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ギークリー Research Memo(4):独自の分業体制で生産性を向上

*11:04JST ギークリー Research Memo(4):独自の分業体制で生産性を向上
■ギークリー<505A>の事業内容

4. 業務オペレーションの分業体制
一般的な人材紹介会社では、求職者を担当するキャリアアドバイザー(CA)と、求人企業を担当するリクルーティングアドバイザー(RA)が中心となって業務を遂行する。これに対し同社は、求職者集客を専門に担うマーケティング部門(MA)を設置し、各機能を3部門で明確に分業している点が特徴である。

MAが集客活動を専門的に担い、CAが求職者支援、RAが求人企業対応に専念することで、それぞれの業務効率と専門性を高めている。さらに、インバウンド・アウトバウンド双方の集客データを分析し、広告宣伝や販売促進施策を継続的に最適化することによって、1件の面談獲得単価(面談CPA)の適正化にも取り組んでいる。

1) マーケティング部門(MA)の役割
MAは、求職者の集客から面談設定までを担当する。インバウンド集客では、Webメディアにおける広告戦略の立案、SEO施策を含む広告運用、自社メディア登録者への面談設定を行う。一方、アウトバウンド集客では、外部媒体である転職プラットフォームを活用し、転職希望者へのスカウトメール送信から面談設定までを担う。また、面談予定者に関する情報をCAへ事前に共有し、認識齟齬や対応漏れの防止に取り組んでいる。その結果、求職者に対して一貫性の高い面談対応を実現している。

2) キャリアアドバイザー(CA)の役割
CAは、求職者との面談を通じて職務経験や保有スキル、希望条件、キャリア志向などを把握し、適切な求人案件を紹介する。求職者の応募意思を確認したうえで求人企業へ推薦を行い、選考対策から条件交渉まで転職活動全般を支援する。

同社の基幹システム「OLG」には、面談で取得した求職者情報を構造化して蓄積する機能に加え、企業ごとに登録された採用要件や過去の成約実績データと照合する独自アルゴリズムが実装されている。これにより、単純なキーワード検索にとどまらず、職種や技術領域・キャリアステージなど複数の要素を総合的に分析した高精度なマッチングを実現している。

3) リクルーティングアドバイザー(RA)の役割
RAは、求人企業の新規開拓及び既存顧客対応を担当する。企業から求人票を取得するとともに、採用背景や組織状況、求める人物像、選考基準などを詳細にヒアリングし、採用要件を整理する。取得した情報はCAへ共有され、求人企業と求職者のマッチング精度向上に活用される。企業の採用ニーズを深く理解したうえで候補者を紹介することで、企業の採用成功を支援する。

以上のように、MA・CA・RAによる分業体制と、独自システムであるOLGの活用によって、高い生産性とマッチング品質を実現している。これらは成約率向上や業務効率化を支える重要な競争優位性となっている。

5. ビジネスモデルと収益構造
同社のビジネスモデルは、求職者が求人企業へ入社した時点で紹介手数料を受領する完全成功報酬型である。求人企業には初期費用が発生せず、採用が成立した場合にのみ手数料が生じるため、導入ハードルが低い。売上高は求職者の入社時点で計上される。

同社は収益成長を「面談CA数」「面談CA1人当たりの生産性」「成約単価」の3つの主要KPI(成長ドライバー)に分解して管理している。面談CA数は、求職者との面談機会を創出する人的リソースの規模を示し、成約機会の総量を左右する。面談CA1人当たりの生産性は、OLGを活用した業務効率化やMA・CA・RAの分業体制によって向上する。成約単価は、求人企業が求職者に提示した想定年収と、同社が求人企業と事前に取り決めた紹介手数料率の掛け合わせで決まるため、対象人材の年収水準や手数料率の変動が売上高にダイレクトに影響を与える構造である。

また、同社は早期離職に備えた返金制度を導入しており、売上計上時には将来発生が見込まれる返金額をあらかじめ控除している。2026年5月期の短期離職率は2.8%と低水準にとどまっており、短期離職率の低さは同社の専門性やマッチング品質の高さを客観的に証明する指標の1つであると考えられる。

具体的実績として、2026年5月期末の面談CA数は112名となり、前期末比31名増加した。第4四半期実績の面談CA1人当たりの生産性は8,846千円となり、前年同期比988千円増加したほか、成約単価は237万円となり、同37万円上昇した。面談CA数の増加に加え、生産性及び成約単価の上昇が、売上高の拡大の原動力となっている。

一方、費用構造を見ると、売上原価はアウトバウンド集客で利用する転職プラットフォームへのサービス利用料で構成されている。販売費及び一般管理費では、人件費、販売促進費、広告宣伝費の構成比が高い。販売促進費は、求職者獲得を目的としたインバウンド集客におけるアフィリエイト・リスティング広告費や、アウトバウンド集客で利用する転職プラットフォームへ支払うスカウトチケット費用が含まれる。これに対し、広告宣伝費は、ブランドイメージの向上や認知拡大を目的としたマーケティング投資として位置付けられている。

なお、「OLG」に係る投資費用は、売上原価ではなく販売費及び一般管理費として計上されている。これは、同システムを求職者及び求人企業データの集約によるマッチング精度向上のみならず、人材紹介事業における効率的なオペレーション基盤構築を担う基幹システムとして位置付けているためである。

以上のとおり、同社は完全成功報酬型の収益モデルを基盤として、「面談CA数の拡大」「面談CA1人当たりの生産性向上」「成約単価の上昇」の3つを通じて売上成長を実現している。さらに、低い短期離職率と専門領域に特化したマッチング品質が、収益の安定性を支える構造となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)



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