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アーバネット Research Memo(5):2026年6月期は予想を上回る増収増益。開発物件の積み上げでも大きな成果

*12:45JST アーバネット Research Memo(5):2026年6月期は予想を上回る増収増益。開発物件の積み上げでも大きな成果
■業績動向

2. 2026年6月期の業績概要
アーバネットコーポレーション<3242>の2026年6月期の連結業績は、売上高は前期比16.1%増の39,394百万円、営業利益は同19.1%増の4,147百万円、経常利益は同12.5%増の3,135百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同15.1%増の2,129百万円と予想を上回る増収増益となり、過去最高業績を3期連続で更新した。また、営業利益は中期経営計画2年目(2027年6月期)の目標を1年前倒しで達成した。

「不動産事業」は、主力の都市型賃貸マンションをはじめ、すべての商品(アパート、タウンハウス、戸建等)が増収となった。国内経済が緩やかにインフレに向かうなか、インフレに強い資産である不動産への底堅い需要やケーナインとのシナジー創出が業績の伸びをけん引しており、とりわけ都心部の優良物件に対する引き合いは堅調のようだ。都市型賃貸マンションは12棟541戸を主に国内ファンドへ販売した。また、前期より連結化したケーナインについては、アパート2棟17戸、タウンハウス18戸、戸建17戸を販売したほか、用地売却※が大きく伸びたことで予想を上回る着地となった。一方、「ホテル事業」については、「ホテルアジール東京蒲田」の稼働率と客室単価が堅調に推移し、売上高は横ばいを確保した。

※ 権利調整や整地等による土地のバリューアップ販売などによるもの。

利益面でも、建築費の高騰や人的資本投資(給与水準の引き上げ等)、ホテル事業での修繕費などがコスト要因となったものの、増収による収益の押し上げに加え、収益性の高い物件(都市型賃貸マンション)の寄与などにより大幅な増益となった。営業利益率も10.5%と2ケタ水準を確保した。

財政状態については、順調な用地取得やプロジェクト進行により棚卸資産が大きく増加し、資産合計は前期末比26.8%増の79,050百万円に拡大した。一方、自己資本も内部留保の積み増しや新株予約権の行使に伴う資本増強により同12.4%増の19,496百万円に増加し、自己資本比率は24.7%(前期末は27.8%)を確保した。有利子負債残高(リース債務を除く)は長短合わせて前期末比31.7%増の54,750百万円に拡大したものの、短期の支払い能力を示す流動比率は521.5%、有利子負債全体に占める長期有利子負債の比率は83.2%と高い水準にあり、財務の安全性に懸念はない。

キャッシュ・フローの状況についても、営業キャッシュ・フローが順調な棚卸資産の積み上げに伴いマイナスとなったほか、投資キャッシュ・フローも有形固定資産の増加や子会社株式の取得※等によりマイナスとなった。一方、財務キャッシュ・フローはプロジェクト資金の調達及びシンジケートローン契約締結に基づく長期借入金、新株予約権の行使に伴う資本増強等によりプラスを確保し、それらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は前期末比1.7%増の11,587百万円に増加した。

※ ケーナイン株式取得に係る追加支払い分(アーンアウト条項に基づくもの)。

3. パイプラインの状況
順調な用地取得に伴い、2026年6月末のパイプライン(都市型賃貸マンション)は2027年6月期の販売予定分を含めて約2,300戸を超える水準を確保しているようだ(弊社推定)。厳しい仕入環境が続くなか、ここ数年取り組んできた人財育成が軌道に乗ったことやケーナインとのシナジー(用地情報の共有等)が、この成果につながっている。また、都市型賃貸マンション以外でも、「赤坂プロジェクト」(ホテル開発)や「旧軽井沢愛宕山プロジェクト」(富裕層向けタイムシェア別荘)といったプロジェクトが進行中である。さらに、ケーナインが展開するタウンハウスや戸建及びアパートの開発用地もシナジー(同社信用力を後ろ盾とする資金調達力の向上)等により順調に取得できている。

4. 2026年6月期の総括
2026年6月期を総括すると、予想を上回る増収増益となった業績面はもちろん、2027年6月期以降の事業拡大に向けたパイプラインの積み上げやケーナインによるBtoC事業の拡大、新規事業の進捗(ホテル・高齢者施設開発や富裕層向け開発事業等)などでも大きな成果を上げることができた。したがって、中期経営計画の初年度として、上々のスタートを切ったと評価しても良いであろう。特に三井不動産投資顧問とのパイプライン・サポート基本協定※を筆頭に、複数の大手AM(アセットマネジメント)会社との継続的な取引関係を構築したところは、同社開発物件に対するクオリティ評価の高さを実証するものとして注目に値する。また、与信面でのシナジーが発揮され、順調に事業が拡大しているケーナインについても、新たな成長の軸(事業の幅の広がり)として軌道に乗ってきた。

※ 同社の開発した「アジールコート」シリーズは、三井不動産投資顧問の運用する私募ファンドにおいて既に運用されており、安定的なリターンを求める投資家から高い評価を得ている。本協定(2025年7月締結)により、同社開発の都市型賃貸マンションを三井不動産投資顧問が組成または運用するファンドに対して年間一定数を優先的に供給することになった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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