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KaizenPF Research Memo(4):AIインテグレーターとして企業に伴走する「顧客体験DX」を提供(2)

*11:04JST KaizenPF Research Memo(4):AIインテグレーターとして企業に伴走する「顧客体験DX」を提供(2)
■Kaizen Platform<4170>の事業概要

2. 生成AIを活用したセミオーダー型UXアプリ群「Magical UX」
同社は昨今のデジタル接点における顧客体験の高度化ニーズの高まりを背景に、生成AIを活用して顧客企業のUXを高度化するセミオーダー型UXアプリ群「Magical UX」を戦略コンセプトとして掲げている。「Magical UX」は、AIエージェントによるフォームアシスト、多言語対応、スマート検索、音声予約など成果に直結するUX機能を、顧客企業ごとのニーズやKPIに応じて最適な形でカスタマイズ開発して提供する。従来の個別領域ごとのKPI改善にとどまらず、顧客体験と業務プロセスを横断的に再設計することにより、企業収益の最大化を目指す枠組みである。

同社はこの戦略に先立ち、生成AIを活用した新サービスの開発を段階的に進めてきた。2024年3月に生成AIを活用したUX改善メニュー「Kaizen AI-UX」の提供を開始した。2025年1月には生成AI活用専門チーム「KAIZEN AI STUDIO」を設立し、同年2月には課題の発見から解決プランの検証までをワンストップで支援する生成AIワークショップ&プロトタイプ開発パッケージの提供を開始した。またUX改善の技術基盤である「Kaizen Engine」についても継続的なアップデートを実施している。

2025年4月には、新たな成長戦略の一環として従来の個別ソリューション群(UX・CRM・集客・コンサル・開発/SES等)を再編し、生成AI主導のサービスラインナップへ全面的に刷新した。また、従来のプロジェクトごとの月額定額契約に加え、フォーム改善やLINEを活用したCRM施策など成果が比較的安定的に見込める領域において、初期投資リスクを抑えながらROI向上を目指す成果報酬型プランの提供を開始した。

「Magical UX」の各機能は、顧客企業ごとにカスタマイズされたPaaS/API基盤のマネージドクラウド「Kaizen Cloud Service」で実装する。同サービスは、タグを挿入するだけで既存システムと接続する技術基盤「Kaizen Engine」と、最新の生成AI群を統合管理する「Kaizen AI Cloud」で構成される。これにより、レガシーシステムである既存システムを大規模改修することなく、タグ1つで「Magical UX」の各機能を実装できる。また、専門家集団による伴走支援サービス「Professional Solution」として、コンサルティング、開発/SES、クリエイティブ制作、マーケティング支援までを一貫して提供する体制を構築している。AI技術と専門人材を組み合わせることで、単なるツール導入にとどまらないトータルなDX支援を実現するモデルとなっている。

生成AIを活用したUXアプリ群の具体例として、2025年6月にフォーム入力支援AIエージェント「Kaizen Conversion Agent」、及びパーソナライズAIエージェント「Kaizen Personalize Agent」の提供を開始した。「Kaizen Conversion Agent」は名刺・履歴書・車検証などの画像、PDF、URLを生成AIが解析し、入力フォームへの自動転記を行うことでユーザーの入力負担軽減を図る。「Kaizen Personalize Agent」はユーザーの検索条件を保存し、データベース更新を検知して最適なタイミングでLINEへ通知することで、個人に最適化された情報提供を可能にする。同年12月には人材紹介サービス「Kaizen AIX Agent」の提供を開始した。企業の生成AI活用を推進するハイクラス人材の紹介を通じて戦略立案から実行までの体制構築を支援するものであり、プロダクト提供を補完する人的側面からのAI変革支援と位置付けられる。

2026年7月には、Chrome拡張基盤「KAIZEN ENGINE for Extension」、UXと業務のデータをAIが扱える形に統合する「Kaizen AI Cloud」、及び「Kaizen Insight Agent」の提供を開始した。「KAIZEN ENGINE for Extension」は、業務システムやSaaSにはタグを入れられないという構造的な制約を乗り越えるため、WebサイトのUX改善で1,500社以上を支援した実績を持つ技術基盤「Kaizen Engine」の思想をEX改善へ拡張したサービスである。改修の難しい基幹システムやSaaSなど既存システムに一切手を入れることなく、従業員が日常的に使うChromeブラウザにAIを外付けする形で、業務画面上で利用できる。「Kaizen AI Cloud」はUXとEXのデータをAIが扱える形に統合するデータ・アプリケーション基盤で、「Kaizen Insight Agent」は「Kaizen AI Cloud」の上で稼働し、データ分析や施策提案を行うための様々なスキル群を呼び出す自動抽出AIエージェントである。

将来的にはこれらのアプリ群を既存の「Kaizen Engine」と連携させ、自律型のUX改善ワークフローの実現を目指す。2026年2月にはエン<4849>が運営する「ミドルの転職」において「Kaizen Conversion Agent」を活用した実証実験を開始し、Web履歴書登録体験の向上を図っている。また同年3月には野村不動産ソリューションズ(株)と、不動産情報サイト「ノムコム」に「Kaizen Personalize Agent」を導入し、UXの革新とLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)の最大化を目指す共同プロジェクトを開始した。Webサイト上の行動データとLINEを通じたコミュニケーションをAIが統合・解析し、一人ひとりの検討フェーズにあわせた最適な物件提案を行うことで重要KPIの改善を目指す。

なお同年4月には、同社が東急不動産(株)、東急リゾーツ&ステイ(株)、(株)POCKET RDと共同開発した、NFTを活用した宿泊権利プラットフォーム「東急ステイ公式宿泊権リセールサービス」が、(一社)日本Web3ツーリズム協会主催の「Japan Tourism NFT Awards 2025」オープンカテゴリー部門においてグランプリを受賞した。宿泊施設のキャンセル問題や需給ミスマッチという業界課題の解決につながる新たな宿泊流通モデルとして評価された。同社は本サービスのUX設計及びDX推進支援を担い、ブロックチェーン技術を意識させないシームレスな利用体験の実現に貢献した。

以上のように「Magical UX」は、生成AIを活用したUXアプリ群の総称であると同時に、クラウド基盤と専門人材の伴走支援を組み合わせることで、既存システムを大規模改修することなく、継続的なUX改善を可能にする統合モデルである。同社における生成AI戦略の中核を担うとともに、クラウド収益拡大と高付加価値化を支える成長ドライバーとして位置付けられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)



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