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KaizenPF Research Memo(7):生成AI活用とクラウド収益拡大で収益性の高い事業構造を目指す
2026/09/28 11:07
*11:07JST KaizenPF Research Memo(7):生成AI活用とクラウド収益拡大で収益性の高い事業構造を目指す
■Kaizen Platform<4170>の成長戦略
1. 成長戦略
IT領域における投資は基盤となるハードウェア投資が先行し、その後の時間の経過とともにユースケースを担うソフトウェアやサービス市場が本格的に立ち上がるという構造を辿るのが一般的である。このような市場動向を背景に、同社は生成AIを活用して顧客企業の課題を解決するAIインテグレーターとしての成長を目指している。
製品・サービス戦略としては、セミオーダー型UXアプリ群「Magical UX」を戦略コンセプトに据え、生成AIを活用したクラウドソリューションを強化している。具体的には、フォーム入力支援AIエージェント「Kaizen Conversion Agent」、パーソナライズAIエージェント「Kaizen Personalize Agent」、人材紹介サービス「Kaizen AIX Agent」、Chrome拡張基盤「KAIZEN ENGINE for Extension」、UXと業務のデータをAIが扱える形に統合する「Kaizen AI Cloud」及び「Kaizen Insight Agent」といった新サービスを相次いでリリースし、生成AIを活用したサービスラインナップを拡充している。
営業戦略は、大手企業へのクロスセル・アップセルによってリカーリング売上拡大とARPU向上を図ることを基本として、DXソリューション関連市場の中でも特に非対面ニーズが高く、成長性も高いマーケティング・カスタマーサービス分野の大手企業(特に保険・不動産・人材業界)をコアターゲットに、生成AIをカスタマージャーニーや業務フローに組み込むドミナント戦略を推進する。そして利益率の高いクラウド収益の拡大、さらにクラウド収益の売上構成比を高めることで、収益の安定性と利益率の向上を実現し、より収益性の高い事業構造への転換を目指す。
中長期成長に向けて、人とAIによるカイゼンの循環による価値創造サイクルであるAIXの実現を目指している。同社は技術基盤「Kaizen Engine」をベースに、既にUX・DX改善で1,500社以上を支援した実績を持ち、さらに5,000サイト超の蓄積された改善施策データや、学習資産としての10年分の勝敗記録(施策と効果の記録)を保有している。こうしたデータ・保有資産を活用しながら、1)施策を実行する、2)効果を測定する、3)AIが分析して型を作る、4)型を埋め込み皆へ展開する、という人とAIの「カイゼン」の循環による価値創造サイクルを実現し、顧客事業の強みを拡大再生産する仕組みを提供することを、同社は強みとして再定義している。2026年1月には子会社Kaizen AIX Consultingを設立(2026年7月より事業を本格開始)した。AIXに向けた戦略策定支援及びAIXを具体的に動かす3つの実行支援(AI人材開発、AIオペレーション開発、AI商品開発)を伴走型で提供する。また、これに先駆けて2025年12月には経営へのAI実装手順を網羅した「AIドリブン経営白書2026」を無償公開し、専門性の高い知見を提示することで市場でのプレゼンス向上を図っている。
2. 弊社の視点
同社は、生成AIを活用した「Magical UX」や、パートナーネットワークを軸とした独自のビジネスモデルを展開しており、その市場競争力は高いと見られる。直近の業績推移を概観すると、2025年12月期は2020年12月期以来となる各段階利益での黒字化を達成し、2026年12月期も黒字定着が見込まれる状況にある。これは、同社が継続してきた大手企業へのフォーカス及びクロスセルやアップセルによるARPU向上追求が、着実な成果を挙げてきた結果と弊社では捉えている。現在は新たな成長戦略として生成AIを活用したソリューション提供を強化している。現時点での利益水準そのものは低いものの、構造的な業績低迷期を脱したと言える。今後はプロフェッショナルサービスの収益性向上が課題となるが、利益率の高いクラウドサービスの成長がけん引する形で新たな成長ステージに向かう可能性に注目したい。
■株主還元策
当面は内部留保の充実を図る
株主還元については、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の1つとして位置付けているが、創業して間もないことから、財務体質強化や事業拡大のための内部留保の充実等を図り、事業拡大のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため創業以来配当は実施しておらず、今後も当面の間は内部留保の充実を図る方針である。また、将来的には株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針だが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定としている。
■サステナビリティ経営
アクセシビリティ向上を支援し「誰一人取り残さないウェブ」へ
同社はサステナビリティ経営について現時点ではマテリアリティを公表していないものの、DX支援事業を通じてペーパーレス推進やCO2削減といった社会課題の解決に貢献する方針を掲げている。特に事業展開においては、昨今重要性を増しているアクセシビリティ(accessibility=利用しやすさ)向上推進を重視している。デジタル庁が掲げる「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」やSDGsの流れを受け、これまで国や自治体のみに義務付けられていたWebサイトなどのアクセシビリティへの合理的配慮が、2021年6月の障害者差別解消法改正によって、民間事業者にも義務付けられた(2024年4月施行)。しかし、DX対応と同様に多くの企業にとってリソースの壁(ノウハウや人材の不足)が課題となっていた。
これに対して同社は、2022年1月にアクセシビリティに関して豊富なノウハウを持つ子会社ディーゼロとともに、専門エンジニアやWebサイト改善の専門家をグループ内に持つ強みを生かし、課題の抽出からレポートによる診断、必要に応じた改修までトータルに支援するサービスの提供を開始した。2024年5月にはディーゼロが制作現場の底上げを目指して制作者のためのコーディングガイドラインを公開したほか、2025年1月には東証プライム市場の英文開示義務化に先駆けて、同社のUX・AI技術とディーゼロのIRサイト支援ノウハウを組み合わせたグローバル化を支援するパッケージの提供を開始した。同社は、Web制作に携わるすべての制作者が利用できる環境やツールを順次提供していくことで、「誰一人取り残さないウェブ」の実現を支援する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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■Kaizen Platform<4170>の成長戦略
1. 成長戦略
IT領域における投資は基盤となるハードウェア投資が先行し、その後の時間の経過とともにユースケースを担うソフトウェアやサービス市場が本格的に立ち上がるという構造を辿るのが一般的である。このような市場動向を背景に、同社は生成AIを活用して顧客企業の課題を解決するAIインテグレーターとしての成長を目指している。
製品・サービス戦略としては、セミオーダー型UXアプリ群「Magical UX」を戦略コンセプトに据え、生成AIを活用したクラウドソリューションを強化している。具体的には、フォーム入力支援AIエージェント「Kaizen Conversion Agent」、パーソナライズAIエージェント「Kaizen Personalize Agent」、人材紹介サービス「Kaizen AIX Agent」、Chrome拡張基盤「KAIZEN ENGINE for Extension」、UXと業務のデータをAIが扱える形に統合する「Kaizen AI Cloud」及び「Kaizen Insight Agent」といった新サービスを相次いでリリースし、生成AIを活用したサービスラインナップを拡充している。
営業戦略は、大手企業へのクロスセル・アップセルによってリカーリング売上拡大とARPU向上を図ることを基本として、DXソリューション関連市場の中でも特に非対面ニーズが高く、成長性も高いマーケティング・カスタマーサービス分野の大手企業(特に保険・不動産・人材業界)をコアターゲットに、生成AIをカスタマージャーニーや業務フローに組み込むドミナント戦略を推進する。そして利益率の高いクラウド収益の拡大、さらにクラウド収益の売上構成比を高めることで、収益の安定性と利益率の向上を実現し、より収益性の高い事業構造への転換を目指す。
中長期成長に向けて、人とAIによるカイゼンの循環による価値創造サイクルであるAIXの実現を目指している。同社は技術基盤「Kaizen Engine」をベースに、既にUX・DX改善で1,500社以上を支援した実績を持ち、さらに5,000サイト超の蓄積された改善施策データや、学習資産としての10年分の勝敗記録(施策と効果の記録)を保有している。こうしたデータ・保有資産を活用しながら、1)施策を実行する、2)効果を測定する、3)AIが分析して型を作る、4)型を埋め込み皆へ展開する、という人とAIの「カイゼン」の循環による価値創造サイクルを実現し、顧客事業の強みを拡大再生産する仕組みを提供することを、同社は強みとして再定義している。2026年1月には子会社Kaizen AIX Consultingを設立(2026年7月より事業を本格開始)した。AIXに向けた戦略策定支援及びAIXを具体的に動かす3つの実行支援(AI人材開発、AIオペレーション開発、AI商品開発)を伴走型で提供する。また、これに先駆けて2025年12月には経営へのAI実装手順を網羅した「AIドリブン経営白書2026」を無償公開し、専門性の高い知見を提示することで市場でのプレゼンス向上を図っている。
2. 弊社の視点
同社は、生成AIを活用した「Magical UX」や、パートナーネットワークを軸とした独自のビジネスモデルを展開しており、その市場競争力は高いと見られる。直近の業績推移を概観すると、2025年12月期は2020年12月期以来となる各段階利益での黒字化を達成し、2026年12月期も黒字定着が見込まれる状況にある。これは、同社が継続してきた大手企業へのフォーカス及びクロスセルやアップセルによるARPU向上追求が、着実な成果を挙げてきた結果と弊社では捉えている。現在は新たな成長戦略として生成AIを活用したソリューション提供を強化している。現時点での利益水準そのものは低いものの、構造的な業績低迷期を脱したと言える。今後はプロフェッショナルサービスの収益性向上が課題となるが、利益率の高いクラウドサービスの成長がけん引する形で新たな成長ステージに向かう可能性に注目したい。
■株主還元策
当面は内部留保の充実を図る
株主還元については、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の1つとして位置付けているが、創業して間もないことから、財務体質強化や事業拡大のための内部留保の充実等を図り、事業拡大のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため創業以来配当は実施しておらず、今後も当面の間は内部留保の充実を図る方針である。また、将来的には株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針だが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定としている。
■サステナビリティ経営
アクセシビリティ向上を支援し「誰一人取り残さないウェブ」へ
同社はサステナビリティ経営について現時点ではマテリアリティを公表していないものの、DX支援事業を通じてペーパーレス推進やCO2削減といった社会課題の解決に貢献する方針を掲げている。特に事業展開においては、昨今重要性を増しているアクセシビリティ(accessibility=利用しやすさ)向上推進を重視している。デジタル庁が掲げる「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」やSDGsの流れを受け、これまで国や自治体のみに義務付けられていたWebサイトなどのアクセシビリティへの合理的配慮が、2021年6月の障害者差別解消法改正によって、民間事業者にも義務付けられた(2024年4月施行)。しかし、DX対応と同様に多くの企業にとってリソースの壁(ノウハウや人材の不足)が課題となっていた。
これに対して同社は、2022年1月にアクセシビリティに関して豊富なノウハウを持つ子会社ディーゼロとともに、専門エンジニアやWebサイト改善の専門家をグループ内に持つ強みを生かし、課題の抽出からレポートによる診断、必要に応じた改修までトータルに支援するサービスの提供を開始した。2024年5月にはディーゼロが制作現場の底上げを目指して制作者のためのコーディングガイドラインを公開したほか、2025年1月には東証プライム市場の英文開示義務化に先駆けて、同社のUX・AI技術とディーゼロのIRサイト支援ノウハウを組み合わせたグローバル化を支援するパッケージの提供を開始した。同社は、Web制作に携わるすべての制作者が利用できる環境やツールを順次提供していくことで、「誰一人取り残さないウェブ」の実現を支援する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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