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さくらさくプラス:東京都心の認可保育所を核に周辺領域も強化、3Q時点で通期利益予算を前倒し達成
2026/08/13 11:05
*11:05JST さくらさくプラス:東京都心の認可保育所を核に周辺領域も強化、3Q時点で通期利益予算を前倒し達成
さくらさくプラス<7097>は、認可保育所「さくらさくみらい」の運営を中核とする子ども・子育て支援事業を展開している。2025年7月末時点で保育所88施設を運営し、在籍児童数は4,899人にのぼる。運営施設の約9割を東京都内、とりわけ保育需要の高い都心部に集中させている点が特徴である。傘下には保育所運営のさくらさくみらいのほか、保育ICTのみらいパレット、保育士向け研修サービスの保育のデザイン研究所、フェムケア・フェムテック商品を手掛けるYELL、不動産の企画・開発を担うさくらさくパワーズを擁し、保育を起点に共働き家族の「時間」と「QOL」を支える多様なサービスへ事業領域を拡張している。同社は自らを単なる保育事業者ではなく、共働き世帯に対する総合ソリューションカンパニーと位置づけており、保育の現場から得られる知見とリアルな顧客接点を周辺事業の創出につなげる独自のビジネスモデルを構築している
収益の中核は認可保育所運営に伴う行政からの補助金であり、ストック型の安定した収益基盤を形成している。これに加えて、子育て支援住宅「東京こどもすくすく住宅」の開発・売却や中古区分マンションの買取再販といった不動産収益、研修・フェムケア等のサービス収入が上乗せされる構造である。なお、保育所の新規開設・増床時に受け取る開設補助金は営業外収益に計上される。
同社の強みは、第一に、不動産ノウハウを活かした保育所の立地開発力にある。代表取締役社長の中山氏が不動産出身であった知見を活かし、駅から徒歩5~10分圏内という利便性の高い立地に保育所を開発してきた。多くの保育事業者が賃貸物件への入居を基本とするのに対し、後発の同社は不動産の強みを生かし、投資家や不動産所有者に対して投資商品として企画・開発することで立地の良い物件を確保することで、競合の少ない形で施設網を拡大してきた。提携不動産業者からの物件持ち込みルートも確立しており、都心での物件確保という業界共通の制約を優位性へと転換している。第二に、東京都心へのドミナント集中と運営品質の高さである。都心部は行政の子育て支援策が手厚く共働き世帯の集積も進む最重要市場であり、同社は園任せにせず本社と各園が密に連携する運営体制を敷く。保育士の採用は内製化により通年で実施し、社宅の提供や海外研修、年間120回以上に及ぶ本社研修など人材への投資を徹底しており、保育士不足で運営に支障をきたす施設は少ないという。第三に、保育を起点とした周辺サービスのシナジー創出力である。行政や保育士への教育サービスを開発・提供する研修会社や フェムケア企業のM&Aを通じて子どもから共働き世帯全体へとサービス対象を広げており、保育所利用者への紹介・送客と各事業からの商品・サービス提供という相互補完の関係を構築している。
直近の業績である2026年7月期第3四半期累計は、売上高13,679百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益995百万円(同7.6%減)で着地した。減収は前期に計上した大型の販売用不動産売却案件(浅草プロジェクト)の反動によるものであり、主力の保育サービスは既存園の在籍率向上、公定価格の上昇による補助金増額、東平園(大阪市中央区、定員76名)の新規開設および晴海園(東京都中央区)の増床が寄与して増収を確保した。営業利益率は前年同期比で7.5%から7.3%へと微減になっているものの、不採算事業の撤退や採用内製化などの合理化により営業利益の通期予算に対する進捗率は101.0%と、第3四半期時点で通期予算をすでに前倒しで達成している。第4四半期に大きなマイナス要因は想定されておらず、昇給や採用コストの増加をこなしながらの着地となる見通しである。通期業績は、売上高17,810百万円(前期比3.1%減)、営業利益986百万円(同13.4%減)を見込んでいる。
中期経営計画では2027年7月期に売上高19,140百万円・営業利益1,208百万円(前期予算比22.5%増)、2028年7月期に売上高20,158百万円・営業利益1,339百万円を計画している。成長ドライバーとしては、2027年4月に認可定員99名の「(仮称)さくらさくみらい グランドシティタワー月島」の開設を予定するほか、 不動産開発第三弾となる白山プロジェクト(共同事業、2026年10月完成予定)が翌期業績に寄与する。また新たな取り組みとして、2025年12月に取得した神奈川県海沿いのホテルをリブランドするホテル再生事業を開始し、2026年7月18日に開業した。同事業は不動産収益源として育成する方針で、成果次第では都心型ホテルへの展開や物件売却も視野に入れる。さらにフェムケアのYELLでは、これまでAmazon中心だった販路の拡大や、葉酸サプリ「ママエール」シリーズの新製品投入を進める。研修サービスやフェムケア・フェムテックサービスを中心に保育周辺サービスの拡充による積み上がりを図っていく。そのほか、保育業界で撤退・再編の動きが出始めるなか、 同社は買い手側として他社園の取得を選択肢の一つとして捉えつつも、保育所不足エリアを結ぶ「親子で乗れる送迎バス」の運行開始など、民間独自の機動力を活かした施策も打ち出すことにより、都心の保育インフラとしての存在感を一段と高める方向にある。
株主還元については、2026年7月期に前期比4円増配となる年間28円(配当性向14.9%)を予定し、5期連続の増配となる見込みである。加えて200株以上の株主に対し年2回・各1万円分のQUOカードを贈呈する株主優待制度を導入しており、配当・優待ともに今後も拡充していく意向がある。さらに、2026年6月には資本効率の向上を目的に上限約3億円(106,700株)の自己株式取得を決議・実施するなど、還元姿勢は着実に強化されている。IR面では、まずは個人投資家への共働き世帯に対する総合ソリューションカンパニーとしての認知拡大を進め、成長の進展にあわせて機関投資家層への訴求も強めていく方針である。
総じて、都心立地の認可保育所という安定的なストック収益を基盤に、不動産ノウハウと周辺サービスを重ね合わせて「共働き世帯の総合ソリューションカンパニー」への進化を進める同社の独自性は際立っている。第3四半期時点で通期利益予算を前倒し達成する好調な業績に加え、新園開設や白山プロジェクト、ホテル再生事業など来期以降の収益貢献が見込まれる案件も控えており、増配・優待・自己株式取得と多面的に強化される株主還元とあわせて、今後の成長と企業価値向上の進展に注目していきたい。
<YS>
さくらさくプラス<7097>は、認可保育所「さくらさくみらい」の運営を中核とする子ども・子育て支援事業を展開している。2025年7月末時点で保育所88施設を運営し、在籍児童数は4,899人にのぼる。運営施設の約9割を東京都内、とりわけ保育需要の高い都心部に集中させている点が特徴である。傘下には保育所運営のさくらさくみらいのほか、保育ICTのみらいパレット、保育士向け研修サービスの保育のデザイン研究所、フェムケア・フェムテック商品を手掛けるYELL、不動産の企画・開発を担うさくらさくパワーズを擁し、保育を起点に共働き家族の「時間」と「QOL」を支える多様なサービスへ事業領域を拡張している。同社は自らを単なる保育事業者ではなく、共働き世帯に対する総合ソリューションカンパニーと位置づけており、保育の現場から得られる知見とリアルな顧客接点を周辺事業の創出につなげる独自のビジネスモデルを構築している
収益の中核は認可保育所運営に伴う行政からの補助金であり、ストック型の安定した収益基盤を形成している。これに加えて、子育て支援住宅「東京こどもすくすく住宅」の開発・売却や中古区分マンションの買取再販といった不動産収益、研修・フェムケア等のサービス収入が上乗せされる構造である。なお、保育所の新規開設・増床時に受け取る開設補助金は営業外収益に計上される。
同社の強みは、第一に、不動産ノウハウを活かした保育所の立地開発力にある。代表取締役社長の中山氏が不動産出身であった知見を活かし、駅から徒歩5~10分圏内という利便性の高い立地に保育所を開発してきた。多くの保育事業者が賃貸物件への入居を基本とするのに対し、後発の同社は不動産の強みを生かし、投資家や不動産所有者に対して投資商品として企画・開発することで立地の良い物件を確保することで、競合の少ない形で施設網を拡大してきた。提携不動産業者からの物件持ち込みルートも確立しており、都心での物件確保という業界共通の制約を優位性へと転換している。第二に、東京都心へのドミナント集中と運営品質の高さである。都心部は行政の子育て支援策が手厚く共働き世帯の集積も進む最重要市場であり、同社は園任せにせず本社と各園が密に連携する運営体制を敷く。保育士の採用は内製化により通年で実施し、社宅の提供や海外研修、年間120回以上に及ぶ本社研修など人材への投資を徹底しており、保育士不足で運営に支障をきたす施設は少ないという。第三に、保育を起点とした周辺サービスのシナジー創出力である。行政や保育士への教育サービスを開発・提供する研修会社や フェムケア企業のM&Aを通じて子どもから共働き世帯全体へとサービス対象を広げており、保育所利用者への紹介・送客と各事業からの商品・サービス提供という相互補完の関係を構築している。
直近の業績である2026年7月期第3四半期累計は、売上高13,679百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益995百万円(同7.6%減)で着地した。減収は前期に計上した大型の販売用不動産売却案件(浅草プロジェクト)の反動によるものであり、主力の保育サービスは既存園の在籍率向上、公定価格の上昇による補助金増額、東平園(大阪市中央区、定員76名)の新規開設および晴海園(東京都中央区)の増床が寄与して増収を確保した。営業利益率は前年同期比で7.5%から7.3%へと微減になっているものの、不採算事業の撤退や採用内製化などの合理化により営業利益の通期予算に対する進捗率は101.0%と、第3四半期時点で通期予算をすでに前倒しで達成している。第4四半期に大きなマイナス要因は想定されておらず、昇給や採用コストの増加をこなしながらの着地となる見通しである。通期業績は、売上高17,810百万円(前期比3.1%減)、営業利益986百万円(同13.4%減)を見込んでいる。
中期経営計画では2027年7月期に売上高19,140百万円・営業利益1,208百万円(前期予算比22.5%増)、2028年7月期に売上高20,158百万円・営業利益1,339百万円を計画している。成長ドライバーとしては、2027年4月に認可定員99名の「(仮称)さくらさくみらい グランドシティタワー月島」の開設を予定するほか、 不動産開発第三弾となる白山プロジェクト(共同事業、2026年10月完成予定)が翌期業績に寄与する。また新たな取り組みとして、2025年12月に取得した神奈川県海沿いのホテルをリブランドするホテル再生事業を開始し、2026年7月18日に開業した。同事業は不動産収益源として育成する方針で、成果次第では都心型ホテルへの展開や物件売却も視野に入れる。さらにフェムケアのYELLでは、これまでAmazon中心だった販路の拡大や、葉酸サプリ「ママエール」シリーズの新製品投入を進める。研修サービスやフェムケア・フェムテックサービスを中心に保育周辺サービスの拡充による積み上がりを図っていく。そのほか、保育業界で撤退・再編の動きが出始めるなか、 同社は買い手側として他社園の取得を選択肢の一つとして捉えつつも、保育所不足エリアを結ぶ「親子で乗れる送迎バス」の運行開始など、民間独自の機動力を活かした施策も打ち出すことにより、都心の保育インフラとしての存在感を一段と高める方向にある。
株主還元については、2026年7月期に前期比4円増配となる年間28円(配当性向14.9%)を予定し、5期連続の増配となる見込みである。加えて200株以上の株主に対し年2回・各1万円分のQUOカードを贈呈する株主優待制度を導入しており、配当・優待ともに今後も拡充していく意向がある。さらに、2026年6月には資本効率の向上を目的に上限約3億円(106,700株)の自己株式取得を決議・実施するなど、還元姿勢は着実に強化されている。IR面では、まずは個人投資家への共働き世帯に対する総合ソリューションカンパニーとしての認知拡大を進め、成長の進展にあわせて機関投資家層への訴求も強めていく方針である。
総じて、都心立地の認可保育所という安定的なストック収益を基盤に、不動産ノウハウと周辺サービスを重ね合わせて「共働き世帯の総合ソリューションカンパニー」への進化を進める同社の独自性は際立っている。第3四半期時点で通期利益予算を前倒し達成する好調な業績に加え、新園開設や白山プロジェクト、ホテル再生事業など来期以降の収益貢献が見込まれる案件も控えており、増配・優待・自己株式取得と多面的に強化される株主還元とあわせて、今後の成長と企業価値向上の進展に注目していきたい。
<YS>


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