フィスコニュース
チャットプラス:チャットボットシステム提供、AIエージェント×AXソリューションで第二の成長へ
2026/09/28 13:34
*13:34JST チャットプラス:チャットボットシステム提供、AIエージェント×AXソリューションで第二の成長へ
チャットプラス<598A>は、チャットボットシステム「ChatPlus」を中心に、AIエージェント構築サービス「AI AgentPlus」、FAQシステム「FAQPlus」等を開発・提供する企業である。2016年8月の設立以来、チャットボット業界の黎明期から事業を展開し、2026年7月に東証グロース市場へ上場した。累計導入件数は2万件を超え、2026年6月末時点の有料アカウント数は2,220件、業種・業態・規模を問わない導入実績を持つ。法人向けソフトウェアのレビューサイトITreviewでは「Grid Award」のWeb接客・ヘルプデスク・チャットボット・Webチャットの各ツール部門で28期連続の「Leader」を受賞するなど、ユーザー評価も高い。特筆すべきはその生産性で、従業員22名(営業13名・開発7名・管理2名)で売上高12.2億円・営業利益5.2億円を稼ぎ出し、売上高営業利益率は43.4%、ストック収入の割合90%超え、ROEは59.2%に達する。同社が属する自動対話システム市場(テキスト型)は182億円から508億円へ年率18.6%での拡大が見込まれており、成長市場で独自の地位を築いている。
同社の強みは、第一に、創業10年で培った複雑な会話フローの設計力である。生成AIの登場以前からルールベースの条件分岐で訪問者を回答までガイドする機能を磨き込んでおり、生成AI・有人チャット・シナリオを条件によって切り分けるハイブリッド運用ができる点は、生成AIで簡単に作れる汎用チャットボットとの決定的な差になっている。AIエージェントに性格やナレッジを付与し、条件に応じて100体のAIエージェントを切り分けて応答させるなど、BtoCの社外問い合わせ対応で「わかりやすく寄り添う」応対を作り込める点も独自性が高い。本人確認を挟む複雑な業務フローを何十万件と自動処理する実績もあるという。第二に、少人数×高収益の事業構造である。問い合わせ起点の受注が多く営業の手離れが良いうえ、自社でもAI・SaaS・業務自動化を徹底活用しており、この「少人数でも高い成果を生む業務設計」のノウハウ自体が商品価値を持つ。第三に、ストック型の収益基盤である。ARRは12.1億円(前期比12.7%増)と拡大を続け、各サービスの解約率も低位で安定。低価格プランのアカウント減少を高価格プランやAI AgentPlus(ARPA約253万円/年)、FAQPlusの増加で補い、顧客数よりも単価上昇でARRを伸ばす構造への転換が進んでいる。料金水準はChatPlusのARPA約32万円/年に対し、AI AgentPlusは約253万円/年、AI AgentPlus Proは300万円/年と一桁上のアップセル階段が設計されており、既存の約2,000アカウントが移行候補のプールとなる。
直近の業績を確認すると、2026年6月期は売上高1,221百万円(前期比19.5%増)、営業利益529百万円(同43.4%増)で着地し、営業利益率は前期比7.2pt上昇の43.4%となった。続く2027年6月期は、売上高1,369百万円(前期比12.1%増)、営業利益556百万円(同5.0%増)、経常利益556百万円(同5.9%増)、当期純利益359百万円(同3.6%増)を計画する。増益率が鈍化する計画となっているのは、「AI AgentPlus Pro」の拡販、AI・AXソリューションの強化、カスタマーサクセス体制の強化など、成長加速に向けた体制整備を優先するためであり、利用が定着しないまま解約に至る顧客を減らすカスタマーサクセスへの投資は、ストック収益の質を高める布石といえる。実際、解約の主因は顧客企業の担当者の退職による放置や活用の停滞であり、大企業では自社開発への切り替えもあるが、社内規定・文書のAI活用など社内利用の需要は根強く、定着支援の強化が解約抑制と単価向上の両面に効く構図である。
将来戦略の軸は、AIエージェント領域の深耕である。2026年8月にローンチした「AI AgentPlus Pro」(想定ARPA300万円/年)は、AIエージェントによる応答にとどまらず、CRM更新・通知・メール送信等の業務処理の実行まで自動化する統合型基盤で、ノーコードでSalesforce等の外部システムと連携できる。会話フローに業務フローを組み合わせて構築できるサービスへの進化であり、エンタープライズに限らず幅広い企業へ個別開発ニーズを取り込む。さらに8月26日には、企業の業務分析からAIエージェントの設計・構築・既存システム連携・導入後改善までを一気通貫で支援する「AXソリューション」の提供を開始した。ゼロからの個別開発ではなく「AI AgentPlus Pro」を基盤に使うことで低コスト・短期間の導入を可能にするもので、既に10~20社との商談が始まっており手応えは強いという。Microsoft等の大手参入や生成AIの進化については、脅威ではなく利用できる機能の広がりと捉えており、どのAIをどう組み合わせ、業務に合わせて調整するかにこそ同社の付加価値があるとの認識である。
株主還元については、2026年6月期の年間3円に対し、2027年6月期は9円への大幅増配を予定する(予想配当性向12.1%)。成長段階として投資を重視しつつも、高いキャッシュフロー創出力を背景に株主還元を進める方針で、上場したばかりの現段階から配当性向などの還元指標の導入も検討しているという。
総じて、チャットプラスは、22名で営業利益率43%という他に類を見ない高生産性経営を実現しながら、チャットボットからAIエージェント、そしてAX支援へと事業領域を広げる転換点にある。今期は体制強化を優先する計画だが、ARPAが一桁上がる「AI AgentPlus Pro」とAXソリューションが軌道に乗れば、少人数のまま売上規模を切り上げる成長余地は大きい。自社の生産性そのものが最良のショーケースであり、DX市場が5.3兆円から9.3兆円へ拡大するなか、AI時代の「人手不足を補い、属人化を解消する」需要を取り込む成長ストーリーなどに注目していきたい。
<YS>
チャットプラス<598A>は、チャットボットシステム「ChatPlus」を中心に、AIエージェント構築サービス「AI AgentPlus」、FAQシステム「FAQPlus」等を開発・提供する企業である。2016年8月の設立以来、チャットボット業界の黎明期から事業を展開し、2026年7月に東証グロース市場へ上場した。累計導入件数は2万件を超え、2026年6月末時点の有料アカウント数は2,220件、業種・業態・規模を問わない導入実績を持つ。法人向けソフトウェアのレビューサイトITreviewでは「Grid Award」のWeb接客・ヘルプデスク・チャットボット・Webチャットの各ツール部門で28期連続の「Leader」を受賞するなど、ユーザー評価も高い。特筆すべきはその生産性で、従業員22名(営業13名・開発7名・管理2名)で売上高12.2億円・営業利益5.2億円を稼ぎ出し、売上高営業利益率は43.4%、ストック収入の割合90%超え、ROEは59.2%に達する。同社が属する自動対話システム市場(テキスト型)は182億円から508億円へ年率18.6%での拡大が見込まれており、成長市場で独自の地位を築いている。
同社の強みは、第一に、創業10年で培った複雑な会話フローの設計力である。生成AIの登場以前からルールベースの条件分岐で訪問者を回答までガイドする機能を磨き込んでおり、生成AI・有人チャット・シナリオを条件によって切り分けるハイブリッド運用ができる点は、生成AIで簡単に作れる汎用チャットボットとの決定的な差になっている。AIエージェントに性格やナレッジを付与し、条件に応じて100体のAIエージェントを切り分けて応答させるなど、BtoCの社外問い合わせ対応で「わかりやすく寄り添う」応対を作り込める点も独自性が高い。本人確認を挟む複雑な業務フローを何十万件と自動処理する実績もあるという。第二に、少人数×高収益の事業構造である。問い合わせ起点の受注が多く営業の手離れが良いうえ、自社でもAI・SaaS・業務自動化を徹底活用しており、この「少人数でも高い成果を生む業務設計」のノウハウ自体が商品価値を持つ。第三に、ストック型の収益基盤である。ARRは12.1億円(前期比12.7%増)と拡大を続け、各サービスの解約率も低位で安定。低価格プランのアカウント減少を高価格プランやAI AgentPlus(ARPA約253万円/年)、FAQPlusの増加で補い、顧客数よりも単価上昇でARRを伸ばす構造への転換が進んでいる。料金水準はChatPlusのARPA約32万円/年に対し、AI AgentPlusは約253万円/年、AI AgentPlus Proは300万円/年と一桁上のアップセル階段が設計されており、既存の約2,000アカウントが移行候補のプールとなる。
直近の業績を確認すると、2026年6月期は売上高1,221百万円(前期比19.5%増)、営業利益529百万円(同43.4%増)で着地し、営業利益率は前期比7.2pt上昇の43.4%となった。続く2027年6月期は、売上高1,369百万円(前期比12.1%増)、営業利益556百万円(同5.0%増)、経常利益556百万円(同5.9%増)、当期純利益359百万円(同3.6%増)を計画する。増益率が鈍化する計画となっているのは、「AI AgentPlus Pro」の拡販、AI・AXソリューションの強化、カスタマーサクセス体制の強化など、成長加速に向けた体制整備を優先するためであり、利用が定着しないまま解約に至る顧客を減らすカスタマーサクセスへの投資は、ストック収益の質を高める布石といえる。実際、解約の主因は顧客企業の担当者の退職による放置や活用の停滞であり、大企業では自社開発への切り替えもあるが、社内規定・文書のAI活用など社内利用の需要は根強く、定着支援の強化が解約抑制と単価向上の両面に効く構図である。
将来戦略の軸は、AIエージェント領域の深耕である。2026年8月にローンチした「AI AgentPlus Pro」(想定ARPA300万円/年)は、AIエージェントによる応答にとどまらず、CRM更新・通知・メール送信等の業務処理の実行まで自動化する統合型基盤で、ノーコードでSalesforce等の外部システムと連携できる。会話フローに業務フローを組み合わせて構築できるサービスへの進化であり、エンタープライズに限らず幅広い企業へ個別開発ニーズを取り込む。さらに8月26日には、企業の業務分析からAIエージェントの設計・構築・既存システム連携・導入後改善までを一気通貫で支援する「AXソリューション」の提供を開始した。ゼロからの個別開発ではなく「AI AgentPlus Pro」を基盤に使うことで低コスト・短期間の導入を可能にするもので、既に10~20社との商談が始まっており手応えは強いという。Microsoft等の大手参入や生成AIの進化については、脅威ではなく利用できる機能の広がりと捉えており、どのAIをどう組み合わせ、業務に合わせて調整するかにこそ同社の付加価値があるとの認識である。
株主還元については、2026年6月期の年間3円に対し、2027年6月期は9円への大幅増配を予定する(予想配当性向12.1%)。成長段階として投資を重視しつつも、高いキャッシュフロー創出力を背景に株主還元を進める方針で、上場したばかりの現段階から配当性向などの還元指標の導入も検討しているという。
総じて、チャットプラスは、22名で営業利益率43%という他に類を見ない高生産性経営を実現しながら、チャットボットからAIエージェント、そしてAX支援へと事業領域を広げる転換点にある。今期は体制強化を優先する計画だが、ARPAが一桁上がる「AI AgentPlus Pro」とAXソリューションが軌道に乗れば、少人数のまま売上規模を切り上げる成長余地は大きい。自社の生産性そのものが最良のショーケースであり、DX市場が5.3兆円から9.3兆円へ拡大するなか、AI時代の「人手不足を補い、属人化を解消する」需要を取り込む成長ストーリーなどに注目していきたい。
<YS>


フィスコニュース
新着コラム/レポート





















