングDXあるいは営業DXを支援することで、継続的な収益を確保している。

(3) デジタルPR事業
デジタルPR事業は、2024年7月より子会社となったソーシャルワイヤーが運営する事業である。同事業は「ニュースワイヤー事業」「インフルエンサーPR事業」「クリッピング事業」「リスクチェック事業」の4つの事業で構成されている。「ニュースワイヤー事業」では、市場シェア2位を占める企業の情報発信を支援するプレスリリース配信代行サービス「@Press」等を運営している。「インフルエンサーPR事業」は、広告代理店やクライアント企業から発注を受け、SNSのインフルエンサーをキャスティングして商品PRを実施するサービスを提供している。「クリッピング事業」は、メディアから顧客が必要とする記事を調査・選別及び報告(郵送)するサービスである。「リスクチェック事業」は、Webニュースや新聞記事等の公知情報を用いて、取引先の反社会勢力との関係性や犯罪関与、不祥事等の情報を確認するサービスを展開している。ソーシャルワイヤーは、2025年9月にiHack、2026年6月に(株)SEIRYOを子会社化する等、積極的にM&Aを進めている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)



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