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エブレン Research Memo(3):2027年3月期第1四半期は大幅な増収増益で営業利益率が大きく改善

*11:33JST エブレン Research Memo(3):2027年3月期第1四半期は大幅な増収増益で営業利益率が大きく改善
■業績動向

1. 2027年3月期第1四半期の概要
エブレン<6599>の2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の業績は、売上高が前年同期比30.4%増の1,190百万円、営業利益が同91.8%増の213百万円、経常利益が同86.7%増の217百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同79.5%増の136百万円と大幅な増収増益となった。

売上高・利益とも好調で、とりわけ利益は急速な伸びを示したことが注目できる。売上高の拡大は、AIの拡大によって半導体産業が活況となり、半導体製造装置向けを中心に大幅な増加となったことが背景にある。利益面では原材料価格の上昇を上回る勢いで製品価格の値上げが浸透したことが挙げられる。価格転嫁については顧客の承認等に一定期間要していた同社だが、昨今の原材料価格の急騰によって値上げ要求が通りやすくなったようだ。これらを背景に、営業利益率は17.9%(前年同期は12.2%)と大きく改善した。

売上高を5つの応用分野別に見ると、主力の計測・制御は、売上高が前年同期比56.8%増の818百万円となった。半導体製造装置の在庫調整が一巡する一方で、AIサーバー向け先端ロジックやHBM(High Bandwidth Memory)向けの投資が大幅に増加したことが背景にある。世界的なAIの急拡大の流れが、同社にも波及した格好だ。交通関連は、売上高は同28.6%減の148百万円となった。鉄道信号関連の一部既存案件が終了したことが影響した。電子応用は、医療関連で顧客の在庫調整が一巡したことにより同30.3%増の101百万円と回復に転じた。防衛・その他は、売上高が同2.6%増の65百万円と増収となり、この分野の好調が続いている。

一方、通信・放送・電力部門は、引き続き通信と放送が先細り傾向にあることに変わりがないものの、AI投資の活発化でデータセンター需要が広がり、それに伴う電力需要が増大、電力関連の新規案件は量産が進行中だ。同部門の売上高は同36.9%増の57百万円となった。同社では、同部門を将来的な見通しが明るくないと想定していたが、今後は電力向けを中心に回復が見える状況となっている。

財務面では、資産合計は前期末比357百万円増の6,726百万円となった。負債合計は同278百万円増の1,543百万円と流動負債の増加が目立つ。これは主に、半導体製造装置関連の需要急拡大に伴う仕入や営業取引が活発化し、買掛金や電子記録債務などの増加につながったことによる。純資産は同78百万円増の5,182百万円となり、以上の結果から自己資本比率は77.1%となった(前期末は80.1%)。財務状況は健全と言える。


2027年3月期は、おおむね2ケタの増収増益を見込む
2. 2027年3月期の見通し
2027年3月期の業績は、売上高で前期比10.2%増の4,400百万円、営業利益で同16.9%増の620百万円、経常利益で同12.6%増の620百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同9.8%増の400百万円と、増収増益を見込んでいる。第1四半期決算発表時点では期初予想を据え置いたが、進捗率などを考慮すると保守的な数値と言えよう。

主力の計測・制御で半導体業界の活況が反映された格好だが、その背景にあるAIの進展により電力関連ビジネスにも影響が及び、放送・通信分野の不調を補っている。さらに利益面では、値上げが浸透していることにより総じて営業利益率が向上し、営業利益率は前期の13.3%から2027年3月期は14.1%への上昇が見込まれている。

分野別では、主力の計測・制御はAI向けなど先端分野への投資が引き続き旺盛な一方で、汎用製品を中心に各社が進めていた在庫調整が解消、全体として上向きが期待できる。半導体製造装置用途の新型加熱ユニットの納入も寄与し、計測・制御関係の売上高は前期比25.8%増を見込む。

交通関連は、鉄道案件・信号案件ともに設置が完了、全体的に生産が終息する案件が増加しているほか、前期末に前倒しで納入した影響もあり、前期比で21.0%減少を見込んでいる。中休み状態となっており、今後の巻き返しが期待される。電子応用に関しては、医療機器の中国生産品の生産が減少するほか、電子顕微鏡の案件が終息した。しかしながら、顧客の生産調整が終了して受注は回復傾向を示しており、前期比で1.2%減にとどまる見通しだ。

防衛・その他は案件が増加しており、好調を予想している。一方、通信・放送・電力は部門として従来機種の量産終了後に柱となる案件が見当たらないものの、電力関係が急増することで、不振分野から収益への貢献分野へと一変した。地方電力会社から新規案件を獲得するなど、着実な成長が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)



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