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アンジェス Research Memo(9):2026年12月期中間期は研究開発費増加で営業損失が拡大

*13:39JST アンジェス Research Memo(9):2026年12月期中間期は研究開発費増加で営業損失が拡大
■業績動向

1. 2026年12月期中間期の業績概要
アンジェス<4563>の2026年12月期中間期の業績は事業収益で502百万円(前年同期比87百万円増)、営業損失で3,236百万円(同835百万円増)、経常損失で2,560百万円(同1,338百万円減)、親会社株主に帰属する中間純損失で2,714百万円(同1,251百万円減)となった。

事業収益のうち、商品売上高は早老症治療薬「ゾキンヴィ」の投与患者数が増加したことにより前年同期比89百万円増加の232百万円となった。一方、検査受託サービスにおける手数料収入は受託件数が伸び悩んだことで同1百万円減少の270百万円にとどまった。

事業費用は同923百万円増加の3,738百万円となった。販管費は弁護士等専門家及びコンサルタントへの報酬減に伴う支払手数料の減少等により同199百万円減少したものの、研究開発費が同1,112百万円増加した。HGF遺伝子治療用製品の製造試験に関わる費用の増加により外注費が643百万円増加したほか、FDAへの申請に関わる業務委託料の増加等により支払手数料が374百万円増加した。

HGF遺伝子治療用製品関連の研究開発費増加が営業損失の拡大要因となったが、主にEmendoBioへの米ドル建て貸付金(約1億米ドル)の中間期末の評価替え※を行った結果、営業外で為替差益682百万円が発生し(前年同期は1,491百万円の為替差損を計上)、経常損失の縮小要因となった。

※ 2025年12月末の為替レート156円/米ドルに対して2026年6月末は162円/米ドルで評価。


2026年12月期の営業損失額は期初予想から縮小する可能性も
2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の事業収益は1,330百万円(前期比456百万円増)、営業損失は10,230百万円(同5,085百万円増)、経常損失は10,240百万円(同4,952百万円増)、親会社株主に帰属する当期純損失は10,250百万円(同5,127百万円増)と期初予想を据え置いた。

事業収益は、「ゾキンヴィ」の売上が投与患者数の増加により拡大するほか、Anoccaの開発パイプラインが臨床試験入りすることによるマイルストーン収入の計上が主な増収要因となる。拡大新生児スクリーニング検査の手数料収入については、能力面の制約により微増にとどまる見通しである。

一方、費用については販管費が前期並みの水準となるものの、HGF遺伝子治療用製品の原薬製造費用や米国での申請準備費用を中心に研究開発費が55億円程度増加する見込みであり、損失拡大要因となる。ただし、資金面で厳しい状況にあることから、HGF遺伝子治療用製品に関する費用以外は極力抑制する方針としており、営業損失額は予想を下回る可能性もある。また、HGF遺伝子治療用製品のライセンス契約一時金は予想に織り込んでいないため、仮に契約が締結された場合には相応の上方修正が期待できることになる。


当面の事業活動資金はエクイティファイナンス等で賄う方針
3. 財務状況と資金調達計画
(1) 財務状況
2026年12月期中間期末の財務状況は、資産合計が前期末比1,745百万円減少の3,660百万円となった。流動資産では、事業費用の支払いにより現金及び預金が1,600百万円減少の281百万円となったほか、未収消費税等が104百万円減少した。固定資産では、有形固定資産が17百万円減少し、投資その他の資産が39百万円増加した。

負債合計は前期末比1,124百万円増加の3,454百万円となった。未払法人税等が283百万円減少した一方で、HGF遺伝子治療用製品の製造試験に関わる費用の増加等により買掛金が413百万円増加したほか、米国FDAへの申請に関わる業務委託料の増加により、未払金が315百万円増加した。また、社債の発行により有利子負債が621百万円となった。純資産合計は同2,870百万円減少の205百万円となった。新株予約権の行使により、資本金及び資本剰余金が各270百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する中間純損失の計上により利益剰余金が2,714百万円減少したほか、為替換算調整勘定が684百万円減少した。

(2) 資金調達計画
同社は当面の事業活動資金を手当てするため、2026年8月14日付で、グロースパートナーズが運営するGP上場企業出資投資事業有限責任組合を割当予定先とする第2回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第47回新株予約権(行使価額修正条項付)、第48回新株予約権の発行、並びにグロースパートナーズとの事業提携契約の締結を発表した。いずれも8月31日払込みが完了し、新株予約権付社債で20億円を調達し(利率0.75%、転換価額は43.5円で固定)、9月以降は新株予約権の行使で随時資金を調達する計画である。第47回新株予約権は当初行使価額50円(下限行使価額25円)、第48回新株予約権は行使価額が43.5円で固定されている。潜在株式数は合計で182,976千株となり、希薄化率は45.88%※となる。

※ 2026年6月末の発行済株式数398,835千株を分母とする。

新株予約権について当初行使価額ですべて行使された場合、新株予約権付社債20億円と合わせた払込金額の総額は8,500百万円、発行諸費用を差し引いた手取概算額は8,196百万円となる。同計画の発表以降、株価は39円(2026年8月24日終値)まで下落しており、資金調達が想定どおり進まない可能性もある。ただ、同社は第48回新株予約権行使後も、新たな資金調達を行うことで、事業活動資金を賄う方針である。弊社では、HGF遺伝子治療用製品のライセンス契約交渉がまとまれば株価上昇の契機となり、現在の厳しい状況から脱するものと考えている。2026年内に同契約の前段階となるLOI等の契約締結が発表されるかどうか、注目される。

なお、グロースパートナーズとの事業提携は、グロースパートナーズが有するネットワーク及び知見を活用し、事業提携、資本政策及び事業開発等の面で協力を得ることで、事業基盤の強化及び企業価値の向上をねらいとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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